<兜町カタリスト>
「間違いの喜劇」
NYダウは48ドル安の17780ドルと反落。
3市場の売買高も62億株と薄商い。
5月の中古住宅販売が9年3カ月ぶりの高水準で着地。
S&P500は一時2100ポイントに迫る場面もあった。
しかしさすがに英国のEU離脱国民投票を控えて様子見モード。
TNSの調査では離脱支持が43%で残留を2ポイント上回った。
調査は成人2320人。
オピニウムのオンライン調査結果は離脱が45%、残留が44%。
調査対象は3011人。
この程度の母数の調査への信頼感があるかどうかは微妙。
オッズチェッカーが各社の賭け率から算出した指数によれば、EU離脱の確率は約25%だという。
「市場は今のところ、英国のEU離脱という臆測に縛られている。
投票に伴い、幾らか微妙なポジション調整があるとは思うが、
特に劇的なものにはならないだろう」という声も聞かれる。
あるいは「企業業績は上方修正され、石油価格は安定化し、小売売上高は堅調だ。
予測できないイベントが終了すれば、人々は米株式市場に資金を投入するだろう」という楽観論もある。
本家本元のロンドン株は4日続伸。
イエレン議長の議会証言はほとんど材料視されなかったが本筋はこちらだろう。
4日ぶりの反落とはいえ16000円台をキープした昨日の日経平均株価。
反落は英国懸念と言うよりは前日までの3連騰での733円上昇への反動だろう。
興味深いのは、裁定買い残の減少の凄さ。
前週比3281億円減少し1兆351億円。
2012年6月22日以来だから裁定買い残的にはアベノミクス以前に故郷帰りしたことになる。
前々週は4799億円の減少だったから2週間で約9000億円減少。
メジャーSQを挟んだとはいえ5月末の1兆9179億円から一気に減少した。
逃げ足の速いマネーとはいえ、いくらなんでも減りすぎ。
これでは英国のEU離脱となっても売り玉はなかろう。
最近の現物先物の逆ザヤは、6~8月の配当落ち分だけでなく、この解消売りの影響も結構大きいだろう。
一方でオプションを見れば時価より上の買い物ばかり。
そのうち裁定買い残の積み増しが来ると読んだ方が良いだろう。
日経1面には「英離脱リスク市場備え」の見出し。
備え過ぎに文句はないが、過度な悲観はいつか楽観に変化することもある。
心情は「ハムレット」。
「真夏の夜の夢」は避けたいところ。
しかし「じゃじゃ馬ならし」で「終わりよければすべて良し」となって欲しいもの。
「間違いの喜劇」と言う思考法もあろうか。
結論は早くて明日の11時、遅くて14時。
もつれれば16時とも言われるが・・・。
日経平均の25日線は16470円でマイナス2.46%かい離。
75日線は16612円でマイナス3.29%かい離。
200日線は17757円でマイナス8.50%かい離。
過去を振り返れば6月16日15393円を付けた日。
ボリンジャーのマイナス3σ15411円でタッチ。
1σ=68.3%の確率、2σ=95.5%の確率、3σ=99.7%の確率というのが通説。
マイナス4σはないから完全に底打ちだったと振り返られる。
ストキャスは6.39、RSIは26.52だった。
昨日のMACDは下にいてそろそろシグナルがMACDを上抜いてゴールデンクロスの気配。
一目均衡の雲は24日に白くねじれ。
勝手雲は来週下限15926円、上限16354円となる。
◇━━━ カタリスト ━━━◇
イー・ガーディアン(6050)・・動兆
イー・ガーディアンに注目する。
同社はSNS等の目視監視や運用支援が主力。
スマホゲーム問い合わせ代行が拡大基調。
ネットセ休リティ関連の中核。
業績は堅調。
6月30日を基準日として1株を2株に分割予定。
(兜町カタリスト櫻井)