<兜町カタリスト>
「木を追う時期」
NYダウは90ドル安の18313ドルと7日続落。
NASDAQは46ポイント安の5137ポイントと6日ぶりの反落。
S&P500は13ポイント安の2157ポイントと約1カ月ぶりの大幅な下げとなった。
「バレル40ドル台を割れ込んだ原油安。
予想を下回る自動車販売からの景気懸念」との解釈。
自動車販売減はおまけみたいな印象が残る。
個人所得が予想よりも低い伸びだったことも悪材料視された。
ただ個人消費支出が市場予想をやや上回る伸びだったことは見えないフリ。
「S&P500の予想PERは18.3倍と約10年ぶりの高水準」という高値警戒感が背景にあることは否めない。
欧州株の下落を受けたというのが素直な解釈だろう。
ドラッグストアのCVSヘルス、医薬品のバイオジェンが上昇。
自動車セクター、医薬品のファイザーが下落。
アップルがハイテクセクターの足を引っ張った。
10年国債入札に絡んだ債券相場の急落。
債券離れよりも金融市場の混乱を警戒した形での安値引けとなった昨日の東京株式市場。
原油安まで悪材料視されての全面安となった。
麻生財務相・黒田日銀総裁会談は政府と日銀の連携を演出するのが目的だったが不発の印象だった。
引け後に発表された日銀のETF購入額は347億円。
「従来のレベルから増えておらず疑心」との声が聞かれるが、財務省と金融庁の増額認可がおりたのは昨日。
6兆円への増額適用は3日からだから今日の動きに注目というところだろうか。
IMFは日本経済に関する年次審査スタッフ報告書を発表。
「日本政府は財政刺激策と日銀による追加金融緩和策を連携させるべき」との見解を示した。
ただ、あとの祭りみたいな印象。
日経平均株価の25日移動平均からのカイ離はプラス1.72%。
75日線16392円は割れ込んでおり25日線攻防戦となろう。
「7月8日安値と同月21日高値の半値押しの水準となる1万6022円近辺までの調整」
という可能性も指摘される。
大証225先物夜間取引終値は16120円。
シカゴ終値の16095円からはやや戻してはいるが大幅なマイナス水準。
空売り比率は42.0%で8日連続40%超。
これは気にかかるところ。
救いは日経平均採用銘柄のEPSが1202.60円と増加したこと。
ポイントは債券動向。
マイナス0.025%まで上昇した10年国債利回りはさらに上昇するのかどうか。
基本はマイナス金利拡大→株高、マイナス金利縮小→株安なのだろう。
しかし応用編は金利上昇→株高という路線。
結構微妙な均衡となる。
東証マザーズ、日経ジャスダック平均は昨日まで3日続伸。
また森でなく木を追う時期だろうか。
IMFのチームリーダー氏(外国人)のコメント。
政府の新たな経済対策について、国内景気見通しを「やや改善」させる。
ただ、全面的な効果を評価するには時期尚早。
政策オプションの一環として景気刺激策を位置づける必要がある。
日本政府は、消費税率を段階的に引き上げ、社会保障支出に明確な上限を設け、財政規律を回復する姿勢を示す必要がある。
これらの政策が完全に実行されなければ、成長やインフレが鈍化し、今後の政策余地も狭まることになる。
政府があらゆる政策手段を講じる必要がある。
例えば資産買い入れ、追加的な預金金利の小幅引き下げなど。
需要下支えに向け、一段と持続的で、バランスが取れた協調策を打ち出すべき。
賃金引き上げを促し、縮小しつつある労働力供給の押し上げに向けた措置を講じるべき。
財務相の代弁のようでもあり、そうでもないような・・・。
大規模緩和について「長期化すれば金融システムへのリスクが増加」というのが公式見解。
代替策をとるべきだとも公式には指摘している。
でもチームリーダー氏は追加利下げまで要求しているのはどこか不可解。
利下げで儲かるのは財務相そのものとの印象が残る。
相変わらず消費税は15%まで段階的に引き上げるベきともしている。
7月末のNY株式市場の時価総額ランキング。
↓
アップル:5691億ドル
アルファベット(グーグル):5390億ドル)
マイクロソフト:4457億ドル
エクソン:3660億ドル
アマゾン:3658億ドル
フェイスブック:3594億ドル
エクソン以外はハイテク関連銘柄。
そしてものをつくるのではなくものを使ったソフトを提供している企業。
これがNY市場の現実だし、いずれ日本にも訪れる事態だろうか。
いつまでもトヨタ、三菱UFJの時代ではないような気がする。
この新陳代謝力がNY市場の強さでもある。
◇━━━ カタリスト ━━━◇
レオパレス21(8848)・・・動兆
レオパレス21に注目する。
同社は単身者向けアパートの建築請負と転貸が中核。
法人需要の拡大で業績は好調。
復配増配は好材料。
リバウンド期待。
(兜町カタリスト櫻井)