
【前引け概況】
20日午前の日経平均株価は大幅に続伸した。
前引けは前週末比344円10銭高の1万5943円76銭だった。
前週末の欧州株市場が総じて強い動きをみせたことで、英国EU離脱に対する警戒感が後退、外国為替市場でも円高進行が一服しており、広範囲に買い戻しが目立った。
英国EU離脱の是非を巡る国民投票を前に、世論調査では“残留支持派”が盛り返しているとの観測が強まったことが、足もとの相場の流れを変えている。
売り方のショートカバーが主導し、株価指数先物に短期筋による断続的な買いが入り、日経平均は取引時間中で14日以来の1万6000円台を付ける場面があった。
日経平均への影響度が高いファストリなどが指数を押し上げた。円相場が1ドル=104円台後半と前週末に比べやや下落したことも輸出企業の採算悪化懸念を和らげ、トヨタなど主力株はほぼ全面高となった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も大幅に続伸した。
前引けの東証1部の売買代金は概算で8516億円、売買高は8億6400万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1799と全体の約92%を占めた。値下がりは116、変わらずは42だった。
個別では、2017年3月期に製鉄所の高炉休止などで500億円のコスト削減を実施すると伝わった新日鉄住金が上昇した。英国で原発や鉄道車両事業などを展開する日立も買われた。
ソニー、ソフトバンクグループなどが買われ、為替の円高一服を追い風にトヨタ自動車も活況高。有機EL関連のブイ・テクノロジーが商いを集めて急伸となったほか、保土谷化学工業、ワイエイシイなども値を飛ばした。
一方、今期業績を下方修正したアシックスは大幅反落した。スズキはインド中銀総裁の退任見通しによるインド子会社への影響を懸念し、朝高後下げに転じた。三菱自動車が急落、ネクシィーズグループはストップ安、日立造船の下げも目立つ
東証2部株価指数は続伸した。前引けの2部指数は、前週末比54.65ポイント高の4199.29となった。個別銘柄では村上開明がストップ高。エスクローAJ、ウインテスト、ゼニス羽田、大阪工機、RVHが買われた。半面、富士通コン、神島化学工業、ニフティなど売られた。
【市況】日経ジャスダック平均続伸、英のEU離脱懸念和らぐ

日経ジャスダック平均株価は続伸した。前引けは前週末比32円03銭高い2447円28銭となった。主力株の上昇に加え、新興企業向け株式市場にも買いが広がった。
ジャスダック市場の売買代金は概算で182億円、売買高は4751万株。
個別銘柄ではソフトフロント、アスコットがストップ高。平田機工、アズジェント、BBタワー、日本ラッドなど買われた。半面、T&Cメディカル、GMOクリック、エイシアンSやアジアGHD、コスモスイニが下落した。
【市況】東証マザーズ指数は反発、バイオ株の一角などに買い

東証マザーズ指数は3営業日ぶりに大幅反発した。前引けは前週末比28.76ポイント高い979.09だった。新規株式公開(IPO)株やバイオ株の一角などに買いが向かった。
個別銘柄では農業総研、DMP、モルフォ、TOKYO BASE、ジーンテクノ、アドウェイズなど買われた。
一方で、そーせいやアトラエ、GMOテック、インフォテリ、ホープ、グローバルウェイは下落した。