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《マーケットストラテジーメモ》 6月第2週


【推移】

11日(月):
週末のNY株式市場で主要株価指数は上昇。貿易摩擦への警戒感は後退したものの来週の各国金融政策決定会合を控えて方向感のない展開。G7サミットでは共同声明が出ない可能性も高いという見方もあった。結局、通商政策を巡り米国と6カ国の意見対立が解消されないまま、かろうじて首脳宣言が採択された。しかしトランプ米大統領がカナダのトルドー首相の発言に立腹、一転して宣言を承認しないとコメント。市場に影を落とした。

日経平均株価は109円高の22804円と反発。後場は160円超まで上昇幅を拡大した。新潟県知事選で自民、公明両党が支持した候補が当選したことから国内政治リスクが後退したとの見方も聞こえた。
東証1部の売買代金は1兆9134億円で今年3番目の低水準。イオン、CREが上昇。積水ハが下落。

12日(火):
週明けのNYダウは小幅に4日続伸。3月上旬以来ほぼ3カ月ぶりの高値となった。G7サミットでトランプ大統領が首脳宣言を承認しなかったことへの反応は薄かった印象。もっとも「米朝首脳会談や各国中央銀行会合など重要日程を控えて様子見ムードは強く積極的に買い進む動きは限定的」との見方だ。

日経平均株価は74円高の22878円と続伸。終値ベースでメジャーSQ値を上回った。ファーストリテ、任天堂が上昇。トヨタが下落。

13日(水):
NY株式市場はダウが小幅安。NASDAQとS&P500が小幅続伸とマチマチ。東京が注視したほど米中会談は材料視されなかった印象。むしろFOMCの推移の方が焦点で神経質な展開だった。5月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇。市場予想と一致した。前年同月比では2.8%上昇で2012年2月以来の大幅な伸びとなった。

6月8日時点の信用買残は前週比1016億円減の3兆3678億円。信用売残は289億円増の8351億円。今年始めて水曜日が2週連続の上昇。「6勝16敗と負け越してはいるが年半ばの折返し。相場の展開あるいは物色セクターの転換の前兆かも知れない」という見方も登場した。曙ブレーキのストップ高や東芝の自社株買いなどオールドファッションが目立ち始めた印象もある。

日経平均株価は88円高の22966円と3日続伸。ドル円が110円台後半で推移したことを好感。23000円に迫る場面もあった。TOPIXも3日続伸。東証1部の売買代金は2兆2489億円。ソフトバンクが上昇。任天堂、SUMCOが下落。

14日(木):
NY株式市場は引けにかけて下落幅を拡大。NYダウが100ドル超の下落になるなど主要3指数は揃って軟調だった。FOMCはFF金利の誘導目標を25ベーシスポイント引き上げて1.75~2.00%で着地。
これは想定内。ただ声明文で「景気刺激に向け金利を十分に低い水準にとどめる」。あるいは「当面の間、景気を刺激する方針」という文言は消えた。
今年についてはあと2回、合計4回の利上げを予測しているとした。

裁定買い残は3576億円と大幅に減少し2兆824億円。裁定売り残は700億円減少し7003億円。メジャーSQ通過で買い残が減少したことは通常の動きだ。

日経平均は227円安の22738円と4日ぶりに反落。下落幅は200円を超え安値引けとなった。終値ベースで下げ幅が200円を超えるのは、5月30日(339円91銭安)以来、2週間ぶり。
FOMCでの利上げ回数追加や貿易摩擦懸念、アジア株安を嫌気して後場は売り物が一層優勢となった。曙ブレーキが約2億株の商いを伴って続伸。ライドオンが上昇。任天堂、王子が下落。

15日(金):
米国株式市場はS&P500とNASDAQが上昇。NASDAQは史上最高値を更新した。NYダウは金融セクターが足をひっぱって小幅続落とマチマチ。

ECB理事会は「金利については現在の水準に少なくとも2019年夏までとどまる」との見通し。週末の日経平均株価は113円14銭高の22851円75銭と反発。日足は2日連続の陰線。週足は2週連続の陽線だ。ECBが少なくとも来年夏までの間、利上げを見送る方針を好感し過度な懸念が後退したとの解釈。買い戻し中心の展開で上値は重かった。

