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《マーケットストラテジーメモ》 6月第2週


【推移】

10日(月):
週末のNYダウは5日続伸。雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが7万5000人と市場予想の18万5000人を大幅に下回って着地。前月の22万4000人増から大きく鈍化した。これを受けて7月の利下げを含め年内3回の利下げ確率が織り込まれた。

日経平均株価は249円高の21134円と続伸。2週間ぶりに21000円台を回復した。日足は4日連続陽線。25日線を約1ヶ月ぶりに上回った。令和2回目の浮上だ。「円が対ドルでやや弱含んだことが支え」という声もある。中国の貿易統計で輸出は前年同月比1.1%増。米国の関税引き上げにもかかわらず、予想の3.8%減に反して増加した。
ただ輸入は前年比8.5%減と市場予想(3.8%減)以上に落ち込み、2016年7月以来約3年ぶりの大幅な減少。「当局の追加刺激策につながる可能性がある」という見方だ。

日本の景気ウオッチャー調査では、景気の現状判断DIは44.1と、2016年6月の41.8以来の低水準。先行きは大幅な悪化となっており消費増税や米中間の関税上乗せなどへの警戒感は増大。TOPIXは20ポイント高の1552ポイント。日本通信、東レが上昇。KDDI、HISが下落。

11日(火):
週明けのNYダウは78ドル高の26062ドルと6日続伸。26000ドル台回復は5月6日以来1カ月ぶり。NYダウの6日続伸は2018年5月の8日続伸以来1年1カ月ぶりの連続上昇記録。トランプ大統領がメキシコからの全輸入品への関税発動を見送ると発表したことを好感。

日経平均株価は69円高の21204円と3日続伸。25日線を2日連続で上回った。日足は4日連続陽線。マザーズ指数と日経ジャスダック平均も日経平均から1日遅れで25日線を上回った。米とメキシコを結ぶサプライチェーンの寸断や調達コスト1兆6720億円と4月10日以来の4日連続の2兆円割れ。京セラ、TDKが上昇。ファーストリテ、オリンパスが下落。

12日(水):
NY株式は序盤に上昇したものの尻すぼみの展開。NYダウは一時200ドル近く上昇していたが終値は14ドル安。前日まで6日続伸していたことの反動での一休み。

トランプ大統領のコメント。「月末のG20首脳会議に合わせて中国の習近平国家主席と通商合意に達しなかった場合、中国輸入品に追加の報復関税を発動する用意がある」。これで貿易摩擦懸念を再認識した格好だ。「新たな材料がなければ株価上昇は難しい」という声もあるが、本当かどうかは微妙。中国の地方政府による投資促進策強化は欧州では評価されDAXなどが上昇したがNYでは話題にならなったようだ。

日経平均株価は74円安の21129円と4日ぶりの反落。方向は定まらずの印象。東証一部の売買代金は1兆9169億円と5日連続で2兆円割れ。5日連続は昨年8月以来。ファーストリテ、トヨタが上昇。SBG、花王が下落。上へも下へも荒れやすいSQ週の水曜日だったが「メジャーSQ週であることを忘れてしまうような静かな水曜日だった。

13日(木):
NY株式市場は主要3指数そろって小幅続落。利下げ観測の高まりから銀行セクターが軟調。原油先物価格の下落からエネルギーセクターも売られる展開。SOX指数は2.3%下落した。消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%上昇と小幅な伸びで着地。
市場予想も0.1%の上昇だった。コア指数の前年比の伸びは2.0%と4月の2.1%から鈍化。「物価圧力の落ち着きを踏まえ、利下げ観測が強まった」という見方だ。
6月FOMCでの利下げ確率は21%。7月の利下げ確率は69.1%。

日経平均株価は97円安の21032円と続落。香港ハンセンの下落の影響で4日ぶりに21000円を下回る場面もあった。東証一部の売買代金は1兆9028億円と6日連続の2兆円割れ。ユニチャーム、セコムが上昇。トヨタ、安川が下落。心機一転(変化)と怖いもの見たさ(続落記録)が同居したような木曜日だったが結果は5勝16敗で令和になって6連敗。連敗街道に終止符を打ってもらいたいものだ。

14日(金):
NY市場で主要3指数は3日ぶりの反発。中東でのタンカー攻撃を受け原油先物が2%超値上昇。エネルギー株が買われたとの解釈だ。

ただ「地政学的リスクを巡る懸念がくすぶっている」という声もある。輸入物価指数は前月比0.3%低下。2018年12月以来の大幅な落ち込みとなった。物価上昇圧力の弱さを示す新たな兆しと見られた。新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前月比3000件増の22万2000件。予想外に増加した。労働市場の鈍化とインフレ圧力の弱さが示された格好だ。

