[10時の概況]
29日10時現在の日経平均株価は前日比82円72銭高の1万5405.86円で推移している。
日経平均は反発で取引を開始した。前日比200円高の1万5523円で始まったが、買いの勢いは続かなかった。
前日の海外市場で欧米株式相場が反発したうえ円が幅広い通貨に対して売られ、投資家の運用リスク回避が一巡したとの見方からこれまで売り込まれていたトヨタやマツダなど輸出関連株買い戻された。三菱UFJなど金融株も買われ、指数を押し上げている。
半面、外国為替市場での円相場の下げ渋りなどを受け上値では戻り待ちの売りも出ている。
大型株を中心とした買戻しが先行しているとの観測から商いは盛り上がらない可能性はあり、日経平均はやや上値が重い。
29日午前に首相官邸で開いた金融市場の安定に向けた政府・日銀の緊急会合で安倍晋三首相が「あらゆる政策を総動員していく決意だ」と語り、景気を下支えする政策対応への期待が投資家心理の支えになっている。一方、英国のEU離脱決定が世界経済の先行きに与える影響が不確実で、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが一段と遅れるとの観測も強まるなど先行きへの警戒感は根強い。
JPX日経インデックス400も伸び悩んでいる。東証株価指数(TOPIX)も上値が重くなっている。規模別では「コア30」など大型株が高い。
業種別TOPIXでは33業種中27業種が上昇し、「鉄鋼業」「保険業」「その他金融業」の上昇が目立つ一方、「小売業」や「石油石炭製品」が下げている。
10時現在の東証1部の売買代金は概算で6207億円、売買高は6億3527万株。値上がり銘柄数は1322、値下がりは499、変わらずは135。
日経平均プラス寄与度トップはファナックで、日経平均を11.37円押し上げている。次いで東エレクが9.22円、ソフトバンクが5.06円、ソニーが4.84円と続く。
マイナス寄与度は3.29円の押し下げでセブン&アイがトップ。以下、ヤマハが3.22円、TOTOが1.86円、セコムが1.84円と続いている。
個別では、トヨタやマツダなど自動車株が引き続き高く、三菱UFJやみずほFGなど銀行株もそろって上昇している。中期経営方針に関する説明会を開いているソニーが高く、日立、東エレクも買われている。NTTやKDDIなど通信株も高い。
半面、Vテクが急落し、JTやセブン&アイが安い。創業家が前日の株主総会で取締役再任に反対した出光興産が引き続き安く、合併を予定している昭和シェルも下げている。
信越化学、キヤノン、日産自がさえない。
東証2部株価指数も続伸。マルコ、朝日インテク、ラオックスが高い。半面、象印、ウインテスト、アイレップが安い。
マザーズ指数も上げ幅を縮小しており、前日比2%台で推移している。
225先物はソジェン・みすほ・三菱・マネ・モルスタ・ドイツ・アムロが買い越し。
JP・クレディ・東海・野村・GS・大和・メリルが売り越し。
TOPIX先物はソジェン・三菱・ドイツ・みずほ・バークレイズ・JP・クレディが買い越し。
モルスタ・パリバ・GS・日興が売り越し。
外資系等はディップ(2379)に注目。
テクニカル的には雪印メグ(2270)、くらコーポ(2695)、永谷園(2899)、ケンコー(2915)、ホギメディ(3593)、大日住薬(4506)、大正薬(4581)、リックス(7525)、スノー(7816)、パラマウント(7817)、しまむら(8227)、中京銀(8530)、森乳(2264)、キューピー(2809)、サイバー(4751)、ソフトブ(4779)、ライオン(4912)、リロ(8876)、東祥(8920)が動兆。