日銀金融政策決定会合は現状維持で通過したが反応薄。SQ値は上回り3勝3敗。TOPIXコア30が0.66%高と堅調だったことが目立つ。石油・石炭、医薬品、不動産セクターが上昇。ゴム、金属、機械、銀行セクターが下落。
東証1部の値上がり銘柄数は768、値下がりは1254銘柄。ファーストリテ、村田が上昇。三菱UFJ、信越が下落。


(2) 欧米動向

ECB理事会は「量的緩和を今年9月以降は月間150億ユーロに縮小し、年内で終了する」と決定。
「9月末までは月間300億ユーロの現在の買い入れを続け、
それ以降はデータが理事会の中期インフレ見通しを確認するものとなれば、
買い入れ規模を12月末まで月間150億ユーロに縮小した後、終了する」。
ただ「金利については現在の水準に少なくとも2019年夏までとどまる」との見通し。
市場予想より長い期間にわたり低金利を維持する可能性が好感された。
また小売売上高は前月比プラス0.8%と市場予想のプラス0.4%を上回って着地。
2017年11月以来の伸びとなった。
背景は自動車やガソリン支出の増加。
「第2四半期の経済成長加速の可能性」と見られこれも好材料視された。


(3)アジア・新興国動向
世界の株式相場は主要24の株価指数のうち8指数が上昇。

上位1位イタリア週間騰落率3.91%、2位メキシコ2.18%、3位ドイツ1.91%、
4位スイス1.53%、5位フランス0.95%、7位日本0.69%。
下24位ブラジル▲2.99%、23位ロシア▲2.80%、22位フィリピン▲2.73%、
21位シンガポール▲2.32%、▲11位米国▲0.89%。


【展望】

スケジュールを見てみると・・・

15日(金):黒田日銀総裁会見、民泊法施行、米鉱工業生産、ミシガン大学消費者信頼感、NY連銀製造業景気指数
18日(月):貿易統計、米NAHB住宅指数
19日(火):米住宅着工件数
20日(水):訪日外客数、通常国会会期末、米経常収支、中古住宅販売
21日(木):米CB景気先行指数、ファイラデルフィア連銀製造業景況感
22日(金):消費者物価指数、全産業活動指数、OPEC総会

先週土曜の日経朝刊「平成の30年、陶酔の先に」。
サブタイトルは「海外勢が席巻、株取引に変革の波」。
海外投資家の株式保有比率。
1989年4.2%→2017年30.1%。
海外投資家の売買シェア。
1989年12.1%→2017年69.3%。
いずれも大きな伸びとなった。
7割の売買シェアを持つ投資家が3割の株しか持っていないというのも現実。
ココが東京市場の弱さの一因だろう。
そしてこれらを助長・支援したのが「金融ビッグバン・アローヘッド・ヘッジファンド」。
時価会計も四半期決算も同様だろう。
しかし「空洞化感」は拭えないのも現実。
「ヘッジファンドを巻き込んだ外資系証券はアルゴリズムを導入。
そして個人顧客の注文はボイスから電子になり証券業は装置産業化した」。
これが歴史だ。
新しい時代は、新たな姿の市場が必要であることは間違いない。
「市場と企業の活性化に日本のマネーを日本の運用者が動かす姿が不可欠」。
これは理想の道だ。
しかし・・・。
「欲望」を素直に表現する海外勢と「欲望を学問に転嫁」する東京の差が歴然としている。
経済紙が「日の丸トレーダー」なんて勇ましい言葉を使って自慰的表現をしている間は無理だろうが・・・。
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櫻井英明

Author:櫻井英明
日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの公式スマホサイトにて、毎日、株式情報を配信中。

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