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《マーケットストラテジーメモ》 6月第2週

【推移】

8日(月):
週末のNY株式は主要3指数がそろって大幅上昇。NASDAQは一時終値ベースの過去最高値を超えた場面もあった。NYダウとS&P500はともに最高値から10%以内の水準まで回復。背景はプラスに転じた雇用統計。非農業部門雇用者数が前月比250万9000人増と市場予想の800万人減に反してプラスに転じた。「新型コロナウイルス感染拡大抑制策の緩和を受け雇用市場が改善している」との解釈だ。

日経平均株価は314円高の23178円と高値引け。2万3000円台回復は2月21日以来約3カ月半ぶり。6日続伸は昨年10月18日→29日の7日続伸以来。米雇用統計が市場予想に反して改善し景気回復期待が強まった。景気ウオッチャー調査(街角景気)で「悪化に歯止めがかかりつつある」との判断を示したことも好感。TOPIXも6日続伸。
東証1部の売買代金は2兆8712億円。SBG、ファーストリテが上昇。テルモ、セコムが下落。

9日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は続伸。NYダウは6日続伸し2月24日以来の高値水準。NASDAQは続伸し2月19日以来3カ月半ぶりに終値ベースの過去最高値を更新した。ハイテク株と通信株がNASDAQの上昇をけん引。S&P500は38ポイント高の3232ポイント。昨年末終値(3230ポイント)をわずかに上回り、年初来でプラスに浮上した。

日経平均株価は87円安の23091円と7日ぶりの反落。ドル円の一時107円台を警戒。輸出関連セクター中心に売り物優勢の展開。下落幅は一時200円を超えた場面もあった。東証一部の売買代金は2兆5070億円。資生堂、味が上昇。日産、日本鉄が下落

10日(水):
火曜のNY株式市場でNYダウとS&P500は反落。「FOMCを控え急上昇が一服した」との解釈。一方NASDAQは3日続伸で連日の過去最高値更新。取引時間中には節目の1万ポイントを初めて突破。ハイテクセクター中心の上昇でアップルは3.2%高で上昇率トップだった。「雇用統計以外はかなりの強気になれる材料は過去2週間なかった。
市場が強気の熱を帯びそれ自体を材料にしている」という声もある。

日経平均価格は33円高の23124円と小幅反発。水曜日はこれで4連勝。東証一部の売買代金は2兆2934億円。リクルートが上昇。地所、三菱UFJが下落。空売り比率は37.1%(8日連続40%割れ、13日連続40%未満)。

11日 (木):
水曜のNY株式市場はNYダウとS&P500が続落。銀行セクターの下落が全体に波及した格好だ。FRBが異例の経済支援を継続すると改めて表明。GDPは今年6.5%縮小するとしたほか、失業率は年末時点で9.3%になるとの見通しを示した。「少なくとも2022年まで翌日物金利をゼロ近辺に維持する」とコメント。「GDPと失業率は今後は緩やかに回復するが戻りには時間がかかることが示された」との解釈だ。
NASDAQは終値ベースで初めて1万ポイント台乗せ。マイクロソフトが3.7%、アップルが2.6%上昇し指数をけん引した。

日経平均株価は652円安の22472円と大幅反落。下落幅は4月1日(851円)以来2カ月ぶりの大きさとなった。「高値警戒感から利益確定売り」もあっただろうが米国で新型コロナウイルスの感染者数が200万人を突破したことからNYダウ先物が午後に下落幅を拡大。円高進行も悪材料となった。
TOPIXは3日続落。東証1部の売買代金は2兆8403億円。ドコモが上昇。ホンダ、三菱UFJが下落。

12日(金):
木曜のNY株式市場では主要3指数5%超下落。NYダウの下落幅は1861ドルで史上4番目の大きさ。3月16日以来の下げとなった。「FOMCで示された厳しい経済見通しを織り込む中で、新型コロナウイルスの感染第2波を巡る懸念が再燃した」との解釈だ。
週間新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比35万5000件減の154万2000件。申請件数は10週連続で減少。ただ週間失業保険受給総数は2092万9000件と高水準。

日経平均株価は167円安の22305円と続落。6月1日以来約週間ぶりの安値水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大「第2波」懸念でNYダウは18000ドル超の下落。これを受けて寄り付きは売り気配。ただ高値警戒感と押し目買いの交錯で下値を切り上げ後場は下落幅を縮小。

