
【前引け概況】
2日午前の日経平均株価は3営業日ぶりに反落した。
前引けは前日比113円30銭安の1万6522円47銭だった。前日の欧州株市場が総じて軟調だったほか、米国株市場もNYダウがジリ安歩調、原油安の警戒で、目先利益確定売りが優勢となった。
長期金利の上昇を受けて不動産株などに売りが目立った。下げ幅は190円近くに拡大する場面があった。
また、日銀が7月29日の金融政策決定会合で異次元緩和の効果を総括すると発表したことが、金融政策の行き詰まり感を反映しているとの見方が一部に広がり主力株の上値が重くなっている。
売り一巡後は下げ渋った。麻生太郎財務相が午前の閣議後会見で、為替について「極めて神経質な動きがみられないわけではない」と発言。
円高けん制との受け止めから円相場が下落に転じ、売り方の買い戻しを誘った。日銀が7月29日に決めた上場投資信託(ETF)の買い入れ増額で株式需給が引き締まるとの見方もあって一方的な売りが出ず、下値を支えている。
足もとは好決算銘柄がピンポイントで物色されるほか、大勢は新興市場など内需の中小型株に資金が流れる傾向にある。
JPX日経インデックス400は3営業日ぶりに反落、東証株価指数(TOPIX)は続落した。
前引けの東証1部の売買代金は概算で9803億円、売買高は9億2595万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1220と全体の6割強を占めた。値上がりは616、変わらずは128銘柄だった。

個別では、原油安で国際石開帝石や石油資源が下げたほか、長期金利の上昇で三井不や菱地所にも売りが膨らんだ。三菱UFJや三井住友FGのメガバンク株も下落。
ファストリ、ファナックも安い。4~6月期営業赤字転落の日本光電が急落、大塚商会も大幅安となった。NTTも軟調。JR東海も値を下げた。
一方で1日に決算を発表したJTやキーエンスは上昇。任天堂は値ごろ感からの押し目買いが売り物を吸収しプラス圏、メガチップスやサノヤスホールディングスなど関連銘柄にも切り返すものが目立つ。このほか、キーエンスが高く、ファミリーマートも堅調。ニッセンホールディングスがストップ高に買われ、虹技も値を飛ばした。
東証2部株価指数はほぼ横ばいで終えた。
前引けの2部指数は、前日比0.09ポイント安の4253.34となった。個別銘柄では安川情報、ヨネックス、サイオス、郷鉄工所は売られた。一方、ジースリーHDがストップ高。ウインテストは一時ストップ高と値を飛ばし、ランドコンピュータ、アートSHD、ゼニス羽田、タカトリなど買われた。
【市況】日経ジャスダック平均続伸。個人の買い、値動きの軽い新興株市場へ

日経ジャスダック平均株価は小幅ながら続伸した。午前の終値は前日に比べ6円85銭高い2481円22銭だった。
前日の米株安を受け、東証1部上場の大型株への売り圧力が強まるなか、個人投資家の資金は相対的に値動きの軽い新興株市場へと向かった。
ジャスダック市場の売買代金は概算で149億円、売買高は3424万株だった。
個別銘柄ではアルファクスFSがストップ高。日ダイナミクは一時ストップ高と値を飛ばし、アイサンテクノ、チエル、内外テック、FVC、セリアも上昇した。半面、日本テレホン、日本ラッド、エイジス、インタライフやマクドナルドが売られた。
【市況】東証マザーズ指数が逆行高、外部環境不透明で中小型株を物色

東証マザーズ指数は続伸した。
前引けは前日比19.27ポイント高い958.53だった。
個別銘柄ではショーケースTVがストップ高。そーせいなどバイオ関連銘柄に個人投資家の資金が集まり、指数の上昇をけん引した。エクストリーム、ロゼッタ、Eガーディアン、ナノキャリア、サイバダインが上昇した。半面、アルファポリス、RSTECH、パートナーA、フリークアウやUNITED、リファインVは下落した。