<兜町カタリスト>
「ゴーストバスターズ」
NYダウ、NASDAQ、S&P500ともに反発し史上最高値を更新した。
背景は1バレル43ドルへの原油先物価格の上昇と小売りセクターの決算の好調。
特に約100店舗のリストラを発表したメーシーズの上昇が目立った。
ただ売買エネルギーは低下しており3市場の売買高は約59.8億株。
S&P500はこの1か月で9回目の最高値更新で6月下旬からの上昇率が7.0%に達した。
過熱感への懸念は少ないものの市場関係者の間では割高感を指摘する声も出始めたという。
もっともロンドンFTは6日続伸しており、NYだけが突出している訳でもない。
世界的なリスクオン思考はまだ続くと見た方がよかろう。
「割高感を指摘する声が聞かれ始めると株価はさらに上昇する」。
こんなマーフィーの法則のようなアノマリーもあるに違いない。
水曜の日経平均株価は一時プラス局面もあったものの小幅に反落。
特に悪材料があった訳ではなく休日控えでのポジション調整という印象だった。
山の日で昨日の東京市場は休場。
その間のNY市場は上昇し過去最高値を更新した。
休日のハザマのSQを迎えるが、7月SQ値(15331)からは1000円以上上の水準。
6月メジャーSQ値(16639円)は上回りそうな気配だ。
日経平均株価の騰落レシオは98.33%、25日移動平均からのかい離はプラス2.54%。
空売り比率は3日ぶりに40%を超えていたから過熱感はほとんどない。
8月5日時点の裁定買い残は2030億円減少し、6452億円。
また売り崩せない水準まで低下した。
全体の95.6%が通過した4~6月期決算は純利益で21.9%減益だった。
今期純利益見通しは5.8%の増益。
業績底打ち感が漂う予感を感じさせてくれている。
シカゴ225先物終値は大証比90円高の16860円。
高値は16910円だった。
安値16590円からは大きくかい離しており高値を終えるかどうかが課題。
先週末はスタジオジブリ作品の放送があったが米雇用統計がアノマリーを消してくれた。
今夜は「コクリコ坂から」の放送がある。
来週の「ゴーストバスターズ」がゴーストを消してくれるかも知れない。
薄商いの株高に期待したい日。
以下は8月2日に閣議決定された「未来への投資を実現する経済対策」。
その中の「21世紀型のインフラ整備」。
ここの明日の材料が散りばめられている。
個別銘柄に落としていく作業は必要だが・・・。
↓
★外国人観光客4000万人時代に向けたインフラ整備
Wi-Fiの利便性向上、カード決済環境整備、クールジャパン、
CIQ体制の整備
★農林水産物の輸出促進と競争力強化
輸出基地、加工施設などの整備
農林水産競争力強化プログラムの年内策定
★リニア新幹線と整備新幹線
低金利を利用したインフラ整備:財政投融資の手法活用
★第4次産業革命:IoTビジネス創出、AI研究拠点整備、介護へのロボット導入
★イノベーション:産学官の連携強化;医薬品・医療用機器も。
医療分野のデジタル化、ICT化
★生活密着型インフラ整備:鉄道立体交差化、ホームドア設置推進、バリアフリー化
上下水道の整備
★空き家の活用などでの地域経済活性化
★建設業の担い手確保・育成
★国家戦略特区活用→来年度末までを集中改革強化期間とする
以下はGDP600兆円に向けた「官民戦略プロジェクト10(仮称)」
第4次産業革命(Society5.0)の概要。
↓
<今後の対応の方向性>
★縦割りを打破し産学官を糾合した強力な司令塔機能の下での研究・産業化戦略の実行、
世界のビジネスモデルの潮流を意識した全国大での 新ビジネス創出、
スピード感を意識した新陳代謝の促進等を進めていく。
★第4次産業革命に対応するための取組を進め、データの収集・分析の円滑化に資するルール整備や、
