【オープニングコメント】
12日の東京株式市場は、シカゴ日経平均先物の清算値1万6070円(大取所終値比360円高)にサヤ寄せしてのスタートとなろう。
日経平均株価の予想レンジは、1万5800円-1万6300円
テクニカル面では抵抗となる懸念もあった25日線(15814円)を寄り付きから大きく上回ってのスタートとなりそうなことも好感材料。
安倍首相の経済対策への期待感から、リスク回避の円買いの動きが巻き戻されて円安が進行、ドル円は102円60銭台近辺で推移している。
国内景気を下支えするため経済対策のとりまとめを指示する方針で、引き続きインフラ整備関連株に関心が向かいそうだ。また、英国のEU(欧州連合)離脱ショック以降、メガ・バンクを中心にさえない動きが続く銀行株に対し、出遅れ修正の動きが出る可能性もある。
主要外国証券経由の注文動向は、売り600万株、買い820万株で、差し引き220万株の買い越し。買い越しは3営業日連続。金額は売り越し。
売りセクターに、電機、小売、化学、食品、建設、商社など。買いセクターに、その他製品、情報通信、商社、サービス、薬品、電機、銀行、通信など。
【好材料銘柄】
■ネクシィーズ <4346>
今期経常を26%上方修正。
■シーズ・ホールディングス <4924>
米ジョンソン&ジョンソン(J&J)のグループ企業と資本業務提携。J&Jグループに同社化粧品ブランドのライセンスを付与し、海外事業の拡大を進める一方、J&Jグループが展開するブランドの国内販売で協業する。資本面では、第三者割当による新株予約権でJ&Jグループに145万株を割り当てる。また、取締役らが保有する約822万株を譲渡する。
■リョーサン <8140>
発行済み株式数(自社株を除く)の9.52%にあたる300万株(金額で105億円)を上限に自社株買いを実施する。今期配当を50円増額修正。
■AOI Pro. <9607>
同業でテレビCM制作大手のティー・ワイ・オー <4358> と来年1月をメドに共同持株会社を設立し、経営統合することで基本合意。
■プロパスト <3236>
今期経常は2%増益、9期ぶり2円で復配へ。
■トランスジェニック <2342>
酸化ストレス可視化マウスに関する国内特許を取得。動脈硬化や糖尿病、リウマチなどに関与すると考えられている「酸化ストレス」について、マウスでリアルタイムにその部位を簡便に可視化・検出することを可能にしたもの。
【予定】
12(火)
【国内】
6月国内企業物価指数(8:50)
5月第三次産業活動指数(13:30)
30年国債入札
日銀「生活意識に関するアンケート調査」の結果
《決算発表》
アルバイトタイムス、ディップ、アイケイ、ビックカメラ、ラクト・ジャパン、住江織物、農業総合研究所、サイバーステップ、ホギメディカル、ニイタカ、ダイト、川崎地質、アルファ、日本エンタープライズ、日本色材工業研究所、三協立山、ERIホールディングス、津田駒工業、中北製作所、東洋電機製造、ユーシン、コーナン商事、サイゼリヤ、インターアクション、ラピーヌ、ライフコーポレーションなど
【海外】
EU財務相理事会
米5月卸売在庫(23:00)
米5月卸売売上高(23:00)
米10年国債入札
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
【市況】NYダウ続伸 80ドル高 1年2カ月ぶり高値 米景気への楽観、S&P500最高値

【NY概況】
11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比80ドル19セント高の1万8226ドル93セントと、2015年5月22日以来、およそ1年2カ月ぶりの高値で終えた。
先週の雇用統計が引き続き好感されているほか、日本の参院選で与党が勝利したことで景気刺激策への期待が高まり、アジア・欧州株が全面高となった。米国株にも買いが広がり、終日堅調推移となった
雇用統計で労働市場の回復持続が確認され、米景気が年後半にかけて持ち直すとの観測が強まった。半面、しばらくは世界的に金利が低い環境が続くともみられ、米国株の投資妙味が意識された。業績が景気動向に左右されやすい景気敏感株に買いが目立った。
ダウ平均は一時137ドル高まで上げ幅を広げた。
ただ、米国株は短期間で大きく上げており、ダウ平均は過去最高値に近づいている。割高感も意識され、取引終了にかけてはやや伸び悩んだ。
セクター別では、自動車・自動車部品や半導体・半導体製造装置が上昇する一方で医薬品・バイオテクノロジーやヘルスケア機器・サービスが下落した。
S&P500種株価指数は7.26ポイント高い2137.16と15年5月21日以来、1年2カ月ぶりに過去最高値を更新した。
ナスダック総合株価指数は4日続伸し、同31.882ポイント高の4988.639と、15年12月31日以来ほぼ7カ月ぶりの高値で終えた。
ガスパイプライン大手のキンダー・モルガン(KMI)は天然ガスパイプラインの権益の半分を公益事業のサザン・カンパニー(SO)に売却し、上昇。知的財産・サイエンス部門の売却を発表したトムソン・ロイターも高い。
ダウ平均では需要見通しを引き上げた航空機のボーイングが上げた。半導体のインテルやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスも高い。
一方、短文投稿サイトのツイッター(TWTR)は一部アナリストによる投資判断引き下げを受け、下落した。キンダー・モルガン(KMI)からパイプラインを買い取る電力のサザン・カンパニー(SO)は下落。資産取得に伴う費用負担が嫌気された。
ダウ平均では医療保険ユナイテッドヘルス・グループ、製薬のメルクなどが下げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
18,226.93 +80.19
S&P500種
2,137.16 +7.26
ナスダック
4,988.639 +31.882
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は急伸し、1万6000円台を回復した。9月物は前週末比730円高の1万6070円で取引を終え、11日の大阪取引所の終値を360円上回った。9月物が1万6000円を回復して終えたのは6月23日以来ほぼ半月ぶりで、英国のEU(欧州連合)離脱が決まる前の水準に戻した。
前週発表になった6月の米雇用統計の改善を手がかりに投資家心理が改善し、米株とともに買い進まれた。安倍政権が大規模な経済対策を実施するとの期待が広がったほか、円が対ドルで下げたことも支援材料になった。
この日の9月物高値は1万6140円、安値は1万5350円だった。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
16070 ( +360 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
16145 ( +435 )
( )は大阪取引所終値比
【11日の欧州株式市場】
イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6682.86(+92.22)
ロンドン株式相場は続伸。FTSE100種総合株価指数は前週末終値に比べ92.22ポイント高の6682.86と、2015年8月上旬以来、約11カ月ぶりの高値水準(終値ベース)を更新して引けた。構成銘柄の約9割が上昇した。
ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 9833.41(+203.75)
フランクフルト株式相場は続伸。ドイツ株式指数(DAX)の終値は前週末比203.75ポイント(2.12%)高の9833.41だった。世界の主要株式相場が上昇する中、全面高で引けた。
フランス・パリ株価指数
CAC40 4264.53(+73.85)