【オープニングコメント】
7日の東京株式市場は、もみ合いとなりそうだ。
日経平均株価予想レンジは、1万5200円-1万5500円を想定する。
昨日6日は、対ドルで一時1ドル=100円台の半ばまで円高が進んだことが嫌気され、一時500円安まで下げる場面があるなど下げ度合いが大きく、一定の押し目買いも期待できる。しかし、直近の株安要因となった欧州株は弱い動きが続いており、積極的に上値を追う動きにはなりづらいだろう。
寄り付きは、きのうの反動や米国株高もあり買いが先行するとみられる。
ただ、手掛かり材料難の状況が続いていることや、週末に米雇用統計を控え様子見姿勢も強まりやすく、前日終値近辺での小動きが続くと予想する。
主要外国証券経由の注文動向は、売り1080万株、買い920万株で、差し引き160万株の売り越し。売り越しは5営業日連続。金額も売り越し。
売りセクターに、薬品、化学、銀行、機械、情報通信、自動車、保険、不動産、小売、電機など。買いセクターに、その他金融、食品、小売、建設、自動車、サービス、薬品、通信、REITなど。
【好材料銘柄】
■リプロセル <4978>
ヒトiPS細胞から効率良く膵前駆細胞や膵β細胞を生産する方法を東京工業大学と共同研究。糖尿病治療に有効とされる膵島移植ではドナー不足が問題となっており、iPS細胞から膵前駆細胞や膵β細胞を作製して移植することが期待される。
■ディー・ディー・エス <3782>
多要素認証統合プラットフォーム「EVE MA」に顔認証機能を追加。指紋認証と顔認証の併用による二要素認証も可能となる。10月上旬から提供開始。
■そーせい <4565>
がん免疫療法の新薬候補「HTL1071」の第1相臨床試験開始に伴い、子会社ヘプタレス社がアストラゼネカ社から1000万ドルのマイルストーンを受領。
【予定】
7(木)
【国内】
6月都心オフィス空室率(11:00)
5月景気動向指数(14:00)
7月の地域経済報告(さくらレポート)
《決算発表》
ワンダーコーポレーション、セブン&アイ・ホールディングス、メディアドゥ、SHIFT、大阪有機化学工業、トーセ、クリーク・アンド・リバー社、オーエスジー、三光合成、ファミリーマート、リンガーハット、日本プロセス、乃村工藝社、ホテル、ニューグランド
【海外】
ECB理事会議事要旨
米6月ADP雇用統計(21:15)
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
NYダウ反発し78ドル高 米指標改善で心理好転

【NY概況】
6日のNYダウ平均は反発した。終値は前日比78ドル00セント高の1万7918ドル62セントだった。
朝方は米株式の売りが優勢で、ダウ平均の下げ幅は127ドルに達する場面があった。英国の欧州連合(EU)離脱決定が欧州経済や金融市場に与える悪影響が警戒され、欧州主要国の株式相場が軒並み下落。米市場でも売りが先行した。
その後は、FOMC議事録の発表を見極めたいとの思惑から下げ幅を縮小し上昇に転じた。FOMC議事録では大半のメンバーが利上げ実施前に英国民投票の結果を見極めることを支持したことが明らかとなり、追加利上げの後退が好感され、上げ幅を拡大する展開となった
米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した6月の非製造業景況感指数は前月から上昇し、市場予想を上回った。米景気が順調な回復ペースに戻るのとの期待が高まり、米株式の買いにつながった。
セクター別では、耐久消費財・アパレルや医薬品・バイオテクノロジーが上昇する一方で不動産や家庭用品・パーソナル用品が下落した。
ナスダック総合株価指数も反発し、同36.259ポイント高の4859.161で終えた。
バイオ医薬品のメディベーション(MDVN)は仏製薬大手のサノフィなど複数企業と身売り交渉を行っていることが明らかとなり、買われた。英投資会社への身売りを発表した住宅設備のノルテックが急騰した。製薬のメルクやホームセンターのホーム・デポ、ネットワーク機器のシスコシステムズも上昇。金先物相場の上げを受けて、収益の改善期待からニューモント・マイニングなど金鉱株が軒並み買われた。
一方で、航空大手のアメリカン航空(AAL)やユナイテッド・コンチネンタル(UAL)はクレディスイスによる投資判断引き下げを受け、下落。ドラッグストアのウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)は決算内容が嫌気され、軟調推移となった。化学のデュポンやクレジットカードのビザも安い。
NYダウ工業株30種(ドル)
17,918.62 +78.00
S&P500種
2,099.73 +11.18
ナスダック
4,859.161 +36.259
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅続落した。9月物の終値は前日比75円安の1万5370円で終え、大阪取引所の終値を90円上回った。英国の欧州連合(EU)離脱に伴う投資家不安を背景にやや円高が進み、相場を下押した。
しかし原油高や6月の米ISM非製造業景況感指数の改善を受けて米株式相場が反発し、日経平均先物の下げ幅は限られた。この日の9月物安値は1万5090円、高値は1万5465円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
15370 ( +90 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
15445 ( +165 )
( )は大阪取引所終値比
【06日の欧州株式市場】
イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6463.59(-81.78)
ロンドン株式相場は反落。FTSE100種総合株価指数は前日終値に比べ81.78ポイント安の6463.59で引けた。構成銘柄の約8割が下落した。英国の欧州連合(EU)離脱決定に伴う欧州景気の先行き懸念が改めて意識され、投資家がリスクを取りにくくなるとの見方から欧州の主要株式相場が下落した。
ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 9373.26(-159.35)
フランクフルト株式相場は続落。ドイツ株式指数(DAX)の終値は前日比159.35ポイント(1.67%)安の9373.26だった。
欧州経済の先行き懸念を背景に欧州各国の株式市場が下落した。
フランス・パリ株価指数
CAC40 4085.30(-78.12)