【オープニングコメント】
15日の東京株式市場は堅調展開か。
シカゴ先物にさや寄せする格好から買い先行で始まろう。
日経平均株価の予想レンジは16500円-16650円。
米国株は上昇。決算好調の金融株が上昇を主導し、ダウ平均は3日連続で史上最高値を更新した。
連日の米国株高を好感し、日本株も強い動きが期待できそうだ。米国に先行上場したLINEが公開価格を大きく上回る好調なスタートとなったことも、投資家のリスク許容度を高めやすい
上昇週で三連休前と、いったん売りも出やすいタイミングではあるが、凄まじい動きを見せる任天堂など株価の刺激材料は多く、終日しっかりの展開を予想する。
14日(現地時間)、無料対話アプリのLINE <3938> は15日の東証1部への上場に先立ち、米ニューヨーク証券取引所(NYSE)に新規上場。NYSEの初値は42ドル(1ドル=105.3円換算で、約4420円)と、公開価格の32.84ドル(同、約3460円)を27.9%と大きく上回った。その後は一時44.49ドル(同、約4680円)まで値を上げた場面もあった。
主要外国証券経由の注文動向は、売り650万株、買い790万株で差し引き140万株の買い越し。買い越しは6営業日連続。金額も買い越し。
売りセクターに商社、自動車、その他製品、ゴム、精密、非鉄、電機など。買いセクターに保険、電機、精密、薬品、情報通信、機械、小売、化学など。
【好材料銘柄】
■いちごHD <2337>
3-5月期(1Q)経常は2.2倍増益で着地。
■ドトル日レス <3087>
発行済み株式数(自社株を除く)の1.45%にあたる70万株(金額で12億9290万円)を上限に、15日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買い(買い付け価格は14日終値の1847円)を実施する。3-5月期(1Q)経常は5%増益で着地。
■一六堂 <3366>
発行済み株式数(自社株を除く)の4.92%にあたる47万株(金額で1億7000万円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は7月15日から11月30日まで。
■ヨシムラHD <2884>
上期経常を50%上方修正、通期も増額。
■イード <6038>
VR市場に本格参入。第1弾としてシータと業務提携し、アイドル映像に特化したVR映像配信プラットフォームを公開。
■ロゼッタ <6182>
3-5月期(1Q)経常は48%増益で着地。8月31日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施する。最低投資金額は現在の2分の1に低下する。
【予定】
15(金)
LINEが東証1部に新規上場
【国内】
《決算発表》
タマホーム、パソナグループ、鉄人化計画、ダイヤモンドダイニング、買取王国、アクサスホールディングス、アクロディア、テイツー、アデランス、平和不動産リート投資法人、松竹、東宝、安川情報システム、ゲンダイエージェンシー、ブロンコビリー、日置電機など
【海外】
中国6月鉱工業生産(11:00)
中国6月小売売上高(11:00)
中国6月固定資産投資(11:00)
中国4-6月期GDP(11:00)
アジア欧州会議(ASEM)首脳会議(ウランバートル ~16日)
米6月小売売上高(21:30)
米6月消費者物価指数(21:30)
米7月NY連銀製造業景気指数(21:30)
米6月鉱工業生産・設備稼働率(22:15)
米5月企業在庫(23:00)
米7月ミシガン大学消費者信頼感指数(23:00)
《米決算発表》
U・S・バンコープ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴ
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
【市況】NYダウ続伸し134ドル高 連日で過去最高値、良好な経済指標や企業決算を好感

【NY概況】
14日のNYダウ平均は5日続伸した。終値は前日比134ドル29セント高の1万8506ドル41セントと、3日続けて過去最高値を更新した。
週間新規失業保険申請件数が予想より減少したほか、生産者物価指数(PPI)が堅調な内容となり、買いが先行した。良好な企業決算や原油高も好感され、終日堅調推移となった。
発表が本格化する四半期決算への期待から金融株が大きく上昇し、相場をけん引。
金融大手のJPモルガン・チェースが取引開始前に発表した4~6月期決算は市場予想に反して増収となった。1株利益も市場の予測を上回ったのが好感されて株価が上昇。19日に四半期決算を発表するゴールドマン・サックスなど金融株全般に好業績を期待した買いが及び、相場を押し上げた。
セクター別では、銀行や運輸が上昇する一方で公益事業や不動産が下落した。
ナスダック総合株価指数は反発。前日比28.331ポイント高の5034.058で終え、2015年12月30日以来およそ6カ月半ぶりの高値を付けた。
この日、米株式市場に新規株式公開(IPO)した対話アプリのLINEが大きく上昇した。市場の期待が高く、米預託証券(ADR)は公開価格を27%近く上回る水準で取引を終えた。
航空大手のデルタ航空(DAL)、ファストフードのヤム・ブランズ(YUM)なども決算内容が好感され、上昇。ダウ平均の構成銘柄では金融株のほか、アップルやIBM、化学のデュポンなども買われた。
一方で、資産運用大手のブラックロックが安い。発表した4~6月期決算が減収減益で、投資家からの資金流入が物足りないとの見方から売られた。
NYダウ工業株30種(ドル)
18,506.41 +134.29
S&P500種
2,163.75 +11.32
ナスダック
5,034.058 +28.331
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。9月物は前日比190円高の1万6535円で引けた。14日の大取終値を135円上回った。円相場の下落や、NYダウ平均の最高値更新を受け買われた。日本の景気刺激策や日銀の金融緩和への期待も背景にあるようだ。この日の9月物高値は1万6630円、安値は1万6210円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
16535 ( +135 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
16615 ( +215 )
( )は大阪取引所終値比
【14日の欧州株式市場】
イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6654.47(-15.93)
ロンドン株式市場で、FTSE100種総合株価指数は小幅に下げ3営業日続落。前日終値に比べ15.93ポイント安の6654.47で引けた。構成銘柄の約半数が下落した。
朝方は小高く推移していたが、英中央銀行のイングランド銀行が一部の市場予想に反して政策金利を据え置いたことを受け、売りが優勢に転じた。
ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10068.30(+137.59)
フランクフルト株式市場で、ドイツ株式指数(DAX)は反発。終値は前日比137.59ポイント(1.39%)高の10068.30と6月23日以来の高値だった。
ドイツ銀行やコメルツ銀行、保険のアリアンツなど金融株が高い。
フランス・パリ株価指数
CAC40 4385.52(+50.26)