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《マーケットストラテジーメモ》 4月第2週


【推移】

9日(月):
週末のNY株式市場は大幅安の展開。NYダウは一時700ドル以上の下落となり終値は570ドル安。主要株価指数は軒並み2%を超の下落となった。背景はまたトランプ大統領の発言。1000億ドルの追加関税の検討をUSTRに指示したことに対し中国商務省が対抗。米中貿易摩擦を巡る懸念が再燃したとの解釈だ。

日経平均は週間で113円上昇し2週連続の陽線。週間で0.5%高。TOPIXが0.2%高。マザーズ指数が2.3%安と大幅安。ジャスダック平均は横ばい(0.0%)。情緒と数字で揺れ動いているマーケット。先週末はたまたま情緒が勝ったに過ぎない。日経平均は110円高の21678円と反発。

東証1部の値上がり銘柄数は1117で全体の53%、値下がり銘柄数は873。新高値は108銘柄。新安値は111銘柄。マネックス、任天堂が上昇。北の達人、キーエンス下落。2月2日以来下向いていた25日線(21406円)は200日線(21376円)に接近し下回る寸前にようやく上向いた。

10日(火):
週明けのNY株式市場は反発。NYダウは46ドル高の23979ドル。一時400ドル超上昇した場面もあったが引けにかけて伸び悩み。背景はニューヨーク・タイムズの報道。「FBIが9日にトランプ大統領の顧問弁護士の事務所を捜査した」と報じたことから売り優勢。尻すぼみとなった。
前週末に500ドル以上も下げたのが行き過ぎ。雇用統計や米中貿易摩擦への過剰反応からの巻き戻し」という解釈も聞かれた。「年初来安値を更新した銘柄は78(月曜は111銘柄)。そのうち大引けプラスとなったのが39銘柄。つまり半数は反発に転じた。単なる買い戻しだけでなくバーゲンハント的な動きが出始めているのではないか」という指摘がある。日経平均株価は116円高の21794円と続伸。中国の習近平主席の講演を受けた持ち高調整の動きだったとの解釈だ。東証一部の売買代金は2兆7034億円。紅、日立建機が上昇。花王、サッポロが下落。

11(水):
NY株式市場は大幅高の展開。前日と違ってザラバ高値から終値まで堪えた格好となった。好感したのは中国の習近平国家主席が自動車を含む一部製品の輸入関税を年内に引き下げる方針を表明したこと。「友達に親切にされたジャイアンみたい」と揶揄する声も聞こえる。米中貿易摩擦を巡る懸念が後退したことは間違いなかろう。
「リスクオンのシグナル」を受けたとの見方だ。

日経平均株価は107円安の21687円と3日ぶりに反落。シリア情勢の緊迫化に加えて「安倍政権で相次ぐ公文書の改ざん・隠蔽問題を嫌気する空気も強い」との解釈だ。東証1部の売買代金は2兆5586億円。安川電、ソフトバンク、マネックスGが上昇。ユニファミマ、花王が下落。

12日(木):
NY株式は反落。とはいえ下落幅は前日の上昇幅の半分程度。3市場の売買高も60億株程度と薄く、方向感のない展開。「トランプ大統領がシリアへの軍事介入の可能性を示唆。地政学リスクが意識された」とはいえ、市場は静観モードの印象だ。「3月のFOMC議事要旨を受けて利上げペース加速を巡る懸念が強まった」という声もある。
しかしこれも既知のこと。何か材料を見つけようとしても新味には乏しい。

13日(金):
「情緒と数字の同居」となったNY株式。トランプ大統領のTPP復帰方針と企業決算に対する期待からNYダウは300ドル近く上昇。大幅反発となった。トンプ米大統領はTPPへの復帰を検討するようUSTRのライトハイザー代表と国家経済会議(NEC)のカドロー委員長に指示。「米中の通商交渉は上手くいっている。米朝首脳会談の調整は進んでいる」というトランプ大統領の発言も好感された。
「シリアに対する軍事攻撃の可能性はすぐかもしれないし、すぐではないかもしれない」とのツイッターで懸念は和らいだ格好。

木曜の日経平均は26円安。「案外としっかり」という見方だ。「地政学リスクが意識される週末で上値は重いと考えるが、下値も限定的」。そんな玉虫色が一番お似合いかも知れない。日経平均株価は118円高の21778円と反発。
中東の地政学リスクがやや後退し投資家心理が上向いた。トランプ米大統領がTPPの復帰検討を指示したのも好材料視された。ドル円の107円台も好感。SQ値21853円は終値ベースで上回れずだった。
東証1部の売買代金は2兆4390億円。東エレ、SUMCO、古河電、コマツが上昇。ディップ、ファストリテ、安川電が下落。

(2) 欧米動向
あまり気にはされないだろうが、FRBは金融大手への資本規制を簡素化した。
ストレステストなどを効率化するルール改正案を公表した。
リーマン・ショック後に厳しくなった金融規制の中核的措置がストレステスト。
金融危機でも十分な資本を確保できるかを見極めてきた。
トランプ政権は規制緩和を掲げており、金融大手向けではトランプ政権初の緩和だ。
世界の株価を動かしてきた大きな要素の一つは「金融規制当局VS金融機関のバトル」。
規制強化で株安、規制緩和で株高の構図が歴史だった。
小さな出来事だが大きなうねりにつながる可能性は高いと見る。
現実に米銀は利上げを追い風に出店競争に入ったとの報もある。
背景は「単なる規模拡大」ではなく「既存業界をなぎ倒すアマゾンエフェクト」への対抗。
金融業界で勝利した先にあるのは新興勢力とのバトル。
共和党のトランプ氏がアマゾンを目の敵にする遠因もココだろう。


(3)アジア・新興国動向

先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち20指数が上昇。
上位1位香港週間騰落率3.23%、2位ポーランド2.28%、3位米国1.79%、
4位メキシコ1.76%、 5位イタリア1.75%。
下位25位ロシア▲10.67%、24位トルコ▲4.47%、 23位ベトナム▲3.57%、22位フィリピン▲0.57%、18位日本0.9%。

【展望】

スケジュールを見てみると・・・

16日(月):首都圏新規マンション発売、IMF金融庁フィンテック会議、米小売売上高、NY連銀製造業景気指数、企業在庫、対米証券投資、IMF世銀春季会合(ワシントン)
17日(火):全国学力テスト、安倍首相訪米、米住宅着工、鉱工業生産、独ZEW景況感、中国1~3月GDP、鉱工業生産、小売売上高、
18日(水):貿易統計、米ベージュブック
19日(木):米フィラデルフィア連銀景況感
20日(金):消費者物価、コンビニ売上高、任天堂「ラボ」発売、G20財務相中央銀行総裁会議(ワシントン)

日経平均が高値をつけた1月第4週以降3月第4週までに個人は現物信用で2兆1000億円の買い越し。
この平均買いコストは21871円。
これが「上値の壁」になるという声がある。
ということは、まずは21871円が第一関門だった。
昨日ザラバでは21933円まであったということは、結構すんなり抜けるのかも知れない。
一方でNY市場では「ボラ上昇歓迎」の話。
動かない相場で収益が悪化したヘッジファンドなどにとってはボラの拡大は取引機会の増加につながる。
指数に関係ないアクティブファンドの逆襲になれば日本株も面白くなる。
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櫻井英明

Author:櫻井英明
日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの公式スマホサイトにて、毎日、株式情報を配信中。

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