【オープニングコメント】
21日の東京株式市場は、米国株高を受け買いが先行で上値を試す場面もありそう。
シカゴ225先物は円建てが大証日中終値と比べて165円高の1万6855円、ドル建てが245円高の1万6935円で取引を終えた。海外、特に米国の強い動きを受け、日本株も大幅高スタートが想定される。
日経平均株価予想レンジは、1万6600円-1万7000円を想定する。
為替相場は、ドル・円が1ドル=107円台の前半と円安に傾いている。輸出関連銘柄を中心に見直し買いが進みそうだ。
ただ、日経平均は25日線とのカイ離率が5%を超え、短期的な過熱感を警戒する動きが出る可能性にも注意したい。
主要外国証券経由の注文動向は、売り820万株、買い860万株で、差し引き40万株の買い越し。買い越しは9営業日連続。金額は売り越し。
売りセクターに、通信、薬品、証券、サービス、銀行、陸運、情報通信、食品など。買いセクターに、電機、機械、銀行、小売、薬品、サービスなど。
【好材料銘柄】
■日本M&Aセンター <2127>
9月30日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施する。最低投資金額は現在の2分の1に低下する。
■八洲電機 <3153>
株主優待制度を変更。現行は100株以上を保有する株主を対象に一律で1000円相当の商品を贈呈しているが、新制度では保有株数に応じた優待に変更する。100株以上200株未満保有で全国共通食事券500円分、200株以上で同2000円分を贈呈する。
■ペプチドリーム <4587>
米ジェネンテック社と、同社の創薬開発プラットフォームシステム「PDPS」の非独占的ライセンス許諾契約。契約締結に伴い、契約一時金を段階に分けて受け取るほか、創製された特殊環状ペプチドに係るマイルストーンフィーなどを受領する。
■Hamee <3134>
東証が27日付で東証1部に市場変更。
■フリービット <3843>
東証が27日付で東証1部に市場変更。
【予定】
21(木)
【国内】
5月全産業活動指数(13:30)
《決算発表》
B-Rサーティワンアイスクリーム、DNAチップ研究所、BEENOS、中外製薬、サイバーエージェント、日新電機、SPK、植松商会
【海外】
ECB定例理事会
ドラギ総裁会見
米6月シカゴ連銀全米活動指数(21:30)
米7月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数(21:30)
米5月FHFA住宅価格指数(22:00)
米6月中古住宅販売件数(23:00)
米6月CB景気先行指数(23:00)
6月北米半導体製造装置BBレシオ(7/22 7:00)
《米決算発表》
ユニオン・パシフィック、D.R.ホートン、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、バイオジェン、AT&T、スターバックス、イー・トレード・ファイナンシャル、ビザ、サウスウェスト航空、トラベラーズ・カンパニーズ、KLAテンコー、アマゾン・ドット・コム、ゼネラルモーターズ
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
【市況】NYダウ9日続伸し36ドル高、好調な主要企業決算を好感

【NY概況】
20日のNYダウ平均は9日続伸した。終値は前日比36ドル02セント高の1万8595ドル03セントと、7日連続で過去最高値を更新した。
ダウ平均の9日続伸は2013年3月の10日続伸以来、ほぼ3年4カ月ぶり。
ハイテクや金融に良好な決算発表が相次ぎ、買いが先行した。原油高も好感され、終日堅調推移となった。しかし、明日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会や来週の連邦公開市場委員会(FOMC)の内容を見極めたいとの思惑もあり、上値は限られた。
マイクロソフトなど市場予想を上回る四半期決算を発表する企業が相次ぎ、業績期待から買いが優勢となった。
マイクロソフトが前日夕に発表した決算は成長の柱とするクラウド事業の好調さを背景に、1株利益が市場予想を上回った。株価は5%超上昇し、1銘柄でダウ平均を19ドル押し上げた。
金融のモルガン・スタンレーの決算も市場予想を大きく上回った。米企業の業績全般への期待が改めて強まった。ネットワーク機器のシスコシステムズや半導体のインテルなどIT(情報技術)関連株を中心に、幅広い銘柄に買いが広がった。
S&P500種株価指数は反発し、同9.24ポイント高の2173.02と2日ぶりに最高値を更新した。
ナスダック総合株価指数は反発し、同53.560ポイント高の5089.933と2015年12月29日以来の高値で終えた。
セクター別では、ソフトウェア・サービスや半導体・半導体製造装置が上昇する一方でメディアや公益事業が下落した。
決算で売上高が市場予想を上回った医薬品・医療機器のアボット・ラボラトリーズが買われた。製薬のバリアント・ファーマシューティカルズ(VRX)は食品医薬品局(FDA)から便秘防止薬への承認を取得し、堅調推移。決算で売上高が市場予想ほど悪化しなかった玩具のマテルは上昇。クレジットカードのビザやアメリカン・エキスプレスも高い。
一方、資源開発のハリバートンが下落。市場予想を上回る決算を受けて材料出尽くし感からの売りが出た。エンターテイメントのウォルト・ディズニー(DIS)は一部アナリストによる投資判断引き下げを受け、下落した。石油のエクソンモービル、ゼネラル・エレクトリック(GE)が安い。
NYダウ工業株30種(ドル)
18,595.03 +36.02
S&P500種
2,173.02
ナスダック
5,089.933 +53.560
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は上げた。9月物は前日比245円高の1万6855円で取引を終えた。同限月の終値ベースで5月末以来の高値をつけた。20日の大阪取引所の終値を165円上回った。
円安進行に加え、米企業の堅調な決算を手がかりに米国株式相場が上昇し、買いを支えた。
この日の9月物高値は1万6865円、安値は1万6530円だった。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
16855 ( +165 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
16935 ( +245 )
( )は大阪取引所終値比
【20日の欧州株式市場】
イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6728.99(+31.62)
ロンドン株式市場で、FTSE100種総合株価指数は4営業日続伸。前日終値に比べ31.62ポイント高の6728.99と2015年8月以来、約11カ月ぶりの高値で引けた。金融関連株を中心に構成銘柄の約8割が上昇した。
アナリストが目標株価を引き上げた銀行のHSBCホールディングスとスタンダードチャータード銀行が買われ、指数の上昇をけん引した。
ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10142.01(+160.77)
フランクフルト株式市場で、ドイツ株式指数(DAX)は反発。終値は前日比160.77ポイント(1.61%)高の10142.01と、ほぼ1カ月ぶりの高値だった。
自動車のフォルクスワーゲンが高い。1~6月期の実質営業利益が市場予想を上回ったようだと発表したことが好感された。同業のBMWとダイムラーのほか、タイヤのコンチネンタルも買われた。
フランス・パリ株価指数
CAC40 4379.76(+49.63)