<兜町カタリスト>
「市場は優秀な存在と畏怖する錯覚」
NYダウは57ドル安の17674ドルと4日続落。
過去4日でS&P500の下落率は合計2%になった。
ただ1日に1%以上下落していない日が47日連続となっていることは逆に強さを感じる。
市場はFOMCと英国のEU離脱国民投票待ちモード。
ただ、米国の今月利上げ確率はほぼゼロ%。
7月は21%、9月は40%、12月は59%。 だんだんと年後半に利上げ時期がずれてきている。
リスクオフ派の増加は債券市場に表れている。
米10年債利回りは1.6%。独10年債利回りはマイナス0.03%と初めてマイナスに転じた。
日本の10年国債利回りもマイナス0.168%となっている。
多少救いとなったのは小売売上高。
前月比0.5%増で着地し市場予想の0.3%を上回った。
また5月の輸入物価指数も前月比1.4%上昇で2012年3月以来4年2カ月ぶりの大幅なプラス。
3市場の売買高は70億株台に増加。
週末のメジャーSQを控えての動きだろう。
そう考えるとEU離脱を餌にSQをできるだけ安く通過したいという思惑に沿った相場展開に見えてくる。
主役は表面に登場した材料ではなく、市場の観測と最も遠いところにいたがるというのが市場の法則でもある。
MSCIが中国A株をグローバル新興国株指数への組み入れは行わないと発表。
これは悪材料視されるかも知れない。
10年間で4000億ドルが中国本土の株式市場に流入するという期待と見込みは外れたことになる。
脇役としては格好に映る。
1ドル=105円台、1ユーロ=119円台の円高が重石での16000円割れ。
4月12日以来2ヶ月ぶりの水準となった。
あおりを受けた格好でマザーズ指数も10%超の急落で4月7日以来の1000ポイント割れ。
三角もちあいの下限ラインを下抜けたが、商いは依然2兆円を割れ。
下値売りたたきには首の皮1枚つながった格好。
ただまだ打ち止め感は感じられずの状態。
「週初から新しい相場が始まったと考えた方がいいかも。
週初から4日目の木曜日に日銀決定会合。
そこでサプライズ弾が炸裂するということに期待したいが・・・」という声も聞かれる。
「この泥沼をいつまで引っ張れるのか」という指摘もある。
市場は優秀な存在と畏怖する錯覚は多い。
所詮複合思考が不可能な単細胞な場所というのはギリシャや中国などの問題での下落を見れば明白なところ。
市場は崇高という錯覚を捨てれば、目先の出来事に一憂する愚も見えてこようか。
シカゴ225先物の終値は15755円で安値は15640円。
昨日200日移動平均(17665円)からのかい離がマイナス10を越えた。
これを第一次限界点とみればソコソコ。
加速と見るともう少し下の可能性。
ただ25日移動平均(16640円)からのかい離はマイナス4.69%。
マイナス5%で15808円。
マイナス10%で14976円。
2月12日の水準までの覚悟があればそれこそ畏怖する必要はなかろう。
材料もテクニカルも視点をワイドにする必要があろうか。
因みにPER13倍割れ水準は15600円でしかない。
EU選挙よりも米SQ通過の方が本来は材料なのかも知れない。
自信喪失が長らく続いてきた東京市場。
特に225先物はシカゴやシンガポールの動向に揺れがちな風潮はぬぐえない。
ただ所詮、10%程度シェアのシカゴに靡くのは情けないものがある。
日経朝刊では夜間取引の比率が15%程度まで低下してきたとの報。
日中に堂々と取引するシェアが大半なのに、どうも夜と海外に気を使う傾向はどこか変。
7月19日から夜間は5時30分まで延長。
寄り付きは8時45分に前倒しされる。
となると、寄りのシンガポールは後だしジャンケンみたいなものになる可能性がある。
早朝もシカゴではなく夜間が主役になれる時間帯。
システムの改善改良にはお金がかかるが、時間の変更はほとんどノーコストみたいなもの。
もっと早く行ってくれていれば市場が自信を取り戻せる機会も早くなっていただろう。
他人に荒らされない自分の芝生はきっと心地よいものと思えてならない。
東証マザーズ指数先物も同時に上場する。
浮動株調整後の時価総額上位は以下の銘柄群(5月末)。
バイオの多さが目立っている。
そーせい(4565)シェア16.9%、サイバーダイン(7779)同12.8%、ミクシイ(2121)同7.8%、ナノキャリア(4571)同2.0%。
アンジェス(4563)同1.9%、オンコセラピー(1.8%)、モルフォ(3653)同1.6%、GNI(2160)同1.5%、アドウェイズ(2489)同1.4%、サンバイオ(4592)同1.2%。
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(兜町カタリスト櫻井)