
【前引け概況】
27日午前の日経平均株価は反発した。
午前の終値は前週末比207円22銭高の1万5159円24銭だった。前週末の暴落の反動で買い戻しの動きが強まり、反発に転じた。
27日朝、政府と日銀が緊急会合を開き金融市場の安定へ流動性確保などを確認した。機動的な政策対応への期待が日本株への買いを誘った。
緊急会合に出席した安倍晋三首相は日銀と連携して金融市場の動きを注視するよう指示した。株式相場の戻りの買いは、医薬品や通信、食料品に向かった。
24日の国民投票で決まった英国の欧州連合(EU)離脱は、世界経済の成長鈍化につながるとの懸念は根強い。投資家心理の改善が急速に進んだわけではなく、27日の東京市場では三菱UFJや野村など金融株は下落した。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も反発した。
午前の取引終了時点の東証1部の売買代金は概算1兆1108億円、売買高は11億0832万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1471と全体の約75%を占めた。値下がりは403、変わらずは90銘柄だった。

個別では、2016年12月期に200億円超の特別利益を計上する見込みと発表したキリンHDが大幅高となった。味の素も大きく上昇した。アステラスと小野薬、武田薬品工業、花王が上がり、NTTとKDDIの上げも目立った。ファナックがしっかり、キーエンスが値を飛ばしたほか、ソフトブレーンが商いを膨らませ急伸、大陽日酸、日新電機も物色人気となった。ブイ・テクノロジーはストップ高に買われた。
一方、円高進行や英国の欧州連合(EU)離脱による欧州販売の影響が懸念された自動車のマツダは大幅に下落し、トヨタ自動車も売りに押された。欧州に事業展開する富士通と日立が下げた。アルプス電気、ミネベアも下値模索が続いている。川崎重工業が売られ、野村ホールディングス、新日鉄住金も安い。
東証2部株価指数は反発した。前引けの2部指数は、前週末比39.99ポイント高の4057.61となった。
個別銘柄ではウインテストがストップ高。ピクセラ、ランドコンピュータ、C&R社、ぷらっ、象印、アートSHDが買われた。半面、リテールパートナーズ、日本精機、ラオックスと朝日インテクが下げた。
【市況】日経ジャスダック平均反発、ソフトフロントなどがストップ高

日経ジャスダック平均株価は反発した。
前引けは前週末に比べ40円98銭高い2379円94銭となった。先週末24日に英国の欧州連合(EU)離脱決定を受けて大幅安となった反動で、JASDAQ―TOP20を構成する主力銘柄を中心に自律反発狙いの買いが集まった。
ジャスダック市場の売買代金は概算で208億円、売買高は4850万株。
個別銘柄ではソフトフロント、Eストアー、平田機工がストップ高。アクサスHD、アイレックス、EAJ、FVC、マクドナルドが上昇した。半面、福山コンサルやSEED、SOLHDが下落した。
【市況】東証マザーズ指数は反発、メドレックなどがストップ高

東証マザーズ指数も反発した。前引けは前週末比47.81ポイント高い938.48だった。そーせい、サイバダインなど時価総額の大きい銘柄が軒並み値上がりした。
個別銘柄ではネットイヤー、メドレック、フリークアウト、INSPECがストップ高。農業総研は一時ストップ高と値を飛ばし、エニグモ、アライドアーキ、Hamee、メディアSなどが買われた。
半面、AWSHD、グローバルウェイ、バーチャレクス・コンサルティング、フルッタフルッタは値下がり率上位に売られた。
直近新規株式公開(IPO)銘柄のAWSHDやストライクは下げた。