【オープニングコメント】
27日の東京株式市場は反発スタートでその後はもみ合う展開となりそう。
日経平均株価の予想レンジは、1万6300円-1万6550円を想定する。
きょうの日本経済新聞1面では、最低賃金を過去最大の引き上げとするなどの政府の経済対策の概要や、日銀内で政府と足並みをそろえた追加緩和論が浮上してきたとの内容が報じられており、これらは株価の下支え材料にもなりやすい。
為替相場は、ドル・円が1ドル=104円台の後半と円安に振れている。輸出関連銘柄を中心に買い戻す動きが出るとみられ、日経平均の75日線(26日現在で1万6342円)が下値として意識されそう。
米国市場引け後に発表されたアップルの決算は市場予想を上回り、時間外で大きく上昇している。日本株はアップル株の影響を大きく受けやすいことや、ドル円が下を試した後に急速に戻していることなどから、しっかりの展開が想定される。
ただ、現地27日にはFOMCが声明を発表するほか、国内でも28-29日に日銀が金融政策決定会合を開催することもあり、様子見気分が広がる可能性もある。
主要外国証券経由の注文動向は、売り910万株、買い560万株で、差し引き350万株の売り越し。売り越しは2営業日連続。金額は買い越し。
売りセクターに、精密、食品、銀行、サービス、通信、小売、電機、その他製品、情報通信など。買いセクターに、自動車、機械、建設、REIT、薬品、繊維、食品、サービス、小売など。
【好材料銘柄】
■信越化 <4063>
非開示だった今期経常は5%増益、未定だった配当は110円実施。
■高橋ウォール <1994>
上期経常を15%上方修正。
■インベスC <1435>
今期経常を17%上方修正・最高益予想を上乗せ。
■メディネット <2370>
シミックホールディングス <2309> と再生・細胞医療事業分野で業務提携。再生医療等製品の開発から承認販売後の支援まで包括的にサポートするサービスを提供。
■サイバダイン <7779>
HAL医療用の米国展開に向けて、米デラウェア州に子会社を設立。
【予定】
27(水)
【国内】
九電工、ルネサンス、バリューコマース、宝ホールディングス、コロプラ、ベリサーブ、ドリコム、日本ゼオン、日立化成、大日本住友製薬、オービック、ソフトバンク・テクノロジー、富士フイルムホールディングス、ファンケル、タカラバイオ、横河ブリッジホールディングス、弁護士ドットコム、日立建機、アルプス電気、日本トリム、日本航空電子工業、アルパイン、アドバンテスト、スタンレー電気、富士通フロンテック、ファナック、日産自動車、三菱自動車工業、日産車体、任天堂、エイチ・ツー・オーリテイリング、三井住友フィナンシャルグループ、大和証券グループ本社、スパークス・グループ、西日本旅客鉄道、サカイ引越センター、ミスミグループ本社
【海外】
FOMC結果発表
英4-6月期GDP(17:30)
米6月耐久財受注(21:30)
米6月中古住宅販売仮契約(23:00)
《米決算発表》
ザコカ・コーラカンパニー、コーニング、アルトリア・グループ、コムキャスト、ボーイング、アムジェン、フェイスブック、ザイリンクス、マリオット・インターナショナル
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
【市況】NYダウは19ドル安と2日続落、一部決算に失望

【NY概況】
26日のNYダウ平均は続落し、前日比19ドル31セント安の1万8473ドル75セントで終えた。
7月消費者信頼感指数や6月新築住宅販売件数が予想を上振れ、買いが先行した。その後は、本格化する主要企業決算や、明日に控える連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を見極めたいとの思惑から手控えムードとなり、小動きとなった。
ファストフードのマクドナルド(MCD)は決算で利益が予想を下振れ、下落。通信会社のベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)は決算内容は予想を上振れたものの、48億ドルで買収したヤフー(YHOO)のネット事業が業績への負担になるとの見方から軟調推移し指数を押し下げた。
工業製品・事務用品のスリーエム(3M)は減収となり、通期の利益見通しの上限を引き下げた。米主要企業の一部の決算が投資家の失望を誘い、このところ強まっていた業績改善への期待がやや薄らいだ。
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比12.419ポイント高の5110.047と2015年12月4日以来ほぼ7カ月半ぶりの高値で終了した。交流サイト(SNS)大手のフェイスブックやグーグルの持ち株会社アルファベットなどの決算発表を控え、主要IT企業の業績改善への期待が指数を押し上げた。
セクター別では、半導体・半導体製造装置や自動車・自動車部品が上昇する一方で電気通信サービスや消費者・サービスが下落した。
個別銘柄では、エクソンモービルやシェブロンなど石油株が下落。原油先物相場の下落で収益への悪影響が意識された。通期の業績見通しを据え置いたスポーツ衣料のアンダー・アーマーが大幅安となり、同業のナイキにも売りが及んだ。
一方、建機のキャタピラーは大きく上げた。4~6月期決算は減収減益だったが市場予想ほど悪化せず、人員削減など進める方針を示したのが好感された。決算が増収となり、通期の業績見通しの下限を引き上げた航空機・機械大手ユナイテッド・テクノロジーズも上昇。増益決算を発表した化学のデュポンが小高い。
NYダウ工業株30種(ドル)
18,473.75 -19.31
S&P500種
2,169.18 +0.70
ナスダック
5,110.047 +12.419
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続落した。9月物は前日比175円安の1万6385円で取引を終えた。26日の大阪取引所の終値は45円上回った。
円高と米株安を手がかりに売られた。27日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え、市場では模様眺め気分が強まり、日中の値動きは限られた。
この日の9月物安値は1万6235円、高値は1万6585円だった。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
16385 ( +45 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
16455 ( +115 )
( )は大阪取引所終値比
【26日の欧州株式市場】
イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6724.03(+13.90)
ロンドン株式市場で、FTSE100種総合株価指数は反発。前日終値に比べ13.90ポイント高の6724.03で引けた。上昇と下落の銘柄数はほぼ拮抗。鉱業株と銀行株の上げが指数の上昇に寄与した。
ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10247.76(+49.52)
フランクフルト株式市場で、ドイツ株式指数(DAX)は続伸。終値は前日比49.52ポイント(0.49%)高の10247.76だった。
自動車のフォルクスワーゲンとタイヤのコンチネンタルが上昇。半導体のインフィニオンテクノロジーズも買われた。半面、アナリストが株価目標を引き下げたコメルツ銀行は下がった。ドイツ銀行も売られた。
フランス・パリ株価指数
CAC40 4394.77(+6.77)