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《マーケットストラテジーメモ》 11月第5週


【推移】

26日(月):
週末のNY株式市場は半日立ち合いだったが下落。感謝祭明けは高いというアノマリーは生じなかった。理由は原油先物価格の下落。エネルギーセクターが下落をけん引した。アップル、アマゾンなども下落し相変わらず相場の重荷だ。

週間ベースでは、主要3指数がそろって3%超下落。NYダウとNASDAQの下落率は3月以来の大きさ。「S&500は9月20日以降約10.2%下げ、調整局面に入りとの観測。前回の調整入りは今年初め。1月後半の高値から2月初めまでに10%超下落。
調整期間は約7カ月続いた」という声が聞こえる。東京の空売り比率は44.6%。38日連続40%超は2008年の算出以来の記録となった。「11月の3連休明けの株高」のアノマリーを証明してくれた月曜。

日経平均株価は165円高の21812円ちょうどと続伸。TOPIXとともに5日連続日足陽線となった。大阪での万博開催も好感され、関連銘柄が物色された。大林組、ユニファミマが上昇。JAL、国際石開帝石が下落。

27日(火):
週明けのNY株式市場でNYダウは354ドル高と5日ぶりの反発。「ブラックフライー、サイバーマンデーで年末商戦が好調な滑り出し。景気減速への警戒感が薄れた」との解釈だ。原油の下落は一服。イタリアの財政問題の懸念も後退。突如として悪材料への解釈が変化し、米中貿易摩擦問題は見えないフリになった印象。

調査会社アドビ・アナリティクスによると「ブラックフライデー」のインターネット通販の売上高は前年比24%増。26日の「サイバーマンデー」への期待感も加わりアマゾンは5%超の上昇となった。「基本は売り込まれていたハイテク、金融、エネルギーセクターへの買い戻しと小売への期待」という見方だ。月曜に今月初の続伸となり火曜で3日続伸。

10月に戻り高値(24448円)をつけた9月28日~10月2日の3日続伸以来だ。この2か月続伸はあっても3日続伸はなかった。日経平均株価は140円高の21952円と3日続伸。残念ながら6日連続陽線とはならなかった。上昇幅を縮小した場面もあったが米株価指数先物の落ち着き上海株の動向を見て再度上昇した。ソフトバンク、任天堂が上昇。ファーストリテ、信越が下落。

28日(水):
NY株式市場は小幅高で続伸。好感されたのは米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長のコメント。「12月1日に予定される米中首脳会談は中国との通商問題の解決に向けた機会になる」。これを受けて「あらゆるセクターが値動きの荒い展開となった。
主に関税の問題が市場に影を落としている」という見方だ。いずれにしても通過しなければ結論の出ない問題を材料にするのは可変性が高いことだ。「東証1部の売買代金(2兆5511億円)は最近の中では高水準。相場に変化が出てきた」という声も聞こえる。

11月22日時点の裁定買い残は前週比564億円減の1兆609億円。裁定売り残は507億円増の5946億円。空売り比率は40.3%と41日連続40%超だが、ようやく40%割れが見えてきた格好だ。日経平均株価は224円高の22177円と4日続伸。ファストリ1銘柄で日経平均を70円あまり押し上げるなど値がさ株の上昇が目立った。

日経平均の4日続伸は9月13~26日(8日続伸)以来、約2カ月ぶり。大日本住友、花王が上昇。ユニファミマ、トヨタが下落。

29日(木):
NY株式市場は大幅続伸。NYダウの上昇幅は600ドル、NASDAQは同200ポイント、S&P500は同60ポイントを越えた。上昇率ではNYダウとS&P500が約8ヶ月ぶり、NASDAQは約1ヶ月ぶりの大きさだった。理由はFRBパウエル議長の講演。「政策金利は中立金利を若干下回る水準にある」。

市場は「利上げ終了時期が近い。あるいは今後の利上げ回数は市場が見込むほど多くない」と見た格好だ。利上げは12月に1回、来年は2回の可能性となった。「パウエル議長はまさに市場やトランプ大統領が欲しがっていたものを与えた」という声が聞こえる。
「明らかなトーンの修正で、投資家にとって歓迎すべきニュースだ」とも言えよう。
米中貿易摩擦については週末の会談で会食することになっており「悪い方向でメシは食べないだろう」という楽観論が台頭している。「食事しながら喧嘩別れはすまい」という見方だ。

30日(金):
NYダウは一時100ドル超上昇した場面もあったものの往来相場で終値は小幅反落。FOMC議事要旨で利上げの打ち止め時期を巡る議論が始まったことが分かり一時は上昇。しかしテクノロジーや金融セクターが売られた。「週末のG20首脳会議に合わせて行われる米中首脳会談を控え、関税を巡る問題が引き続き市場を圧迫した」との解釈だ。トランプ大統領は「中国との通商交渉妥結に近づいているが、それを自分が望んでいるかは定かでない。先は長い」と意味不明のコメント。これが「合意に消極的」と解釈された格好だ。
10年国債利回りは低下。一時、9月18日以来初めて節目となる3%を割り込む場面があった。
日経平均株価は88円高の22351円と6日続伸。大引けにかけて買い物優勢の展開となり200日移動平均(22295円)を3週間ぶりに上回って引けた。
東証1部の売買代金は3兆6637億円。MSCIの銘柄入替の影響で膨らんだ。井関、大塚HDが上昇。トヨタ、内田洋行が下落。ソフトバンクグループの通信子会社ソフトバンク(SB)は売出価格の仮条件を1500円と決定。
想定価格と同じ価格となった。12月19日に新規上場予定。

