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11月28日 個別銘柄情報 [7600]日本エム・ディ・エム

[11月28日更新]

日本エム・ディ・エムは17年3月期第2四半期累計が計画超の大幅増益で通期も増額余地

 日本エム・ディ・エム<7600>(東1)は整形外科分野の医療機器商社である。米国子会社ODEV製品の拡販で自社製品売上構成比が上昇して収益力が向上している。17年3月期第2四半期累計は計画超の2桁増益だった。通期予想にも増額余地がありそうだ。株価は戻り高値圏でモミ合う形だが、好業績を評価する流れに変化はなく、自律調整が一巡して上値を試す展開だろう。

■整形外科分野の医療機器商社、メーカー機能を強化して自社製品構成比上昇

 人工関節製品、骨接合材料、脊椎固定器具など整形外科分野を主力とする医療機器商社である。メーカー機能強化による高収益体質への転換を目指し、米国子会社オーソデベロップメント(ODEV)社製品の拡販を推進している。自社製品比率が上昇して売上総利益率は上昇基調だ。米ODEV社製の人工膝関節製品は中国でも薬事承認を取得している。

 なお16年5月に日本特殊陶業<5334>と資本・業務提携した。伊藤忠商事<8001>が保有する当社株式(発行済株式総数の割合30.00%)を日本特殊陶業が取得した。

■自社製新製品中心に品揃え強化

 自社製新製品中心に品揃えを強化している。15年5月米ODEV社製の人工膝関節製品「バランスド・ニー・システム TriMax PS」の販売を開始し、販売中の「バランスド・ニー・システム」シリーズにHigh-Flexタイプ製品が加わった。15年7月ベルギーのMaterialise社と3D技術を用いた人工股関節置換術に使用する患者毎の手術器械PMIに関して取引契約を締結した。17年から順次販売予定で人工股関節製品の販売拡大に寄与する。

 15年9月アイスランドのオズール社製造のハローベストシステム「ReSolveハローシステムCE」を販売開始した。15年11月米ODEV社製の人工股関節新製品「Alpine ヒップシステム」の薬事承認を取得、16年2月販売開始した。

 16年4月米ODEV社製の人工股関節新製品「Alpine Cemented Hip System」が米国食品医薬品局(FDA)薬事承認を取得した。米国で販売中の「Alpine Hip System」の間接固定(骨セメントを用いて固定)タイプで16年5月から米国で販売開始した。16年5月米ODEV社製の人工股関節新製品「Alpine Cemented Hip System」の日本国内での薬事承認を取得、16年6月から販売開始した。

 16年10月Materialise社(ベルギー)製造の患者適合型関節手術用器械「Acetabular Cup Orientationガイド」の薬事承認取得を発表した。人工股関節置換術手術の際に、患者のCTデータをもとに設計され、3Dプリンタによって作成される手術用器械である。

■下期の構成比が高い収益構造

 四半期別の業績推移を見ると、15年3月期は売上高が第1四半期26億32百万円、第2四半期26億87百万円、第3四半期31億59百万円、第4四半期33億77百万円、営業利益が2億39百万円、2億53百万円、5億38百万円、2億65百万円、16年3月期は売上高が30億46百万円、31億26百万円、33億円、35億52百万円、営業利益が3億29百万円、3億62百万円、5億25百万円、4億91百万円だった。

 整形外科医療機器の販売は下期が繁忙期となる傾向があるため、当社の業績も下期の構成比が高い傾向があるとしている。16年3月期は国内が償還価格引き下げで厳しい事業環境となり、暖冬の影響で下期の売上が伸び悩んだが、人工関節分野で米ODEV社製人工関節製品オベーションヒップシステム、骨接合材料分野でMDMプリマヒップスクリューシステム、脊椎固定器具分野で米ODEV社製IBISスパイナルシステム(14年12月販売開始)が好調だった。製造コスト低減、医療工具の運用改善等による減価償却費の削減なども寄与して計画超の増益だった。

