【オープニングコメント】
31日の東京株式市場は堅調展開か。
反発後、上値を試す場面もあろう。
日経平均株価の予想レンジは、1万6700円-1万7000円を想定する。
日経平均はきのう30日、5日線(1万6595円)と25日線(1万6564円)がミニ・ゴールデンクロスを形成し、先高期待が高まりそうだ。
シカゴ225先物は円建てが大証日中終値と比べて120円高の1万6860円、ドル建てが125円高の1万6865円で取引を終えた。
8月の米消費者信頼感指数なども良好な内容が確認できており、週末の雇用統計に向けて円安期待が一段と高まりやすい地合いとなりそうだ。為替相場は、ドル・円が1ドル=102円台の後半と円安に振れており、輸出関連の主力株を中心に、買い戻す動きが強まりそうだ。
マザーズ市場ではデファクトスタンダード、REIT市場では大江戸温泉リートが新規上場する。久々のIPOを手がかりに、特に新興市場などに賑わう動きが見られるかに注目したい。
主要外国証券経由の注文動向、売り240万株、買い450万株で、差し引き210万株の買い越し。買い越しは3営業日連続。金額も買い越し。売りセクターに、薬品、通信、陸運、繊維、自動車、石油、小売など。買いセクターに、電機、化学、商社、機械など。
【好材料銘柄】
■アバールデータ <6918>
東京エレクトロン デバイス <2760> と資本業務提携。LSIなど集積回路を総合的にサポートするモジュール化で協業するほか、同社製品を東京エレクトロン デバイスが持つ幅広い販売網を通じて提供する。
■アクロディア <3823>
トレーディング向けプラットフォームシステムを提供するスパークルへの出資を通じ、フィンテック市場に参入する。
■PCIホールディングス <3918>
9月12日付で東証1部への市場変更が確定。
【予定】
31(水)
【国内】
7月鉱工業生産(8:50)
7月住宅着工件数(14:00)
《決算発表》
トリケミカル研究所、ウチダエスコ、ダイサン、ACCESS、巴工業
【海外】
ユーロ圏7月失業率(18:00)
ユーロ圏8月消費者物価指数速報値
米8月ADP雇用統計(21:15)
米8月シカゴ購買部協会景気指数(22:45)
米7月中古住宅販売仮契約(23:00)
《米決算発表》
ブラウン・フォーマン、セールスフォース・ドットコム
休場:マレーシア
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
【市況】ダウ反落し48ドル安 FRB幹部発言で利上げ警戒

【NY概況】
30日のNYダウ平均は反落した。終値は前日比48ドル69セント安の1万8454ドル30セントとなった。
欧州委員会(EU)が、アイルランド政府による携帯端末のアップル(AAPL)の税制優遇は不当であるとして145億ドル追徴するよう命じたことで、他米国大手企業への波及懸念から下落に転じた。
また、米連邦準備理事会(FRB)による追加の利上げが意識され米株式が売られた。原油先物相場の下落も重荷だった。
FRBのフィッシャー副議長は米メディアのインタビューに対し今後の金融政策について「経済データ次第」と述べた。そのうえで9月の利上げの可能性も否定せず、市場では年内に2回の追加利上げも意識された。
ただ、新規の売り材料には乏しく、売り一巡後は下げ渋って取引を終えた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落。終値は同9.339ポイント安の5222.989ポイントとなった。
セクター別では、銀行や各種金融が上昇する一方で公益事業や耐久消費財・アパレルが下落した。
アパレルのアバクロンビー&フィッチ(ANF)は通期見通しが予想を下振れ、業績低迷が嫌気され売られた。航空機のボーイングやスポーツ用品のナイキ、建機のキャタピラーも下げた。
航空大手のユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスが高い。競合企業から経営幹部を迎えたと発表し、好感した買いが入った。金融のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェース、米マクドナルドも上げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
18,454.30-48.69
S&P500種
2,176.12-4.26
ナスダック
5,222.989-9.339
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は3日続伸した。9月物は前日比160円高の1万6860円で取引を終えた。30日の大阪取引所の終値を120円上回った。
外国為替市場で円安が進み、日経平均先物の買いを支えた。米株式相場が米利上げへの警戒から下げた場面では売りも出たが、下値は堅かった。市場は9月2日発表の8月の米雇用統計に注目している。
この日の9月物高値は1万6885円、安値は1万6680円だった。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
16860 ( +120 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
16865 ( +125 )
( )は大阪取引所終値比
【30日の欧州株式市場】
イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6820.79(-17.26)
FTSE100種総合株価指数は反落。前週末の26日終値に比べ17.26ポイント安の6820.79で引けた。構成銘柄の約6割が下落した。金と銅の相場の下落を背景に鉱業株が軒並み大幅安となり、指数を押し下げた。ただ、銀行株の上昇が下値を支えた。
ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10657.64(+113.20)
ドイツ株式指数(DAX)は大幅反発。終値は前日比113.20ポイント(1.07%)高の10657.64だった。
ドイツ銀行とコメルツ銀行、保険のアリアンツが上昇した。一方で、不動産のボノビアと工業用ガスのリンデは下がった。
フランス・パリ株価指数
CAC40 4457.49(+33.24)