
【大引け概況】
29日の日経平均株価は3営業日ぶりに反発し、前週末比376円78銭高い1万6737円49銭だった。
注目を集めたイエレンFRB議長のジャクソンホール経済シンポジウムでの発言は、具体的な時期にこそ言及しなかったものの9月利上げの可能性も否定できず、ドル買いの動きが強まった。
外国為替市場で円相場が1ドル=102円前半と円安が進み、輸出関連企業の過度な採算悪化懸念が後退した。自動車株や金融株への買い戻しが優勢となり、日経平均の上げ幅は一時400円超となった。
日経平均の1万6700円前後の水準では、今年に入り売買代金が膨らんでいる。同水準近辺では戻り待ちの売りに押され、日経平均の上値が重くなる場面もあった。
メガバンクなど割安に放置されている銘柄を買い、食品株などこれまで成長力を評価されて買われてきた銘柄を売る動きが目立った。
JPX日経インデックス400は3営業日ぶりに反発し、前週末比236.98ポイント高の1万1810.49だった。
東証株価指数(TOPIX)も3営業日ぶりに反発し、25.34ポイント高の1313.24だった。業種別TOPIXでは「海運業」「保険業」「輸送用機器」の上げが大きかった。
東証1部の売買代金は概算で1兆8027億円。売買高は16億1667万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1540と全体の約78%を占めた。値下がりは363、変わらずは62銘柄だった。

個別では、生産効率改善につながるシステムを販売すると伝わったファナックが買われた。トヨタや富士重など自動車株が高い。任天堂も買われた。村田製作所、TDKなど電子部品株や東エレク、ワイエイシイやローツェなど半導体装置の上げも目立つ。フィンテック事業参入を発表したインフォマートはストップ高。
半面、既存店の売上高が伸び悩んだクスリアオキが下げ、HISが下落した。明治HDなど食品株も安い。
ファミリーマート、タカラトミー、日本水産が安く、外資系証券の目標株価引き下げでアダストリアが大幅安、アコーディア・ゴルフも大きく下落した。ピーシーデポコーポレーションも再び下値模索の展開だった。
東証2部株価指数は反発した。大引けの2部指数は、前週末比18.1ポイント高の4334.11となった。
個別銘柄では安川情報、タカトリがストップ高。マーチャント、アドソル、三浦印、朝日インテクや安川情報が上げた。一方、魚喜、ウイルコHD、Ysテーブル、ジー・スリーや象印が下げた。
【市況】日経ジャスダック平均株価は反発、個人投資家の買い

日経ジャスダック平均株価は反発した。終値は前週末比5円57銭高い2461円42銭だった。
外国為替市場で円相場が1ドル=102円台前半まで下落し、日経平均株価が大幅高となった。新興企業向け株式市場でも運用リスクを取る動きが強まり、個人投資家の買いが優勢になった。もっとも、輸出関連の大型株に資金を振り向ける投資家が多く「個別に材料が出た銘柄以外には物色が広がりにくかった」との声が出ていた。
ジャスダック市場の売買代金は概算で410億円、売買高は1億5812万株だった。
個別銘柄では極楽湯、ウェッジHD、内外テック、カルナバイオがストップ高。アドアーズやシライ電子、タツモ、スマートバリュー、ガーラ、メイコーが上昇した。半面、サンデー、サダマツ、エン・ジャパン、マクドナルドは下落した。
【市況】東証マザーズ指数3日ぶり反発

東証マザーズ指数は3営業日ぶりに反発した。終値は前週末比2.75ポイント高い896.89だった。売買代金は454億円と、2013年4月12日以来およそ3年4カ月ぶりの低水準だった。円安進行を受けて投資家の関心が大型株に向いているため、売買が低調だった。
個別銘柄ではモバファク、AWSHDがストップ高。そーせい、キャリア、アライドアーキ、カヤック、シリコンスタジオ、モバファクが上昇した。半面、ヘリオス、マイネット、アンジェス、REMIX、サイバダインやモブキャスが下落した。
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