 地域別・主要品目別の外部顧客への売上高は、日本国内が同7.1%増の87億33百万円(人工関節が同6.7%増の40億97百万円、骨接合材料が同2.6%増の29億36百万円、脊椎固定器具が同48.0%増の12億81百万円、その他が同28.5%減の4億17百万円)で、米国販売は同15.9%増の42億91百万円(人工関節が同17.0%増の40億95百万円、脊椎固定器具が同3.8%減の1億96百万円)だった。自社製品売上高は110億84百万円で同16.6%増加、自社製品売上比率は85.1%で同5.1ポイント上昇した。

 セグメント別業績は、日本の売上高が同7.1%増の87億33百万円、営業利益(連結調整前)が同80.7%増の9億93百万円、米国の売上高(内部取引を含む)が同29.5%増の80億19百万円、営業利益が同29.8%増の7億円だった。米国ではドル高・円安に伴う換算額増加も寄与した。

 売上総利益は同11.1%増加し、売上総利益率は70.7%で同0.8ポイント上昇した。ドル高・円安や償還価格引き下げの影響を受けたが、自社製品比率上昇が寄与した。販管費は米ODEV社の販売拡大に伴う支払手数料増加、ドル高・円安影響などで同7.2%増加したが、販管費比率は57.6%で同1.4ポイント低下した。また繰延税金資産取崩の影響一巡で法人税等が減少した。ROEは7.2%で同10.8ポイント上昇、自己資本比率は56.2%で同2.4ポイント上昇した。配当性向は19.8%だった。

 なお営業利益増減分析は、増益要因が自社製品売上増加による粗利益増加11億28百万円、販管費削減等76百万円、減益要因が償還価格引き下げ影響に伴う粗利益減少2億11百万円、人件費増加1億88百万円、米国販売増加に伴うコミッション・ロイヤリティ等支払手数料増加2億47百万円、研究開発費増加1億45百万円としている。

■17年3月期第2四半期は減益予想から一転して2桁増益での着地

 今期(17年3月期)第2四半期累計(4~9月)の連結業績(10月12日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が前年同期比3.6%増の63億96百万円、営業利益が同24.4%増の8億61百万円、経常利益が同27.0%増の7億57百万円、純利益が同44.0%増の4億80百万円だった。円高影響で売上高は計画を下回ったが、売上原価と販管費が計画を下回り、減益予想から一転して2桁増益での着地となった。

 国内における16年4月償還価格引き下げや円高による海外売上の換算影響がマイナス要因だったが、米ODEV社製製品の売上が順調に推移した。売上総利益は同5.3%増加し、売上総利益率は72.1%で同1.1ポイント低下した。自社製品比率上昇が寄与した。販管費は同1.7%増加したが、販管費比率は58.7%で同1.1ポイント低下した。営業外では為替差損が増加(前期10百万円、今期36百万円)したが、シンジケートローン手数料が減少(前期20百万円、今期5百万円)した。特別損失では固定資産除却損が減少(前期1億10百万円、今期36百万円)した。

 日本は売上高が同4.8%増の42億16百万円(人工関節が同12.4%増の20億55百万円、骨接合材料が同3.0%増の13億39百万円、脊椎固定器具が同4.3%増の6億73百万円、その他が同40.3%減の1億48百万円)で、営業利益(連結調整前)が同10.7%増の3億83百万円だった。米国は売上高が同8.1%減の35億56百万円(人工関節が同4.1%増の21億24百万円、脊椎固定器具が同49.1%減の55百万円)で、営業利益が同7.7%増の3億77百万円だった。なお米国は米ドルベースでは同15.5%増収だった。

 人工関節分野では米ODEV社製人工関節製品オベーションヒップシステム、骨接合材料分野ではMDMプリマヒップスクリューシステム、脊椎固定器具分野では米ODEV社製脊椎固定器具IBISスパイナルシステムが堅調だった。自社製品売上高は同6.4%増の55億84百万円で、自社製品売上比率は同2.3ポイント上昇して87.3%となった。

