
【前引け概況】
24日午前の日経平均株価は急反落した。前引けは前日比495円95銭安の1万5742円40銭だった。英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票を巡って、開票が進むにつれて離脱派が優位となったため、投機筋の売りが一気に強まった。
値動きの荒い展開だった。英国民投票で残留派が優勢との直近の世論調査を受けて23日の欧米の株式相場が上昇していたため、東京株式市場でも朝方は買いが先行した。日経平均は一時150円高となる場面があった。
ところが10時前から一転して売り優勢となり急落。英国のEU離脱の是非を問う国民投票の開票で、予想以上に“離脱支持”が票を伸ばしていると報じられたのを手掛かり材料に、短期筋の売り期掛けで10分弱のあいだに500円幅を超える急落となった。
円相場は前引け終了後に1ドル=99円台まで円高・ドル安が進んで、日経平均先物を一段と押し下げている。中心限月の9月物は一時1万5010円と、前日の清算値に比べ1160円安い水準まで下落した。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も大幅に反落した。
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆3446億円、売買高は15億546万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1854と全体の95%に迫り全面安となった。値上がりはわずか75、変わらずは32銘柄だった。

個別銘柄では、円高を嫌気して主力の輸出関連株を中心に売りが膨らみ、トヨタや日産自が大幅に下落した。DMG森精機やマツダなど欧州関連株の下げもきつい。ソニー、東芝パナソニック、シャープも大きく下げた。第一生命保険、アルプス電気、ファナック、エイチーム、JVCケンウッドなどが軒並み売られている。
一方で宇部興が逆行高となった。キユーピーやアサツーDK、ユーシン精機、大同メタル工業も上げた。
東証2部株価指数は反落した。前引けの2部指数は、前日比55.04ポイント安の4136.44となった。
個別銘柄ではアートSHD、サイオス、マルコ、ぷらっとが下げ、ウインテストやアイレップ、旭コンクリ、カンロが上げた。
【市況】日経ジャスダック平均反落、離脱支持が伝わり

日経ジャスダック平均株価は反落した。前引けは前日比25円28銭安い2413円35銭となった。
英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票の開票速報が断続的に伝わり、離脱支持派が残留派を上回っていると伝わった。外国為替市場で円高が進み大型株の下げが大きくなるとの見方から投資家心理が悪化し、新興市場でも売りが優勢となった。
ジャスダック市場の売買代金は概算で306億円、売買高は6663万株。
個別銘柄ではソフトフロント、FVC、マクドナルド、アクサスHD、アジアゲートHD、オールアバウト、ハビックスが下落した。半面、DACや石井工研、トリケミカル、テイン、石井工研、ワイエスフード、フロイント、日特エンジは上昇した。
【市況】東証マザーズ指数反落、国民投票の開票速報で投資家心理が悪化

東証マザーズ指数は反落した。前引けは前日比40.92ポイント安い932.82だった。個別銘柄ではバーチャレクス・コンサルティング、ジェイリース、そーせい、ブランジスタ、グリンペプ、CRIミドルが下落した。一方で、アキュセラや農業総研、AWSHD、INSPEC、UMNは上昇した。