(2) 欧米動向

NYのFAANGの軟調で一時時価総額は100兆円以上減った。
「世界から含み益が減った」という声も大きい。
「下げなければ上がれない」と見るか。
「隣の芝生は青い」と見るか。
あるいは「移り気」と見るか。
見方で印象は変わってくる。
この先に控えているのは「サンタラリー」という言葉。
12月のNYダウは過去10年で7回上昇。
日経平均も8回上昇。
毎年サンタが来ることを願いたいところ。

クレディの2019年日本株見通し。
結論は「オーバーウェイトを維持し2019年末22300円。
消費増税は経済対策でネガティブ相殺」。
モルガン・スタンレーの見通し。
「日本株はオーバーウェイトに引き上げ。
2019年6月のTOPIXは1720だったが12月は1800に引き上げ。
20年3月期にTOPIXのEPSは4.2%増、21年3月期は2.3%増の見通し」。
ショボイが悪くはない。


(3)アジア・新興国動向

NY原油先物価格は一時 1 バレル50ドル割れ。
昨年10月上旬以来の安値を 付けた。
ただ10月6日のOPEC総会で主要産油国が減産で合意すれば需給 改善につながるとの期待が高まっている。
201512月 のOPEC総会では減産が見送られた結果、16 年2月にかけて原油安が継続。
当時はオイルマネーによる株売りによって世界的に株安が進んだというのが歴史。
原油動向のおろそかにはできない。

【展望】

スケジュールを見てみると・・・

3日(月):法人企業統計、新車販売、米ISM製造業景況感、建設支出
4日(火):マネタリ^ベース、EU財務相理事会でイタリアの財政赤字制裁開始の可能性
5日(水):武田薬品株主総会、米ADP雇用レポート、ISM非製造業景況感、ベージュブック
6日(木):米貿易収支、製造業受注、OPEC総会
7日(金):景気動向指数、米雇用統計、ミシガン大学消費者信頼感、独キリスト教民主同盟党首選挙

【12月】 

 1日(土)4K・8K衛星実用放送開始、上げの特異日
 3日(月)マネタリーベース、COP24(~14日ポーランド)、変化日、株高の日
 7日(金)米雇用統計、水星順行開始、変化日
10日(月)GDP改定値、貿易収支、ノーベル賞受賞式(ストックホルム)、株安の日
13日(木)EU首脳会議、ECB理事会、変化日
14日(金)日銀短観、メジャーSQ、株安の日
18日(火)米FOMC(~19日)
19日(水)日銀金融政策決定会合(~20日)、ソフトバンク通信小会社上場、変化日
23日(日)満月、東京タワー開業60周年
24日(月)天皇誕生日の振り替え休日で休場
25日(火)クリスマスでNYロンドン休場、年内受け渡し最終日、変化日
26日(水)ボクシングデーでロンドン休場、上げの特異日
27日(木)株高の日
28日(金)失業率、大納会
30日(日)「TPP11」が発効
31日(月)ニューイヤーズイブでロンドン市場短縮取引
月内:税制大綱とりまとめ、19年度予算案策定

万博の経済効果は2兆円。
当然市場はターゲットにしてこよう。
万博会場予定地の夢洲に用地を取得している山九(9065)、上組89364)。
櫻島埠頭(9453)、杉村倉庫(9307)。
関西の名門ロイヤルホテル(9713)、京阪(9045)。
関空となんばを結んでいる何回(9044)、鉄建(1815)も。
ユニゾホールディングス(3258)、東祥(8920)、共立メンテナンス(9616)、藤田観光(9722)。
三精テクノロジーズ(6357)は前回万博、つくば博、愛・地球博でも豊富な実績。
警備保障業界は東京五輪、来年のラグビーW杯、そして大阪開催のG20など案件豊富。
ALSOK(2331)、セコム(9735)、東洋テック(9688)、アール・エス・シー(4664)。
シップヘルスケア(3360)は警備などを手掛ける日本パナユーズ(大阪市西区)を子会社化。
関空運営のオリ(8806)、御堂筋のオフィスビル運営の京阪神ビル(8818)。
IR関連も話題になろうか。


日経平均株価の推移   平均値   最高値   最安値

昭和37年(1962)    1419円44銭 1589円76銭 1216円04銭
昭和38年(1963)    1440円61銭 1634円37銭 1200円64銭
昭和39年(1964)    1262円88銭 1369円00銭 1202円69銭
東京五輪終了
昭和40年(1965)    1203円16銭 1417円83銭 1020円49銭
昭和41年(1966)    1479円16銭 1588円73銭 1364円34銭
昭和42年(1967)    1412円10銭 1506円27銭 1250円14銭
昭和43年(1968)    1544円81銭 1851円49銭 1266円27銭
昭和44年(1969)    1956円36銭 2358円96銭 1733円64銭
昭和45年(1970)    2193円21銭 2534円45銭 1929円64銭
大阪万博終了
昭和46年(1971)    2385円72銭 2740円98銭 1981円74銭

40年不況をくぐりぬけて、五輪→万博の株価はダブルバーガーだったのが歴史
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櫻井英明

Author:櫻井英明
日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの公式スマホサイトにて、毎日、株式情報を配信中。

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