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《マーケットストラテジーメモ》 7月第3週


【推移】
17日(火):
週末のNY株式市場は小幅上昇。S&P500は終値で2月1日以来の高値水準。年初来で4.8%の上昇となった。週明けのNYダウは小幅に3日続伸。4~6月期決算をきっかけに銀行株が上昇。航空機のボーイングも買われて指数を押し上げた。

一方、原油先物相場の下落で石油株が売られ上値は重い展開。6月の小売売上高は前月比0.5%増と市場予想と一致して着地。5月分が大幅に上方修正されたが小売セクターの反応は限定的。
NYダウの日中値幅は92.77ドル。1月8日(76.58ドル)以来、半年ぶりとなる100ドル未満の値幅。「膠着感の強い展開」との見方だ。

少し気になるのは日銀の動向。資金供給量(マネタリーベース)の増加にブレーキがかかってきた。6月は前年同期比33.6兆円増。異次元の金融緩和が始まった2013年4月以来の低い水準となりピーク時から6割減少。国債購入減などの影響だが少なくともポジではない。

日経平均株価は100円高の22697円と3日続伸。6月15日以来、約1カ月ぶりの高値水準を回復した。上昇幅は一時200円を超え228000円台に乗せる場面もあったが引け際に失速。任天堂、トヨタが上昇。ソフトバンク、TDKが下落。

18日(水):
NYダウは4日続伸。パウエルFRB議長が半期に一度の議会証言で米経済について楽観的な認識を示したことを好感した。同議長は「適切な金融政策運営によって今後数年労働市場は引き続き堅調。インフレ率は2%近辺で推移する。段階的なFF金利の引き上げの継続が最も適切と確信している」と証言した。

市場は「今後、危機の兆候がみられた場合、FRBは利上げペースを緩める可能性がある」と解釈した。フェイスブック、グーグルの親会社アルファベット、アマゾンは過去最高値を記録。NASDAQ上昇の背景となった。ネットフリックスの契約者数の停滞はほとんど影響しなかった形だ。

日経平均株価は96円高の22794円と4日続伸。ただ後場は売り物優勢の展開で200円超だった上昇幅を縮小。結局安値引けとなった。「ドル円は113円台なのに安値引けという奇妙さ」という声が聞こえる。トヨタ、ソフトバンクが上昇。任天堂、JT、資生堂が下落。

19日(木):
NYダウは5日続伸。S&P500は5カ月ぶりの高値。NASDAQは小幅安とマチマチの展開。堅調な決算を受けバークシャー・ハサウェイ、モルガン・スタンレーなど金融セクターが上昇。アマゾンの時価総額は初めて9000億ドル台に乗せた。時価総額が9000億ドル台に乗せたのはアップルに次いで2社目。
一方グーグルの親会社アルファベットはEU当局が制裁金としては過去最高額となる50億ドルの支払いを命じたことから下落。鉄道輸送大手CSXと航空大手ユナイテッド・コンチネンタルは好決算を受けて上昇。ダウ輸送株指数の大幅高につながった。
7月13日現在の信用買残は1301億円減の3兆889億円。6週連続減少は2015年2月以来。
期日整理は進んできた印象。信用売残は427億円増の7737億円。こちらは4週ぶりの増加。1月23日の買い方期日は7月23日。その次に控えているのは売り方期日の8月14日。そして9月26日だ。

大引けの日経平均株価は29円安の22764円と5日ぶりの反落。TOPIXも反落。「足元の中国株安、人民元安などが懸念された」という声が聞こえるが結局は23000円の壁が立ちはだかったということだろう。任天堂、エーザイが上昇。資生堂、いちご、マネが下落。

20日(金):
NYダウは6日ぶりの反落。「企業決算が失望を誘ったほか、EUが米国からの輸入財に報復関税を課す可能性に懸念が拡大」との解釈だ。トランプ大統領はFRBの利上げについて「満足には感じていない。
利上げをする度に、FRBは追加利上げを望んでおり、そうした状況をさほど喜ばしいとは感じていない。FRBが最善と感じる措置を講じるよう任せている」とコメント。加えて「強いドルは米国を不利な立場に置く」ともコメントした。

