
【大引け概況】
21日の日経平均株価は反発し、前日比128円33銭高の1万6810円22銭で終えた。
前日の欧米株市場が総じて堅調な動きをみせ、米国ではNYダウが小幅ながら9日続伸と上昇基調を継続した。
朝方から大きく買いが先行した。政府の補正予算編成に期待が高まるなか、経済対策について20兆円を超える規模になるとの観測が浮上したことも強気を助長、インフラ関連の建設株なども上げた。
後場は上昇ピッチの速さを警戒した個人投資家の売りが増え上げ幅を縮めた。
外国為替市場で円相場が対ドルで107円台に下落し、海外収益の目減りへの懸念が弱まり輸出株中心に追い風となった。
一方で日経平均の1万7000円近辺は今年に入ってからの累積売買高が多く戻り待ちの売りが出やすいことから、「今後は上値が重くなる」との見方もあった。
「ポケモンGO」の海外での人気を背景に連日大商いの任天堂は反発したが、売買代金は個別銘柄としての過去最高を連日で更新した20日(7323億円)には及ばず5182億円と5営業日ぶりに減少した。
JPX日経インデックス400は8日続伸した。終値は前日比79.32ポイント高の1万2033.16だった。東証株価指数(TOPIX)は反発し、8.64ポイント高の1339.39で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆5810億円。売買高は20億0660万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1152と、全体の約59%を占めた。値下がりは690、変わらずは126銘柄だった。

個別では、2016年4~6月期が減益決算だった安川電は「悪材料出尽くし」との見方から大幅高となった。国際石開帝石とパナソニックは上昇し、三菱ケミHDとクボタの上げも大きかった。ファーストリテイリングが高く、マツダも堅調。サノヤスホールディングス、イマジカ・ロボット ホールディングスがストップ高となり、日本金銭機械も値幅制限上限に買われた。ここ下値模索を続けていたIDOMも急反発した。
一方、NTTが軟調、花王と大ガスが下落し、小野薬と塩野義の下げも目立った。
JR東日本も安い。JAC Recruitmentが急落、アウトソーシング、フルキャストホールディングスなどの下げも目立つ。イーレックス、アダストリアも反落した。
東証2部株価指数は3日続伸した。大引けの2部指数は、前日比17.29ポイント高の4209.87となった。
個別銘柄では、イトーヨーギョー、くろがね工作所がストップ高。ゼニス羽田、マミヤオーピー、桜島埠頭、ラオックスとローツェが買われた。半面、日本ケア、日鋳造、DNA研、神島化学工業、象印と朝日インテクが下げた。
【市況】日経ジャスダック平均3日続伸、投資家心理の改善

日経ジャスダック平均株価は3日続伸した。終値は前日比7円69銭高い2474円61銭だった。投資家心理の改善が新興市場にも波及した。
スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」とのコラボレーションを発表したマクドナルドの商いが活況となり、売買代金はジャスダック市場全体の半分以上を占めた。
ジャスダック市場の売買代金は概算で757億円、売買高は9769万株だった。
個別銘柄ではテックファームHD、ユニバーサル、シライ電子がストップ高。ピクセルは一時ストップ高と値を飛ばし、アビックス、平田機工、ユビキタス、パレモ、石井工研が上昇した。
半面、モジュレがストップ安。エン・ジャパン、内外テック、セリア、シダー、マクドナルドなどが下落した。マクドナルドの売買代金は450億円まで膨らみ、ジャスダック市場の売買代金ランキング2位できょう上場したデュアルTの約18倍と他銘柄を大きく引き離した。
ジャスダック市場に新規上場したデュアルT(3469)は、13時59分に公開価格(1110円)の2.3倍となる2520円で初値を付けた。その後は利益確定売りが進み、終値は初値比で制限値幅の下限(ストップ安水準)となる2020円だった。
【市況】東証マザーズ指数は6日ぶり反発。

東証マザーズ指数は6営業日ぶりに反発した。終値は前日比0.89ポイント高い935.47だった。個別銘柄ではAPLIX、PSSがストップ高。ITM、Hamee、フリービット、モブキャス、フュートレックグリンペプが上昇した。一方で、セラク、エニグモ、キャリア、サイバダイン、ミクシィ、農業総研は下落した。
東証マザーズ市場に新規上場したインソース(6200)は、10時46分に公開価格(520円)を56%上回る810円で初値を付けた。午後は売りに押される展開となり、終値は初値を15%下回る692円だった。