 営業利益増減(1億70百万円増益)分析は、増益要因が売上高増加6億01百万円、為替変動による売上原価減少1億54百万円、為替変動による販管費減少2億04百万円で、減益要因が償還価格引き下げによる売上高減少1億17百万円、為替変動による売上高減少2億61百万円、売上高増加に伴う売上原価増加1億46百万円、販管費増加2億66百万円としている。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期32億29百万円、第2四半期31億67百万円、営業利益は3億41百万円、5億20百万円だった。

■17年3月期通期予想に増額余地

 今期(17年3月期)通期の連結業績予想は、前回予想(4月28日公表)を据え置いて、売上高が前期(16年3月期)比7.5%増の140億円、営業利益が同5.4%増の18億円、経常利益が同7.4%増の16億50百万円、そして純利益が同24.9%増の10億円としている。配当予想は同1円増配の年間7円(期末一括)で予想配当性向は18.5%となる。

 米ODEV社製の人工股間接製品オベーションヒップシステムや脊椎固定器具IBISスパイナルシステム、当社と米ODEV社が共同開発した骨接合材料製品MODEシリーズなど、主力製品の販売が日本および米国において引き続き好調に推移する。新製品投入も寄与する。

 地域別・主要品目別の外部顧客への売上高の計画は、日本国内が同6.5%増の93億円(人工関節が同8.9%増の44億60百万円、骨接合材料が同1.5%増の29億80百万円、脊椎固定器具が同24.1%増の15億90百万円、その他が同35.4%減の2億70百万円)で、米国販売は同9.5%増の47億円(人工関節が同9.9%増の45億円、脊椎固定器具が同1.9%増の2億円)としている。

 想定として、為替レートは1米ドル=115円、米国販売の米ドルベースの売上高は同14.3%増収、自社製品売上高は同11.0%増の123億円、自社製品売上比率は同2.8ポイント上昇の87.9%、売上総利益率は同0.3ポイント上昇の71.0%、販管費比率は同0.5ポイント上昇の58.1%としている。

 通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は、売上高が45.7%、営業利益が47.8%、経常利益が45.9%、純利益が48.0%である。期後半の構成比が高い収益特性を考慮すれば通期も増額余地がありそうだ。

■中期経営計画で18年3月期ROE8.0%目指す

 15年4月策定の新中期経営計画「MODE2017」では、経営指針を「成長領域への積極投資を通じ新たなステージへ成長を加速させる」として、顧客ニーズに対応した自社新製品開発強化、10品目以上の自社開発新製品群の継続的市場投入、整形外科領域周辺・隣接分野での調達力強化、製品ラインナップ強化、北米市場での販売拡大、自社製造能力(米ODEV社)拡大と製造コスト低減、品質管理強化、製造から販売・市販後まで一貫した安全管理体制整備などの施策を推進する。

 経営目標数値としては18年3月期売上高160億円、営業利益20億円、経常利益18億円、ROE8.0%を掲げている。17年3月期業績会社予想ではROEは9.0%に上昇する見込みであり、18年3月期目標値を前倒しで達成する可能性が高まっている。高齢化社会到来の背景もあり、自社製品拡販が牽引して中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は戻り高値圏でモミ合い、自律調整一巡して上値試す

 株価の動きを見ると、9月以降は戻り高値圏800円近辺でモミ合う展開だ。大きく下押す動きは見られず自律調整の範囲だろう。

 11月25日の終値799円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS37円79銭で算出)は21~22倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円で算出)は0.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS427円69銭で算出)は1.9倍近辺である。時価総額は約212億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって13週移動平均線回復の動きを強めている。好業績を評価する流れに変化はなく、自律調整が一巡して上値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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櫻井英明

Author:櫻井英明
日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評があり、個人投資家からの人気も高い。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの公式スマホサイトにて、毎日、株式情報を配信中。

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