【オープニングコメント】
30日の東京株式市場は底堅い展開か。
欧米株の上昇を受けて買いが先行するとみられ、戻りを試す場面もありそう。
日経平均株価の予想レンジは、1万5500円-1万5800円を想定する
日経平均はきょう上昇となれば4連騰で、今年の傾向を踏まえるとそろそろ上げ疲れを警戒しておく局面でもある。
為替相場は、ドル・円が1ドル=102円台の後半と円安に振れている。輸出関連株を中心に買い戻しの動きが強まるとみられる。ただ、材料難から積極的に上値を追う動きは乏しいとみられ、模様眺め気分が広がる可能性もある。
主要外国証券経由の注文動向は、売り1320万株、買い1420万株で、差し引き100万株の買い越し。買い越しは2営業日連続。金額は売り越し。売りセクターに、機械、情報通信、化学、小売、電機、電力、ガス、銀行、通信など。買いセクターに、化学、食品、電機、自動車、小売など。
【好材料銘柄】
■グリー <3632>
サイゲームスが開発・運営する登録者数1000万人突破の超大作RPG「グランブルーファンタジー」のGREE版を7月12日から配信開始。配信に先駆けて6月29日から事前登録を始める。
■ドーン <2303>
前期経常を55%上方修正。
■フジタコーポレーション <3370>
16年3月期に債務超過を解消したことで、上場廃止に係る猶予期間入り銘柄から解除された。
■スパークス・グループ <8739>
発行済み株式数(自社株を除く)の0.59%にあたる120万株(金額で2億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は7月1日から7月29日まで。
■アクロディア <3823> [東証M]
TSUTAYAオンラインゲーム向けにソーシャルゲーム「サッカー日本代表 2018 ヒーローズ」の配信を開始。
■キャンバス <4575> [東証M]
静岡県産業振興財団と「IDO/TDO阻害剤候補化合物」の共同研究契約を締結。がん細胞に発現する酵素の働きを阻害する「IDO/TDO阻害剤」の最適化および評価を実施し、新たな免疫系抗がん剤候補化合物の創出を目指す。
【予定】
30(木)
【国内】
5月鉱工業生産(8:50)
5月住宅着工件数(14:00)
《決算発表》
ダイセキ環境ソリューション、トライステージ、ソーバル、シベール、きょくとう、夢の街創造委員会、アダストリア、テクノアルファ、スター・マイカ、クスリのアオキ、クラウディア、パイプドHD、USEN、キャリアリンク、スギホールディングス、スター精密、ダイセキ、ニトリホールディングス、アルテック
【海外】
6月ユーロ圏消費者物価指数速報値
6月独失業率
米6月シカゴ購買部協会景気指数(22:45)
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
NYダウ続伸し284ドル高 投資家心理の改善が進む。英EU離脱後の下げの半分超を戻す

【NY概況】
29日のNYダウ平均は大幅に続伸した。終値は前日比284ドル96セント高の1万7694ドル68セントだった。英国の欧州連合(EU)離脱決定に伴う市場心理の悪化が一服。
アジア・欧州株が全面高となった流れを受けて米国株も続伸した。エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計が前週から減少し、原油相場が上昇したことも好感され、終日堅調推移となった
ダウ平均は3月1日以来およそ4カ月ぶりの大きさとなる上げ幅を連日で記録した。この2日間の上昇幅は554ドルに達し、英EU離脱決定後の下げ幅(870ドル)の半分以上を取り戻した。
23日に行われた英国民投票の結果が明らかになる前の水準を回復。英EU離脱決定に伴う金融・資本市場の混乱は収束に向かうとの期待から、米市場ではJPモルガン・チェースなどの金融株に買いが入り、相場をけん引した。
NY原油先物相場は大きく上昇し、一時1バレル50ドルを付けた。原油価格の戻りで業績への好影響が期待されるシェブロンやエクソンモービルなどのエネルギー関連株に買いが膨らんだのも米株式相場を押し上げた。
セクター別では全面高となり、耐久消費財・アパレルや銀行の上昇が目立った。
ナスダック総合株価指数も続伸し、前日比87.378ポイント高の4779.245で終えた。
個別ではゼネラル・エレクトリック(GE)が高い。米金融安定監視評議会(FSOC)が同社の金融部門を厳しい資本規制の対象外にすると発表し、株主還元などの強化につながるとの思惑から買われた。
種子メーカーのモンサント(MON)の決算は低調となったものの、ドイツの化学大手バイエルを含む複数企業との協議を行っていることが明らかとなり、上昇した。
米ファンドへの身売りを発表したリゾート運営のダイヤモンド・リゾーツ・インターナショナルが急伸したほか、ダウ平均を構成する30銘柄のほぼ全てが上昇した。
一方で、カナダ大手銀のカナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)が安い。取引開始前に米銀持ち株会社プライベートバンコープの買収を発表し、費用負担を警戒した売りが優勢となった。ダウ平均の構成銘柄ではホームセンターのホーム・デポだけが下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
17,694.68 +284.96
S&P500種
2,070.77 +34.68
ナスダック
4,779.245 +87.378
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続伸した。9月物は前日比185円高の1万5740円で取引を終えた。29日の大取終値を170円上回った。
英国の欧州連合(EU)離脱決定に伴う投資家心理の悪化がひとまず一服。前日に続き米国株が上昇し、日本株先物にも買いが入った。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
15740 ( +170 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
15810 ( +240 )
( )は大阪取引所終値比
【29日の欧州株式市場】
イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6360.06(+219.67)
ロンドン株式相場は続伸。FTSE100種総合株価指数は前日終値に比べ219.67ポイント(3.58%)高の6360.06で引けた。欧州連合(EU)離脱を巡る英国民投票が行われた23日の終値を上回り、4月21日以来の高値となった。
ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 9612.27(+164.99)
フランクフルト株式相場は続伸。ドイツ株式指数(DAX)の終値は前日比164.99ポイント(1.75%)高の9612.27だった。電力のRWEとエーオンを中心に大半の構成銘柄が上昇した。ドイツテレコムと化学のBASF、アディダスも買われた。半面、コメルツ銀行とタイヤのコンチネンタルは売りに押された
フランス・パリ株価指数
CAC40 4195.32(+106.47)