
【大引け概況】
4日の東京市場は、前日の米国株高や為替の円高一服を背景に買いが優勢で始まったものの、一巡後は売りに押され、日経平均は一時1万6000円大台を割り込む場面もあった。
しかし、後場寄りに情勢が一変、大口のインデックス買いが入り、日経平均株価は3営業日ぶりに反発し前日比171円78銭高い1万6254円89銭とこの日の高値圏で取引を終えた。
日銀の岩田規久男副総裁の講演での発言をきっかけに、海外ヘッジファンドとみられる投資家の「円買い・先物売り」の動きが強まり、円相場が1ドル=100円台をつけると1万6000円台を下回った。
その後再び1ドル=101円台前半と円安が進んだことで、輸出関連企業の採算悪化懸念が後退。買い安心感が広がった。
14時30分すぎ、日銀の岩田規久男副総裁が会見で、9月の金融政策決定会合での「総括的な検証」で「緩和縮小はありえない」と発言した。その後一段と円安が進み、日経平均の上げ幅は一時180円を超えた。
JPX日経インデックス400は反発し、前日比105.30ポイント高の1万1541.05だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、11.01ポイント高の1282.99だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆4633億円。売買高は22億7559万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1159と全体の約59%を占めた。値下がりは717、変わらずは94銘柄だった。

個別では、決算発表を控えたトヨタや、スズキやホンダ、富士重工業など自動車株が上昇した。値がさ株のファストリが買われ指数を押し上げた。野村HDや大和など証券株も高い。ブイ・テクノロジーもプラス圏に切り返した。ダイセル、旭ダイヤモンド工業が大幅高。好決算評価で住友精化、イソライト工業などが商い活況のなか値を飛ばした。
一方、KDDIやNTTなど通信株が下げ、明治HDやアサヒなど食品株の一角も安い。アステラスなど医薬株は下落した。業績下方修正のJUKIが急落。カカクコム、パーク24の下げも目立つ。合併に絡む不透明感の高まりが嫌気され、昭和シェル石油と出光興産も売られた。
東証2部株価指数も続落した。大引けの2部指数は、前日比13.8ポイント安の4180.29となった。
個別銘柄ではジースリーHDが一時ストップ安。安川情報、ヨネックス、ウインテスト、DITが売られた。一方、エイチワンがストップ高。ゼット、野崎印、オンリー、ゼニス羽田、ローツェや大黒屋が上げた。
【市況】日経ジャスダック平均続落、ドローン関連銘柄賑わう

日経ジャスダック平均株価は続落した。終値は前日比4円47銭安い2453円31銭だった。日経平均株価は日銀による上場投資信託(ETF)の買いが前日に比べ倍増しているとの観測が浮上して午後に上昇した。
投資家の関心が1部市場の大型株に向かったことで、新興企業向け株式市場では売買が増えず、さえない展開が続いた。
ジャスダック市場の売買代金は概算で277億円、売買高は6606万株だった。8月は売買代金が300億円を下回る日が続いており、市場では個人投資家の投資意欲の減退が指摘されている。
個別銘柄ではプロルート、マクドナルドやセプテニHD、セリア、日本ラッドが下落した。半面、1~6月期の業績予想を上方修正したタツモ、ダルトンがストップ高。極楽湯は一時ストップ高と値を飛ばし、ドーンやアクモスなどドローン関連銘柄は上昇した。
【市況】東証マザーズ指数続落、さえない展開が続く

東証マザーズ指数は続落した。終値は前日比2.61ポイント安い922.74だった。
個別銘柄ではアイビーシー、モブキャス、インベスターズC、イトクロ、そーせい、ミクシィ、インベスCが下落した。一方、Eガーディアンがストップ高。モバファク、UNITED、総医研、ITM、イグニスが上昇した。