日経平均株価は66円安の22697円と続落。米中貿易摩擦への懸念が拡大。中国人民元安を警戒した売り物優勢となった。下落幅は一時200円を超える場面があったが上海株が上昇幅を拡大したことから下げ渋り。
25日線(22306円)と75日線(22330円)がデッドクロス。JT、任天堂が上昇。ファナック、東エレが下落。日経ジャスダック平均は小幅に続落。東証マザーズ指数は小反発。

(2) 欧米動向
米国市場のFANG銘柄をなぞらえた「日本版FANG」銘柄群。
中身はファーストリテ、アイン、日電産、ソフトバンクだ。
トランプ政権が鉄鋼アルミ関税を発効した3月23日を100としてみると・・・。
米国版FANGは24%の上昇でS&P500の8.5%をアウトパフォーム。
日本版ファングは18.8%上昇で日経平均の10.0%をアウトフパフォーム。
「ドル高FANG高は出遅れ感のある日本版FANGにも波及しよう」の声が聞こえる。

(3)アジア・新興国動向
中国国家統計局は毎月公表する鉱工業企業の利益について過去の水増しを修正したと認めた。
水増し修正を認めるのは異例のこと。
1企業の利益を複数の地域で計上したりしていたという。
小売売上高(社会消費品小売総額)や工業生産なども統計局が水増しを正した可能性アリ。
となると6%台のGDPも3週間で計算できる怪しさがクローズアップされてこようか。

【展望】

スケジュールを見てみると・・・
23日(月):米中古住宅販売、シカゴ連銀全米活動指数
24日(火):東京五輪まで2年、米住宅価格指数
25日(水):米新築住宅販売、独IFO景況感
26日(木):企業向けサービス価格指数、米耐久財受注、ECB定例理事会(ドラギ総裁会見)
27日(金):米4~6月期GDP、朝鮮戦争休戦65周年

10月第1営業日に、日経平均株価(以後、日経平均)の定期銘柄入替えが実施される。
大和のクオンツチームのレポート。

結論は「今年は2銘柄の入替えを予想する」。
除外候補としては宝HD(2531)、東京ドーム(9681)が絶対除外基準に該当。
銘柄数の過剰感が強い素材セクターから古河機金(5715)が東京ドームの代わりに予備除外候補。
採用候補は銘柄数の不足感が強い消費セクターから、スタートトゥデイ(3092)、
サイバーエージェント(4751)。
予備採用候補として、任天堂(7974)、カカクコム(2371)。
任天堂は株価水準が約3万円台という値嵩株。
採用された場合に他の銘柄へ与える影響は大きく採用の可能性は低い。
日経側がスイッチを入れるタイミングに注目。
今年は東証と大証が統合してから丸5年という区切りの良い年。
旧大証銘柄の代表格という点が定性面でプラスに働く可能性もないとは言えない。
通常は10月第1営業日(今年は10月1日)に実施されると見られる。
リバランスに伴う売買インパクトは、理論的には前営業日となる9月28日終値ベース。
日経平均パッシブ連動資産は、各銘柄2600万株程度。
日経からの発表は例年通り9月上旬(遅くても7日まで)と見られる

先週から目立ち始めたクレディの225先物の買い越しは昨日まで続いている。
7月6日を境に売り越しが買い越しに転じて先週は1万枚近くの買い越しだ。
おそらく委託者に確たる理由はなくたぶん需給のリズムの結果なのだろう。
「思惑でもなんでもなく需給のリズムが背景」では解説にならないのでアレコレと理由を詮索する。
大抵は隔靴掻痒の感なのでなんとなく「わかったフリ」と「わかってもらったフリ」。
これが市場の不幸の一つであろうか。
「ウリが多いから安くカイが多いから高い」。
この原理原則を放れて相場形成はありえないというのが正直なところだ。
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櫻井英明

Author:櫻井英明
日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの公式スマホサイトにて、毎日、株式情報を配信中。

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