サイバーセキュリティの確保に資する措置、
基礎的なインフラとなる情報通信環境の整備を速やかに進めていく。
<具体的な施策>
★技術・産業化戦略に係る司令塔機能の確立
産官学等の縦割りを排除した司令塔機能として「人工知能技術戦略本部」を年度内に設置。
人工知能関連技術の開発と我が国の強みを活かした産業化に係る戦略を策定する。
★IoT・ビッグデータ・人工知能・ロボットの産業応用化
新技術の実用化と新産業創出を促すため、自動走行、小型無人機、金融サービス分野等の
個別分野の環境整備、制度・規制改革を進める。
★データ利活用プラットフォームの創出
スマート工場、自動走行地図、産業保安、IoT 健康・医療等、
日本が「強み」を活かせる分野で、組織を超えて
現場のデータを共有・活用できる共通システムを構築する。
★シェアリングエコノミーの推進
シェアリングエコノミーの健全な発展に向け、サービス等の提供者と利用者の相互評価や
民─民間のルールなどを活用することを基本としつつ、既存法令との適切な関係整理を行う。
★企業の新陳代謝の促進
第4次産業革命によるビジネス環境変化にスピード感を持って対応するための
戦略的な事業再編等を加速する施策について制度的対応の必要性を含め検討する。
★中堅中小企業への第4次産業革命の波及
中小企業へのロボット導入を促進するため2020年までに小型汎用ロボットの導入コストを
2割以上削減するとともに、導入を支援する人材を5年で倍増させる。
また、今後2年間で1万社をIT専門家が支援し、ノウハウを伝授する。
★データ、IT利活用の徹底
1月のマイナンバー制度の開始を踏まえ、マイナンバー、
マイナンバーカードの利活用拡大に向けた検討を進める。
また、新薬や治療の研究に活かすため、治療や検査のデータを収集。
安全に管理・匿名化する機関を作る法制度を、来年中に整備する。
★サイバーセキュリティ
昨年のサイバーセキュリティ戦略策定、
今国会で成立した改正サイバーセキュリティ基本法によるNISCの機能強化を通じた
政府機関等の対策強化と合わせて、重要インフラ防護のための取組や人材育成等を強化し、
官民一体となった取組を進める。
★情報通信環境の整備
モバイル分野の競争をさらに促進する。
また、増加するデータトラフィックに対応するため、
2020 年までの5G(第 5世代移動通信システム)の実用化に向けて、
大容量化・超高速化等の技術開発、周波数帯の確保、国際標準化を進める。
みずほ銀行は富士通と企業同士の決済業務を電子化する業務システムを立ち上げるとの報。
当初は富士通のグループ向けに実証実験を行い、来年春に一般企業に参加募集。
進歩とみるのか旧DKB系の巻き返しと見るのか難しいところ。
それよりも昨夜の安倍首相。
鳴沢で一緒にプレイした三井住友銀行副頭取夫妻と昨夜代々木のイタリアンで約2時間。
この方が気になる。
売買交錯は電子機器・電機・薬品セクターなど。
8月SQ値は16926円60銭で通過。
スケジュールを見てみると・・・
12日(金):オプションSQ、米小売売上高、生産者物価、中国鉱工業生産、小売売上高
15日(月):4~6月GDP、NY連銀製造業景気指数
16日(火):首都圏マンション販売、米消費者物価、住宅着工指数、鉱工業生産
17日(水):訪日外国人客数、BBレシオ、英国失業率
18日(木):貿易収支、CB景気先行指数
19日(金):全産業指数
◇━━━ カタリスト ━━━◇
PCI(3918)・・・動兆
PCIHDに注目する。
同社は自動車、家電などの組み込みソフト開発が主力。
IoT開発が拡大傾向。
業績は好調。
JIA(7172)とフィンテック領域で業務提携契約。
(兜町カタリスト櫻井)