<兜町カタリスト> 「最後の微調整は人間」
米国株式市場は続落。
NYダウとS&P500は25日移動平均を割り込んだ。
ヘルスケア関連と消費消費関連セクターの下落が目立った。
いい加減に聞き飽きたジャクソンホールの話題。
カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁とダラス地区連銀のカプラン総裁がタカ派的な発言。
「もともと低金利では中央銀行の立場が薄くなることから本来の立ち位置に自分を戻したいだけ」。
そんな穿った見方も登場し始めた。
肝心のイエレン議長の講演は今夜11時からの予定。
株価が続落したのも7年債に対する需要が低減したのもジャクソンホールを待つ姿勢。
妙に変な状況になってきた。
7月の耐久財受注統計。
非国防資本財から航空機を除いたコア受注が前月比1.6%増と2カ月連続で増加。
20日までの週の新規失業保険週間申請件数は3週連続の減少。
少なくとも景気指標は悪くない。
数年前に耐久財受注が悪化したことを材料に株価が大幅安した。
そんなことなどすっかり忘れているのがマーケット。
ジャクソンホールも通過してしまえばあと1年また忘れ去られれるのだろう。
26日発表予定の第2四半期のGDP改定値を待つ姿勢もあろうか。
昨日後場は日銀のETF買い期待で一時プラス圏。
その後は期待が剥落して結局は小幅安。
しかし日銀はETFを707億円買っていた。
前場のTOPIXの下落率は0.32%、日経平均は0.25%安。
TOPIXの0.2%台の下落ではETFを買わなかった。
日経平均の0.2%台の下落は買うということになったのだろうか。
とはいえ上値を買わない買い手の存在は下支えでしかないのも現実。
過度の期待はしない方がよさそうだ。
気迷い商状は東証1部売買代金の4日連続2兆円割れに表現されているとおり。
「東証1部の値上がり銘柄数、値下がり銘柄数を見れば値上がりの方が多い。
業種別指数では22対11で圧倒的に値下がり業種の方が多い。
新高値銘柄と新安値銘柄は27で同数というチグハグな市況」という声が聞かれる。
25日移動平均(16573円)近辺でのもみ合いが続いて6日。
どちらかに放れる時期はそろそろ熟してきたと見ても良かろう。
7月21日高値(16938円)を起点とした揉み合い。
市場心理はこれにそろそろ飽きてきたころだろう。
ジャンプのためにすくみが必要なのかどうかのところ。
もっとも下では75日線(16342円)がサポートしていると考えたい。
225先物大証夜間取引終値は16510円。
まずは割り込んだ25日線の復活が待たれるところ。
8月第3週の東証投資主体別売買動向で外国人は2週ぶり売り越し(1667億円)。
個人は2週ぶり買い越し(766億円)。
信託銀行は5週連続買い越し(1079億円)。
東証マザーズ指数は3日ぶりに反落したものの日経ジャスダック平均は4日続伸。
東証2部指数は続伸。
個別優先の時期なのだろう。
ロボットが肉体労働を代替してAIが精神労働を代替してくれる世界。
きっとそんな世の中になるのだろう。
あるIT企業のトップは「AIがどんなに進化しても最後の微調整は人間作業」と言っていた。
創造的な仕事はたぶん人手に依存するのだろう。
しかし単純作業から解放された人間は何をするようになるのか。
空いた時間はゲームに没頭なんて笑えない時代が来るのかも知れない。
スケジュールを見てみると・・・
26日(金):米GDP改定値、英GDP改定値、ジャクソンホールでイエレン議長講演
週末:アフリカ開発会議(ナイロビ)
29日(月):米個人支出
30日(火):有効求人倍率、家計調査、米CB消費者信頼感
31日(水):鉱工業生産、米ADP雇用統計、シカゴ購買部協会景気指数
1日(木):法人企業統計、Fマートとユニーが経営統合、米ISM製造業景況感、
中国製造業PMI
2日(金):マネタリーベース、消費動向調査、米雇用統計、貿易収支、製造業受注指数
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デンソー(6902)・・・動兆
デンソーに注目する。
同社はトヨタ系の国内最大の自動車部品メーカー。
2020年までに全世界の工場にIoT導入の方向。
画像認識技術や産業用ドローン進出に期待感。
QRコードの世界標準化にも期待。
(兜町カタリスト櫻井)