日経平均株価は84円高の21116円と3日ぶりに反発。前日のNY株式相場が上昇し株価指数先物に買い先行の展開。円高一服を受けて自動車や機械などの輸出関連株に買い戻しが入ったとの解釈。ただ中東を巡る地政学リスクが警戒され売りが優勢になりマイナスに沈んだ場面もあった。
東証1部の売買代金は2兆18億円。7日ぶりに2兆円を上回ったがメジャーSQの週末だけに実質は2兆円割れ。そのSQ値は21060円56銭で「幻のSQ値」は逃れた格好。ソニー、アンリツが上昇。オムロン、郵船が下落。

(2) 欧米動向

「米国株のセンチメント(投資家心理)がリーマン危機前のパターンに引き寄せられ始めているようにみえる」。
ウォール街はざわついたという国内大手のストラテジストのメモ。
「センチメントがこのまま08年のパターンをなぞっていけば、8月中旬?9月前半に
米国株は強烈なセルオフ(急落)に見舞われるリスクがある」と。
「最大の悲観論者(the biggest doomsayer)」のストラテジストコメントという表現も・・・。


(3)アジア・新興国動向

先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち20指数が上昇。

上位1位中国週間騰落率1.92%、2位シンガポール1.78%、3位オーストラリア1.66%、
4位イタリア1.24%、8位日本1.11%、 14位米国0.41%。
下位25位トルコ▲3.22%、24位マレーシア▲0.65%、23位ベトナム▲0.49%、
22位インド▲0.41%、21位メキシコ▲0.34%。


【展望】

スケジュールを見てみると・・・

17日(月):首都圏マンション販売、米NY連銀製造業景況感NAHB住宅市場指数、対米証券投資、米政府対中関税公聴会の可能性
18日(火):FOMC(19日まで)、米住宅着工件数、独ZEW景況感
19日(水):日銀金融政策決定会合(20日まで)、貿易統計、訪日客数、米パウエルFRB議長会見
20日(木) :黒田日銀総裁会見、全産業活動指数、コンビニ売上高、米1?3月経常収支、CB景気先行指数、フィラデルフィア連銀製造業景況感、EU首脳会議(21日まで)
21日(金):消費者物価指数、米中古住宅販売


【6月】(9勝5敗で2位、陽線確率64.3%)

17日(月)ECBフォーラム(ポルトガル)、満月
18日(火)米FOMC(?19日)
19日(水)日銀金融政策決定会合(?20日)
20日(木)EU首脳会談(ブリュッセル)
21日(金)米メジャーSQ、変化日、上げの特異日
22日(土)ASEAN首脳会議(タイ)、海王星逆行
25日(火)世界経済フォーラム夏季ダボス会議(中国大連)
26日(水)天赦日
27日(木)変化日
28日(金)G20首脳会議(大阪29日まで)、大幅高の特異日、鬼宿日
30日(日)日本がIWCを奪会、ユネスコ世界遺産委員会(アゼルバイジャン)


リーマン・ショックの頃はいざ知らず・・・。
滅多に株価材料になることはないのがG20財務相・中央銀行総裁会議。
今回も福岡で開催されたが、株式市場的には通過しただけのことだった。
共同声明は「G20各国リスクに対処し続け、さらなる行動をとる用意がある」。
反保護主義に関する文案は見送り。
「巨大IT企業に対する新たな課税ルールについて、2020年の大枠合意を目指す作業計画」を承認。
これが目新しいくらいか。
今後の焦点は28、29日の大阪での20カ国・地域首脳会議(G20サミット)。
トランプ大統領と習近平国家主席がG20サミットに合わせて首脳会談を開く予定。
興味深いのは麻生太郎財務相のコメント。
「10月の消費税率引き上げを説明した際、参加国から異論はなかった」。

「消費増税を見送れば日本国債は格下げに」の声。
市場からのブラフに過ぎないが、格下げで国債が売られれば金利も復活する。
それがハイパーインフレにつながるのが一番懸念されるところだが、そんな声はない。
いっそのこと、一度格下げされてみたら?
という破壊的な思考法もなくはない。
安全資産としての日本国債とか安全資産としての円という呪縛が解けるかも知れない。

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櫻井英明

Author:櫻井英明
日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの公式スマホサイトにて、毎日、株式情報を配信中。

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