日経平均の日中値幅は563円約2カ月ぶりの大きさ。日足は陽線、週足は陰線。一時700円近く下落し21786円までつけた場面もあった。ただ終値でSQ値22071円は上回って「幻のSQ値」は回避。東証1部の売買代金は3兆3246億円。ファーストりテ、テルモが上昇。SBG、東エレが下落。


(2) 欧米動向

トランプ大統領のツイート。
「実に素晴らしい雇用統計だ。
トランプ大統領は良い仕事をしている(ジョークだが事実だ)!」。
そして「今日はおそらく米国史上、最高の復活の日だ。
われわれは好調だった頃よりも一段と力強くなるだろう」とコメントした。
加えて矛先はバフェット氏にも。
「ウォーレン・バフェット氏は新型コロナウイルス禍で航空株を手放したことは判断ミスを犯した。
バフェット氏のことは大変尊敬している。
しかし彼のような人でも時には間違いを犯すことがある。
航空株は今日急騰しており、持ち続けるべきだった」。
コメントの矛先を一投資家に向ける大統領というのも珍しいものだ。
バイデン前副大統領は「米経済の再建には多大な取り組みが残されている。
雇用統計が予想外に好調だったことで米国史上最高の復活の日などと讃えたトランプ大統領を批判した。

(3)アジア・新興国動向

NY株動向が焦点だが火種は中国にもある。
香港国家安全法を巡る米中高官の非難合戦の鎮静化はどうなのだろうか。
15日には中国の主要経済指標の発表も控えており結構神経質だ。

【展望】

スケジュールを見てみると・・・。

【6月】陽線確率7勝3敗、(陽線確率70%)、過去15年10勝5敗(1位)
    気学では「利を優先するより、損をしないよう売り方針」


15日(月):日銀金融政策決定会合(→16日)、第3次活動指数、米NY連銀製造業景気指数、対米証券投資、中国各種経済指標
16日(火):黒田日銀総裁会見、米小売り売上高、鉱工業生産、独ZEW景況感、変化日
17日(水):貿易統計、首都圏マンション販売、国会会期末、米住宅着工件数
18日(木):東京都知事選告示、米CB景気先行指数、フィラデルフィア連銀景況観、EU首脳会議(ブリュッセル)
19日(金):消費者物価、米経常収支
20日(土):天赦日+一粒万倍日
21日(日):部分日食
22日(月):米シカゴ連銀全米活動指数、中古住宅販売研件数
23日(火):新築住宅販売件数
24日(水):企業向けサービス価格指数、独IFO景況感
25日(木):全産業活動指数、米GDP確定値、耐久財受注、中国端午節(→27日)
26日(金):米個人所得、変化日、鬼宿日・神吉日
29日(月):商業動態統計、株高の特異日
30日(火):失業率、鉱工業生産、キャッシュレスポイントの期限、米CB消費者信頼感、CS住宅価格指数、中国製造業PMI、英EU離脱以降期限の延長申請期限、上げの日

OECDの経済見通しが発表された。
今年の世界全体の実質経済成長率は感染の第2波がない場合でマイナス6%。
第2波に見舞われればマイナス7.6%に落ち込むと予測。
コメントは「規制が緩和され始めても景気回復への道は依然、不確実性が高い。
過去100年で最悪の状況」。
第2次世界大戦よりもひどいという見通しだ。
日本は第2波がない場合でマイナス6%、第2波に襲われればマイナス7.3%との予測。
OECDの分析のポイントは「新型コロナ危機で深まる世界経済の分断化」。
「ロックダウン(都市封鎖)は国内の格差拡大も招いた。
若年層とスキルのない労働者が大きな影響を受けている」という見方だ。
ただ21年はプラス2.1%と予想。
「今年は最悪だが来年は復調で低いながらもプラス成長」。
足元を重視するか、未来の希望に託すかというのが課題。
足元は見ないで未来への希望重視というのが今の株式市場だが・・・。

敢えて素朴な疑問。
「コロナと鼻かぜとどこが違うのだろうか」。
季節性インフルエンザによる推定年間死亡者数は、世界で約30万人程度。
日本で約1万人。
また例年の季節性インフルエンザの感染者数は、国内で推定約1000万人と言われている。
あるお医者さんたちのコメントは「どこが違うの?」。
この答えはあるのだろうか。
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櫻井英明

Author:櫻井英明
日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの公式スマホサイトにて、毎日、株式情報を配信中。

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