【オープニングコメント】
19日の東京株式市場は、続伸スタートで堅調な展開を想定する。
欧米市場は総じて小動き。急激な上昇こそ一服したものの、米国市場ではダウ平均およびS&P500の高値更新基調が続いている。米国株高や円安を受け、買いが先行しよう。
東京外国為替市場は、1ドル=106円台前半と円安・ドル高方向に傾き、政府・日銀による政策期待も根強く、相場の下支え要因となろう。
日経平均株価予想レンジは、1万6400円-1万6650円
日経平均は1万6500円台より上の水準での値固めが期待できそうだ。先週上抜けた26週線も一定のサポートになると考える。
ただ、直近5連騰で合計1390円の上昇を演じ、目先的な利益確定売りの動きも出やすく、買い一巡後は上値が重くなる可能性がある。また、英半導体設計大手ARM(アーム)ホールディングスを約240億ポンド(約3.3兆円)で買収すると発表したソフトバンクのADR(米国預託証券)が急落しており、指数寄与度の高い銘柄として重しになることも想定されよう。
主要外国証券経由の注文動向は、売り310万株、買い930万株で差し引き620万株の買い越し。買い越しは7営業日連続。金額も買い越し。
売りセクターに陸運、薬品、その他金融、情報通信、電機など。買いセクターに陸運、薬品、その他金融、情報通信、電機など。
【好材料銘柄】
■土木管理総合試験所 <6171>
株主優待制度を新設。毎年12月31日時点で100株以上500株未満を保有する株主にクオカード1000円分、500株以上保有の株主に同2000円分を贈呈する。
■アドバンスクリエイト <8798>
東証が22日付で市場1部に指定替え。
■システム情報 <3677>
株主優待制度を新設。毎年9月30日時点で100株以上1000株未満を保有する株主にクオカード500円分、1000株以上保有の株主に同1000円分を贈呈。また、抽選で20人に10万円旅行券を贈呈。
■ショーケース・ティービー <3909>
7月31日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施する。最低投資金額は現在の2分の1に低下。
【予定】
19(火)
【国内】
東証マザーズ指数先物の取引スタート
【海外】
独7月ZEW景況感指数(18:00)
米6月住宅着工件数(21:30)
米6月建設許可件数(21:30)
《米決算発表》
ユナイテッドヘルス・グループ、ロッキード・マーチン、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップモリスインターナショナル、マイクロソフト、ヤフーインク、ゴールドマン・サックス・グループ
休場:タイ
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
【市況】NYダウ7日続伸し過去最高値 好業績、業界再編の思惑

【NY概況】
18日のNYダウ平均は7日続伸し、前週末比16ドル50セント高の1万8533ドル05セントで終えた。7日続伸は、3月半ばに同じく7日続伸して以来の長さ。ダウ平均は5日連続で過去最高値を更新した。
原油相場の下落を嫌気し、トルコのクーデター未遂や度重なるテロなど地政学リスクも意識され売りが先行した。堅調な7月NAHB住宅市場指数が好感されたものの、その後は新たな株価動意材料に乏しく、利益確定の売りも広がったほか、今週から本格化する4-6月期決算発表の内容を見極めたいとの思惑から上値は重かった。
ソフトバンクが英半導体設計大手アーム・ホールディングスを買収すると発表し、半導体やIT業界を中心に大型M&Aの思惑が浮上したことも投資家心理を改善させた。
アップルが1%強上げ、相場上昇をけん引。化学のデュポンやホームセンター大手のホーム・デポの上げも目立った。
セクター別では、ソフトウェア・サービスやテクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で家庭用品・パーソナル用品や食品・飲料・タバコが下落した。
ナスダック総合株価指数は反発。前週末比26.195ポイント高い5055.783と、昨年12月30日以来およそ7カ月ぶりの高水準で終えた。
S&P500種株価指数は2166.89と過去最高値を更新した
米銀大手のバンク・オブ・アメリカは朝方発表した4~6月期決算が市場予想ほど落ち込まなかったことを手掛かりにした買いが優勢だった。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やクアルコムは業界再編への思惑が買いにつながった。
クーポン共同購入サイトのグルーポン(GRPN)は一部アナリストによる投資判断引き上げを受け、大幅上昇した。
ネットフリックス(NFLX)はマーケット終了後に4-6月期決算を発表、売上高は予想に一致し、一株利益は下振れた。時間外取引で下落して推移している。
ソフトバンク傘下で米携帯電話のスプリントは急落した。英アームの買収で業績再建への期待が後退した。ダウ銘柄では、製薬のメルクや保険のトラベラーズが下げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
18,533.05 +16.50
S&P500種
2,166.89
ナスダック
5,055.783 +26.195
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。9月物は前週末比125円高の1万6610円で取引を終えた。15日の大阪取引所の終値を50円上回った。
円安や米株高を手がかりに買いが優勢になった。トルコのクーデター未遂の市場への影響は限られ、NYダウ平均は5日続けて過去最高値を更新した。この日の9月物高値は1万6655円、安値は1万6480円だった。
日本市場が休場とあって取引は低調だった。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
16610 ( +50 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
16680 ( +120 )
( )は大阪取引所終値比
【15日の欧州株式市場】
フランクフルト株式市場で、ドイツ株式指数(DAX)は小動き。終値は前週末比3.77ポイント(0.04%)安の10063.13だった。
医薬・農薬大手のバイエルが安い。ドイツテレコムはアナリストによる目標株価引き下げを手掛かりに売られた。
ロンドン株式市場で、FTSE100種総合株価指数は続伸。前週末終値に比べ26.18ポイント高の6695.42と、2015年8月以来約11カ月ぶりの高値で引けた。構成銘柄の約6割が上昇した。
半導体設計大手のアーム・ホールディングスが急騰。ソフトバンクグループによるアーム買収発表を受けて約4割上昇し、相場を押し上げた