<兜町カタリスト>
「みいつけた」
NYダウは3ドル高の18533ドルと反発。
NASDAQは12ポイント高の5225ポイントと反発し過去最高値更新。
S&P500は0.85ポイント高と小動きだったが年初来約7%の上昇となった。
気になったのがダウ輸送株指数が32ポイント安と反落していることだろうか。
「医薬品やハイテクセクターが買われたが原油相場の下落に圧迫され株価は伸び悩んだ」との解釈。
ただボラティリティは低下しており、株価の下支えという印象。
「テクノロジー関連企業をはじめとする予想を上回る決算に支えられて堅調に推移。
S&P500の採用銘柄は約90%が決算発表済み。
77%で利益、56%で売上高が予想を上回った」とされる。
強さを感じたのは欧州株式市場。
ドイツのクセトラDAX指数は2.50%上昇しザラバの年初来高値を更新。
「欧州企業の 利益は予想外に良く、欧州の景気動向が底堅い」との解釈。
「ただ、英国のEU離脱や先行き不透明感から、下半期はそれほど良くないかもしれない」との声も聞かれる。
ロンドン株式市場は5日続伸。
昨年6月以来約1年2カ月ぶりの高値となった。
東京株式市場は「ポケモン相場」が復活。
加えてTOPIXコア30を中心とした大型株の堅調継続。
「下がらないことへの安心感が買い意欲を高めた」との解釈。
「押し目待ちに押し目なし。夏枯れどころか夏祭り」という声まで聞かれ始めた。
売買代金トップは日経レバを抑えて任天堂。
2位がソフトバンク、3位が前日のストップ安から一転大幅高の小野薬品。
「短期投資家好みの銘柄が商いを集めた。
お盆の新規投資家参入タイミングの可能性」とも言われる。
「信用買い残の記録的な減少ぶりが注目されていたが、
株価が戻りに入れば、今度は好取組銘柄の売り方の踏み上げ狙いが手掛かり」と市場関係者。
全体の83.5%が通過した第1四半期決算。
通期純利益は5.5%増で推移。
悪くとも第2四半期では底打ちする可能性は大きい。
空売り比率は2日続けて40%割れ。
ドル建ての日経平均株価は年初来高値を更新。
昨年末比3.5%の上昇となったことも好材料視されよう。
SQ週の荒れる水曜日。
このところの値動きの前場軟調後場堅調の流れに期待したいところ。
もっとも25日移動平均(16277円)からの4%かい離水準は16928円。
ここを抜けるパワーはまだなかろうか。
日経朝刊の「大機小機」は「マイナス金利の検証」。
ようやく援軍が出てきた印象。
↓
マイナス金利が指すのは通常の金銭貸借の金利ではない。
債券を満期まで持っていたらという仮定の下で、価格を金利という言葉に翻訳しているのである。
この翻訳された金利を通常の経済取引や企業社会に当てはめるとおかしなことが起きる。
誰もが違和感を感じることになる。
マイナス金利に対する市場の反応が日銀の期待通りでない理由かも知れない。
マイナス金利のさらなる深掘りが物価上昇目標の実現に役立つかは疑問である。
昨日の「大機小機」は「GDPに30兆円のズレ?」。
↓
生産にかかわった者の所得や企業利益を合算した分配側GDP。
本来は各企業が生んだ付加価値を積み上げた数字と一致する筈。
しかし、日銀の研究者が税務データを使って試算してみたら・・・。
分配GDPは過去20年の間、公式GDPを上回っていたという。
2014年度は525兆円でマイナス0.9%成長。
しかし試算値は556兆円でプラス2.4%成長。
30兆円のズレがあったという。
「異次元緩和が効いた」。
「これで名目GDP600兆円の達成確実など」の声は歓迎。
しかし「消費税引き上げの景気への打撃はそれほどでなかった」とまで言うのだろうか。
昨夜の企業研究会は東証2部のアドソル日進(3837)。
「IoTのトップランナーみいつけた」という印象が強まった。
同社は電力・制御に強みを持つICT企業として40年前に設立。
社会インフラに貢献するICTソリューションの提供が中核。
コンピュータの組み込みソフトを扱っているが、現実は「IoTで未来を拓く総合エンジニア企業」だ。
通常はバックエンドだけを取り扱う企業が多いが同社はデバイス分野から一貫して事業領域。
ワンストップでの提供は珍しい。
電力・ガス領域。自動運転を支える高度道路交通システム。
航空領域も扱っており、ドローンへの進出も可能と思われる。
ネット決済分野は、まさにフィンテックの世界となろう。
興味深かったのは「LynxSECURE」のOSの展開。
産業機器などがサーバー攻撃を受けても被害部分を隔離し拡大を防ぐ組み込み型基本ソフト(OS)の提供を始めている。
これはIoT機器に対するサイバー攻撃への防御機能だ。
自動車をはじめとして家電製品や企業インフラに組み込みソフトが増えればこの防御機能は必然的に要求される。
例えば話題になった英国アーム社の半導体チップだってサイバー攻撃防御機能は要求される筈だ。
いずれ組み込み半導体チップに必要不可欠な存在となることが予想され期待感は高い。
ミツイワ社との協業開始は営業面での大きな力となろう。
またGISソリューションは「効率的な配送ルート」などを地理情報で提供。
ID認証は人体通信技術でタグを身につけることで通信が行われる技術。
ハンズフリー認証が可能になる電界通信だ。
先日発表された業績は絶好調。
第1四半期売上高は26.85億円で前期比19.4%増収。
対通期進捗率は25.5%。
第1四半期営業利益は2.25億円で前期比39.7%増益。
対通期進捗率は37.5%。
今期配当は27円の予定で配当性向は33%以上。
好業績且つIoT分野で夢を追える企業だ。
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ラクス(3923)・・・動兆
ラクス(3923)に注目する。
同社は中小企業向けにシステムを提供するクラウド事業が中核。
ITエンジニアを派遣するIT人材事業との二本柱だ。
経費精算システム「楽楽精算」と「メールディーラー」が拡大基調。
首都圏では8月15日からテレビCMも開始する予定。
フィンテックやAIへの取り組みに期待感。
(兜町カタリスト櫻井)