<兜町カタリスト>
「場況」
まずは先週金曜の朝。
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NYダウは92ドル高の17733ドルと6日ぶりに反発。
S&P500は2月以来に連続下落記録が止まった。
「英国のEU離脱をめぐる見方に変化が起きていることが背景」との解釈。
英国でEU残留支持派の女性議員が銃撃されたことからやや上昇幅を縮小。
今後の影響を見極める動きとなった。
リスク回避・安全資産への逃避行動は依然続いており、10年債利回りは一時1.52%まで低下。
12年8月以来の低水準を付ける場面があった。
第1四半期の経常収支は9.9%増の1246.7億ドルの赤字で着地。
約7年ぶりの高水準となった。
いずれ中国との摩擦増加材料になるとすれば視点の変化の先駆けと考えられようか。
FOMCと日銀金融政策決定会合の初夏の共演。
NYは踊らず東京は阿波踊りのように「踊るというよりは見る間に」下落。
「北海道での震度6弱の地震も投資家心理を冷した」との声もある。
日経平均、TOPIXともに4月8日の安値を割り込み2月15日以来4ヶ月ぶりの安値水準となった。
メジャーSQ以降、6月SQ値(16639円)を終値で上回ることは1回もない。
日経平均の25日線からのかい離はマイナス6.8%。
PERは12.90倍と13倍台割れ。
騰落レシオは81.14まで低下した。
空売り比率はまた44%台まで上昇。
日経VIも35まで上昇。
一方で6月10日時点の裁定買い残は前週比4799億円減少し1兆3633億円 と記録的低水準。
メジャーSQを通過した影響もあろうが、日本株やる気なしの証拠ともなった。
とはいえシカゴ225先物終値は大証比195円高の15565円と反発。
行き過ぎもまた相場であったという週末になって欲しいところ。
月曜。
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NYダウは57ドル安の17675ドルと反落。
アップルの下落が響いたとの解釈。
メジャーSQということもあり3市場の売買高は90億株超まで増加した。
週間では主要3指数ともに1%超の下落。
特にヘルスケア関連の軟調が目立っている。
英国のEU離脱問題については女性議員襲撃問題を受けて残留派の支持拡大や国民投票の延期観測が浮上しており、やや材料性低下の印象。
週末の日経平均株価は一応反発した。
485円安で165円高だから前日の下落幅の3分の1戻した格好。
下げは大きく戻りは鈍い典型。
シカゴ225先物終値は15550円で方向感はない。
「週末だから買い戻した」との声も聞かれる。
英国ではタイムズ紙一面でEU支持の記事。
潮目は少し変わってきている印象。
そして月曜の大引け。
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大引けの日経平均株価は365円高の15965円と大幅続伸。
英国のEU離脱問題について、最新の世論調査で残留派が盛り返したことからリスク回避ムードが後退した。
買い戻し中心に株価指数先物先行の展開という解釈だ。
PERや25日線からのかい離が一定のレベルまで達したことからの戻りと考えた方が良いかも知れない。
つまり自立反発の色が濃い戻り。
株は滅多に一方的に売り崩されるものではないし、限界が来ればどんなに本物の悪材料があっても反発するもの。
東証1部の売買代金は1兆9074億円。
ソニー、ファーストリテ、Vテクが上昇。三菱自、スズキが下落。
(兜町カタリスト櫻井)