<兜町カタリスト>
「7日続伸を見てみたい誘惑」
NYダウは25ドル高の18559ドルと8日続伸。
過去最高値を更新。
8日続伸は2013年3月以降で最長となる。
NASDAQは19ポイント安の5036ポイントと続落。
S&P500は3ポイント安の2163ポイントと反落しマチマチの動き。
IMFが世界経済見通しで、世界全体の成長率の見通しを引き下げたことが悪材料との解釈。
「英国のEU離脱決定で不確実性が大きく増した」との指摘を警戒との解釈もあるが今更という印象。
本格化してきた決算発表でS&P500採用銘柄の第2四半期は前年同期比4.3%の減益見通し。
強弱まちまちの決算への評価をめぐる展開が予想される。
ドイツのZEW景気期待指数は2012年11月以来の低水準。
一方で米6月住宅着工件数は市場予想を上回る増加で為替はややドル高傾向。
引け後に発表されたマイクロソフトの決算は売上高が2.1%増加で着地。
純利益は黒字転換となり時間外取引で株価は上昇。
明日への期待感となった。
VIX(恐怖)指数は11.97%まで低下しており、恐怖感はほとんどない状態。
昨日の日経平均株価、中盤は伸び悩んだ展開。
ただ午後2時過ぎになって先物中心に上値を追う展開でほぼ高値圏で引けた。
6日続伸で6日間とも3ケタの上昇。
6日間で値幅は1616円、上昇率は10%。
先週は週間1390円上昇し、97年11月以来19年ぶりの記録。
主役は6年ぶりで株価が3万円台に乗ってきた任天堂。
わずか8日間で株価は2.2倍。
時価総額を2.4兆円も増やした。
1日の売買代金7000億円台は記録的。
マザーズ指数の登場は東証1部の225非採用銘柄をクローズアップさせるタイミングだったかのようだ。
日経平均株価は6日続伸の動きで今年タイ。
7日続伸記録更新に期待がかかるが、気になるのは25日移動平均からのかい離率。
前日のプラス4.73%→プラス5.97%へと上昇。
これが上値の重石として意識されよう。
騰落レシオも順調に116.32まで上昇してきた。
松井証券経由の信用評価損率速報は売り方マイナス12.137%、買い方11.671%と逆転。
売り方は少しきつい水準となった。
だからカラ売り比率が36.9%まで低下したのだろう。
「NTレシオが12.56と上昇し過去最高レベルになったのもやや限界的」という声も聞かれる。
ただ日経平均採用銘柄のPERは13.93倍。
EPSも1200.52円と1200円台に乗せてきた。
まだ誤差の水準での増加ではあるが決算発表を控えて悪くはない数字。
シカゴ225先物終値は16610円。
高値16720円だったが、大証比はマイナス110円。
7日ぶりの反落で一息つくと見るのが常識的相場観だろうが、続伸記録を見てみたいという気も捨てがたい。
週足では26週移動平均線(16347円)を越えたのが先週。
昨年8月半ば以降、越えられなかった壁を越えた。
抵抗地帯は支持地帯になったとすれば明るいモードでもある。
日足での抵抗域だった25日移動平均(15780円)を越えて5日。
プラスかい離は5.97%だから目先過熱感の水準。
4月22日が5.94%(日経平均17572円、25日線16586円)。
昨年11月9日が5.89%(日経平均19642円、25日線18550円)。
25日線からのかい離が5%を越えてしばらくして株価は反落した。
この轍を踏むのかどうか。
個別銘柄の最大売買代金やアベノミクス以降の週間上場幅記録更新などセオリーを破ってきた。
新たな数値への挑戦の時期と見たいところ。
一目均衡の雲の上限(16703円)を抜けて巡航というのがベストシナリオ。
因みに勝手雲は26日に白くねじれている。
「今回は違う」と思って裏切られてきたのも相場の歴史だが・・・。
イヤな話だが連続しているのは地震も一緒。
茨城・千葉あたりを震源として、ココ震度4クラスが3日続いている。
単発的なものであれば良いが・・・。
◇━━━ カタリスト ━━━◇
MORESCO(5018)・・・動兆
MORESCOに注目する。
同社は自動車向けなど特殊潤滑油、合成潤滑油、素材、ホットメルトが中核。
HDD向け合成潤滑油が好調。
インドネシアで紙おむつ用のホットメルト接着剤が拡大基調。
有機ELを水から守るシール材に期待感。
ニッチ市場のトップシェア銘柄。
(兜町カタリスト櫻井)