【オープニングコメント】
29日の東京株式市場は、シカゴ先物にさや寄せする格好から買い優勢の展開になろう。
日経平均株価の予想レンジは、1万6400円-1万6600円
先週末の下落部分を吸収する格好であり、更に上げ幅を拡大させる展開は期待しづらいところ。25日線レベルでの攻防といったところであろう。
為替相場は、ドル・円が1ドル=101円台の後半と円安を好感する展開が期待できる。輸出関連株を中心に堅調な展開が期待される。ただ、前週末の時点で、5日線が1万6521円、25日線が1万6555円で推移していることから、戻り待ちの売りに上値を抑えられることも想定される。
主要外国証券経由の注文動向は、売り250万株、買い900万株で、差し引き650万株の買い越し。買い越しは3営業日ぶり。金額も買い越し。
売りセクターに、薬品、電機、サービス、情報通信、鉄鋼など。買いセクターに、保険、通信、化学、自動車、鉄鋼、情報通信など。
今週(8月29日~9月2日)の日経平均株価は神経質な値動きになりそうだ。26日夜に米連邦準備理事会(FRB)議長のイエレン氏が利上げにタカ派的な発言をしたことで為替が円安に進行。週明けの日経平均は高く始まる可能性が高い。
今週末に8月の米雇用統計の発表を控えており、積極的な売買は手がけにくい地合いだ。
【好材料銘柄】
■メディアドゥ <3678>
子どもが使えるソーシャルメディアサービスを世界展開するシンガポールのCreatubbles社と資本業務提携。同社がCreatubbles社の国内総代理店となり協業展開する。資本面では約14.3億円を出資する。
■カルナバイオサイエンス <4572>
国立がん研究センター、理化学研究所との共同研究で、大腸がん幹細胞を抑制する新規化合物を創出。
■シンバイオ製薬 <4582>
抗悪性腫瘍剤「トレアキシン」の慢性リンパ性白血病に対する効能追加の承認を取得。
【予定】
29(月)
【国内】
《決算発表》
ダイドードリンコ、東和フードサービス
【海外】
米7月個人所得(21:30)
米7月個人支出(21:30)
米8月ダラス連銀製造業活動(23:30)
休場:フィリピン、英など
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
【市況】ダウは53ドル安、追加利上げ意識

【NY概況】
26日のNYダウ工業平均は3日続落した。終値は前日比53ドル01セント安の1万8395ドル40セントだった。
株価続落を受けた買い戻しから買いが先行した。堅調に推移していたダウ平均は上げ幅を123ドルまで拡大した。
金融・経済シンポジウムのイエレンFRB議長の講演では米経済への自信や、景気後退局面でも金融当局に十分な準備があることを示したことが好感されたものの、フィッシャーFRB副議長が9月を含む年内2回の利上げを支持したほか、8月雇用統計が利上げへの判断材料になると強調したことから急速に上げ幅を縮小し、一転して売りが優勢となった。ダウ平均は下げ幅を113ドルまで拡大した。その後は小動きとなった。
米金融政策の先行きを占う重要指標の発表を来週に控え、積極的な取引も限られた。
ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、終値は同6.713ポイント高の5218.917だった。
セクター別では、銀行や半導体・半導体製造装置が上昇する一方で公益事業や電気通信サービスが下落した。
健康食品のハーバライフ(HLF)は、筆頭株主である著名投資家のカール・アイカーン氏が持ち株の売却先を模索していることが報じられ、軟調推移。
ビッグデータ関連ソフトウェアのスプランク(SPLK)は、一部アナリストによる投資判断引き下げを受け、大幅下落した。アップルや通信のベライゾン・コミュニケーションズ、米マクドナルド、化学のデュポンも安い。
一方でグーグルを傘下に持つアルファベットやフェイスブック、アマゾン・ドット・コムなど時価総額の大きいハイテク株の一角が堅調だった。
NYダウ工業株30種(ドル)
18,395.40-53.01
S&P500種
2,169.04
ナスダック
5,218.917+6.713
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。9月物は前日比85円高の1万6590円で終え、大阪取引所の終値を190円上回った。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長やフィッシャー副議長の発言を受けて円安が進み、買われた。フィッシャー氏が年2回の利上げの可能性に言及し、米株式相場とともに売りが膨らむ場面もあった。この日の9月物の高値は1万6590円、安値は1万6325円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
16590 ( +190 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
16595 ( +195 )
( )は大阪取引所終値比
【26日の欧州株式市場】
イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6838.05(+21.15)
FTSE100種総合株価指数は反発。前日終値に比べ21.15ポイント高の6838.05で引けた。構成銘柄の半数以上が上昇した。資源株が買われ、指数をけん引した。
鉱業株が大幅高の全面高で引けた。なかでもアナリストが目標株価を引き上げたリオ・ティントや、資源商社のグレンコアなどが高かった。
ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10587.77(+58.18)
ドイツ株式指数(DAX)は反発。終値は前日比58.18ポイント(0.55%)高の10587.77だった。自動車のフォルクスワーゲンとBMWが高かった。一方、ドイツ取引所、不動産のボノビアなどが小幅安。欧州の主要株式市場は総じて上昇した。
フランス・パリ株価指数
CAC40 4441.87(+35.26)