【オープニングコメント】
あす(28日)の東京株式市場は、きょうの自律反発による大幅上昇を経て、当面の落ち着きどころを模索する売り買い拮抗の小動きが予想される。
日経平均株価予想レンジは、1万5000円~1万5500円を想定する。
ひとまずリスク回避の動きにブレーキが掛かった。前週末に“下げ過ぎた”との思いが根強かったうえに、政府・日銀がこの日に緊急会合を開き、政策への期待も心理的な支えとなった。
ただし、英国のEU離脱に伴う同国情勢や欧州経済などの先行き不透明感は強い。市場では、「影響を見極めるまでは数週間、最悪で数カ月の期間を要し、依然として乱高下の可能性がある」(銀行系証券)との見方が出ている。
【個別材料銘柄】
■ハイデイ日高[7611]
17年2月期第1四半期決算を発表。営業利益は前年同期比3.9%増の12億6300万円、純利益は同13.1%増の8億600万円だった。米や野菜の購入コストは上昇したが、電気代、ガス代の節約で利益が押し上げられた。通期計画に対する第1四半期時点の進捗率は営業利益27%、純利益28%。見通しは据え置く。
27日終値は2495円(△85)。
■リンクアンドモチベーション[2170]
自社株買いを発表。発行済み株数の2.22%にあたる240万株、5億円を上限に取得する。買い付け期間は7月1日~29日まで。
27日終値は181円(△2)。
■日本車輌製造[7102]
新幹線車輌の受注を発表。JR東海から「N700A」を計224両受注した。受注額は非公表。納期は今後4年間で、各車輌の引渡し時期に応じて売上高に計上する。
27日終値は258円(△3)。
【予定】
■28(火)
【国内】
2年国債入札
《決算発表》
パレモ、ピックルスコーポレーション、DCMホールディングス、銚子丸、J.フロント リテイリング、ハピネス・アンド・ディ、日本オラクル、ライトオン、ヒマラヤ、NaITO、象印マホービン、さが美、平和堂、くろがねや、セキチュー
【海外】
EU首脳会議(~6/29)
米1-3月期GDP確定値(21:30)
米4月S&Pケース・シラー住宅価格指数(22:00)
米6月消費者信頼感指数(23:00)
米6月リッチモンド連銀製造業指数(23:00)
《米決算発表》
ナイキ
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
NYダウは260ドル安、英国のEU離脱による動揺続

【NY概況】
27日のNYダウ工業株30種平均は前週末比260ドル51セント安の1万7140ドル24セントと3月10日以来、約3カ月半ぶりの安値で終えた。
23日の英国民投票で欧州連合(EU)離脱が決まったのを受け、欧州経済の先行き不透明感や金融市場の混乱を嫌気した売りが続いた。
ダウ平均は337ドル安まで下げ幅を広げる場面があった。
英銀大手株の急落が続いたうえ、主要国の金利が低下し、米金融株の売りが目立った。素材関連も売られた。外国為替市場で英ポンドやユーロに対するドル高が進み、ドル建てで取引される商品先物相場の割高感につながった。
S&P500種株価指数は36.87ポイント安い2000.54と、3月10日以来の安値で終えた。
ナスダック総合株価指数は同113.536ポイント安の4594.443と2月29日以来、ほぼ4カ月ぶりの安値で終えた。
セクター別では、公益事業や電気通信サービスが上昇する一方で銀行や自動車・自動車部品が下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
17,140.24 -260.51
S&P500種
2,000.54 -36.87
ナスダック
4,594.443 -113.536
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物(円建て)はは小反発した。9月物は前週末比40円高の1万5160円で取引を終えた。27日の大阪取引所の終値は200円下回った。
23日の国民投票で英国の欧州連合(EU)離脱が決まり前週末に急落した反動からやや買い戻しが入った。ただ、世界景気の先行き警戒感が強いなか円高や米株安が進んで、上げ幅は限られた。9月物の高値は1万5380円、安値は1万4975円だった。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
15160 ( -200 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
15250 ( -110 )
( )は大阪取引所終値比