【オープニングコメント】
24日の東京株式市場は、英国のEU(欧州連合)残留期待が高まり欧米株式が上昇した動きから、買い先行のスタートとなりそう。
シカゴ日経平均先物は、円建て清算値1万6495円(大取所比325円高)で、同清算値にサヤ寄せする動きとなろう。
日経平均株価の予想レンジは、1万6000円-1万6700円
英国の国民投票の結果は、早ければ日本時間の午前中にも大勢が判明する見込みで、買い一巡後は、英国の投票結果をめぐる報道に神経質な動きをみせる可能性もありそう。
重要なのは最終結果で、フライング気味に残留濃厚で動いている分、結局離脱であったという場合には、一気にはしごを外される展開もある点には警戒が必要と考える
為替相場は、ドル・円が1ドル=106円台の半ばと大幅な円安となっている。為替水準の大幅な修正を受け、輸出関連株には買い戻しの動きが強まりそうだ。
主要外国証券経由の注文動向は、「5社ベースで、売り320万株、買い550万株で、差し引き230万株の買い越し。買い越しは2営業日連続。金額も買い越し。
売りセクターに、通信、サービス、REIT、情報通信、自動車、小売、薬品など。買いセクターに、不動産、電機、食品、機械、その他金融、化学、卸売など。
【好材料銘柄】
■イマジカ・ロボットホールディングス <6879>
ピクセラ <6731> [東証2]と共同でサッカーの試合でパノラマVRライブ配信の実証実験を行う。視聴者はスマホ画面上のカメラを切り替えることで、好きな方向からの360度パノラマVRを楽しむことができる。
■エフ・ジェー・ネクスト <8935>
発行済み株式数(自社株を除く)の2.94%にあたる100万株(金額で5億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は6月24日から12月30日まで。
■メンバーズ <2130> [東証2]
中国テンセントのDSP(広告配信システム)パートナーであるiClick Interactive Asiaの国内初の戦略的パートナーとしてサービス提供を開始。中国最大のモバイル広告配信システムを活用した訪日中国人向け広告出稿サービスを開発。
■アジアゲートホールディング <1783>
岩手ホテルアンドリゾートの全株式を海外投資家と共同で取得。東北屈指のリゾート地である岩手県安比エリアで高いブランド力のあるスキー場、ホテル、ゴルフ場を運営する。
【予定】
24(金)
5月企業向けサービス価格指数(8:50)
6月15・16日開催の日銀金融政策決定会合「主な意見」
《決算発表》
ダイユーエイト、瑞光、ジーンズメイト、高島屋、パルコ
【海外】
英国民投票結果発表
独6月Ifo景況感指数(17:00)
米5月耐久財受注(21:30)
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
【市況】NYダウは230ドル高、英国民投票に楽観ムード広がる

【NY概況】
23日の米株式相場は大幅に反発した。NYダウ平均は前日比230ドル24セント高の1万8011ドル07セントと、4月27日以来ほぼ2カ月ぶりの高値で終えた。上げ幅は3月1日以来の大きさだった。
英国民投票で欧州連合(EU)残留に楽観的な見方が広がり、欧州株が全面高となった流れを受け、買いが先行。週間新規失業保険申請件数が予想より減少したほか、原油相場の上昇が好感された。
朝方にEU残留支持が優勢との世論調査の結果が伝わった。世界景気への懸念や金融システム不安がやや後退した。ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースといった金融株に買いが膨らんだ。
また、原油先物相場が1バレル50ドルを上回って取引を終えた。石油のシェブロンやエクソンモービルなどエネルギー関連株の上昇も目立った。
新規株式公開(IPO)したソフト開発会社トゥイリオが、公開価格を大幅に上回って終えた。ベンチャー企業への旺盛な投資意欲が確認され、心理が改善した面もあった。
ナスダック総合株価指数も大きく反発し、前日比76.722ポイント高の4910.041となった。
セクター別では全面高となり、銀行や半導体・半導体製造装置の上昇が目立った。
建機のキャタピラーやクレジットカードのビザ、半導体のインテルなどが上昇。最高経営責任者(CEO)の退任後の人事計画を発表した百貨店のメーシーズも上げた。大手行のバンク・オブ・アメリカ(BAC)は顧客の口座保護に関する規制違反の疑いで当局と和解交渉を進めていると報じられ、上昇した。
一方、スポーツ用品のナイキが小幅安で終えた。前日に大きく下げた電気自動車(EV)メーカーのテスラ・モーターズに売りが続いた。コンサルティングのアクセンチュアは慎重な収益見通しを嫌気し売られた。
NYダウ工業株30種(ドル)
18,011.07 +230.24
S&P500種
2,113.32 +27.87
ナスダック
4,910.041 +76.722
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は大幅反発した。9月物終値は前日比565円高の1万6495円。23日の大取終値を325円上回った。この日は英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票が実施され、残留が優勢との見方が強まった。リスク資産とされる米国株が買われ、日経平均先物もつれ高となった。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
16495 ( +325 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
16590 ( +420 )
( )は大阪取引所終値比
【23日の欧州株式市場】
イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6338.10(+76.91)
ロンドン株式相場は5営業日続伸。FTSE100種総合株価指数は前日終値に比べ76.91ポイント高の6338.10と4月21日以来約2カ月ぶりの高値で引けた。構成銘柄の約9割が上昇した。
欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う英国民投票が行われるなか、EU残留派が多数を占めるとの期待が高まり、金融株を中心に幅広い銘柄が買われた。
ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10257.03(+185.97)
フランクフルト株式相場は5営業日続伸。ドイツ株式指数(DAX)の終値は前日比185.97ポイント(1.85%)高の10257.03と約2週間ぶりの高値だった。
コメルツ銀行やドイツ銀行、保険のアリアンツなど金融関連株がけん引し、ほぼすべての銘柄が上昇した。
フランス・パリ株価指数
CAC40 4465.90(+85.87)