
【前引け概況】
30日午前の日経平均株価は4日続伸した。前引けは前日比127円98銭高の1万5694円81銭だった。
前日の欧米株市場が総じて高かったこともあって、英国のEU離脱問題に対する投資家の不安心理改善が進み、引き続きリスクを取る動きが強い。朝方に日経平均の上げ幅は200円を超える場面もあり、日本株の買い戻しが続いた。
ただ、買い一巡後は戻り売り圧力も顕在化し、為替が取引時間中に円高含みで推移したこともあって、後半は伸び悩んだ。
英国の欧州連合(EU)離脱に伴う投資家の不安心理が世界的に後退している。29日の米国市場では投資家心理を図る目安である恐怖指数と呼ばれるVIX指数は急落し、6月9日以来およそ3週間ぶりの水準まで下げた。日経平均株価の今後の値動きの大きさを予測する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は30日に、約3週間ぶりの低水準まで下げる場面があった。
JPX日経インデックス400、東証株価指数(TOPIX)はそれぞれ続伸した。
前引けの東証1部の売買代金は概算で9174億円、売買高は9億872万株。東証1部の値上がり銘柄数は全体の約63%にあたる1240、値下がりは586、変わらずは139だった。

個別では、主力のトヨタや三菱UFJが上昇した。原油先物相場の上昇により収益が改善するとの期待から国際石開帝石が上昇した。自動運転技術の開発でNTTドコモと提携すると伝わったディーエヌエが高い。
ブイ・テクノロジーも反発、ファナック、東京エレクトロンなども高い。売られたあと戻りが鈍かった証券株も野村ホールディングスはじめ総じて高い。
一方、前日まで株価水準を大きく切り上げていたエーザイなどの医薬品株やDCMが売りに押された。
東証2部指数は4日続伸した。前引けの2部指数は、前日比44.58ポイント高の4150.89となった。
個別銘柄ではくろがねやがストップ高。象印、インターアク、ピクセラ、明治機、ベネ・ワンが買われた。半面、ラオックス、ウインテスト、マルコ、セントラル総が売られた。
【市況】日経ジャスダック平均続伸、投資家心理、急速な改善

日経ジャスダック平均株価は4日続伸した。
前引けは前日に比べ21円40銭高い2437円72銭だった。前週末に英国が欧州連合(EU)離脱を決定したが、足元の欧米株式相場が戻り歩調を強め、国内でも東証1部の主力株の全面高が続く中、新興市場でも投資家心理の急速な改善を映した買いが続いた。
ジャスダック市場の売買代金は概算で243億円、売買高は7040万株だった。
個別銘柄ではフジタコーポがストップ高。シダー、アクサスHD、ぱど、チエル、レイ、日本アイエスケイが上昇した。半面、ソフトフロント、T&Cメディカル、プラザクリエ、北川精機、SEHIが下落した。
【市況】東証マザーズ指数は続伸、ALBERTがストップ高

東証マザーズは前日比33.15ポイント高の1018.79と4日続伸した。
取引時間中として24日以来の1000台回復となった。個別銘柄ではALBERTがストップ高。そーせいや農業総研が大幅に上昇し、sMedio、キャリア、インベスターズC、エクストリーム、ジェネパも買われた。開発中の新薬の治験成果が好感されたヘリオスも上げた。
一方、アキュセラやHamee、INSPEC、グローバルウェイ、ストライク、GMOテックは下落。21日に新規上場したストライクは、29日発表の2015年9月~16年5月期決算が想定通りとの受け止めから利益確定の売りに押された。