
【前引け概況】
13日午前の日経平均株価は大幅に3日続落した。前引けは前週末比432円88銭安の1万6168円48銭だった。
英国が欧州連合(EU)を離脱するとの警戒感が強まって投資家心理が悪化した。円高進行も手伝って投資家の運用リスク回避が加速し、日経平均の下げ幅は一時500円を上回り、1万6095円89銭と5月6日以来の水準に下落する場面もあった。
事前の世論調査で離脱派が優位との観測が世界的なリスク回避の流れを加速させ、これにWTI原油価格先物の大幅下落が追い打ちをかけている。前週末の欧州株市場の下げが目立ったほか、米国株市場でもNYダウが続落、足もと外国為替市場も1ドル=106円台前半と急速に円高傾向にあり東京市場でも見切り売りを誘発した。
米南部フロリダ州で12日に起きたテロも市場心理に影を落とした。
また、国内や中国の経済指標がさえない結果だったのも重荷になった。朝方発表の4~6月期の法人企業景気予測調査では、大企業全産業の景況判断指数(BSI)が2四半期連続でマイナスだった。午前発表の中国小売売上高などは市場予想を下回った。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も大幅に3日続落した。
前引けの東証1部の売買代金は概算で8834億円、売買高は9億3279万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1868と95%強を占め、全面安だった。値上がりはわずかに56、変わらずは34銘柄だった。
個別では三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが安く、トヨタ自動車、マツダなど自動車株の下げも目立つ。東芝や日立が大きく下げた。鉱業株や鉄鋼株に売りが目立ち、新日鉄住金や国際石開帝石が大幅下落した。
アイロムグループ、ブイ・テクノロジー、ハーツユナイテッドグループなどが大幅安となったほか、SUMCO、日本エンタープライズも売り込まれた。
一方で好業績発表を好感するかたちで日東製網が急伸、同じく今期業績の増額修正評価で東京ドームも堅調。イーブックイニシアティブジャパンはストップ高に買われた。カルソニックカンセイ、花王などが上昇した。
東証2部株価指数は大幅続落した。前引けの2部指数は、前週末比61.16ポイント安の4321.31となった。
個別銘柄ではスリープロ、ぷらっとやアートSHD、インターアク、サイオスが下げた。一方、ランドコンピやRVH、イムラ封筒、テクノアソシエ、Oakが上げた。
【市況】日経ジャスダック平均反落、運用リスクを回避するムードが強まる

日経ジャスダック平均株価は7営業日ぶりに反落した。午前終値は前週末に比べ29円43銭安い2530円73銭だった。
英国における欧州連合(EU)離脱を巡る国民投票で離脱が多数派となりかねないとの警戒感から、株式市場全般に運用リスクを回避するムードが強まった。このため、新興企業株にも売りが及んだ。ジャスダック平均株価は10日に5カ月ぶりの高値を付けていたため、目先の利益を確定する売りは出やすかった。
ジャスダック市場の売買代金は概算で208億円、売買高は4239万株だった。個別銘柄では、ショーエイコーポ、アイサンテクノ、アルファクスFS、マクドナルドや日本ラッド、カルナバイオが下げた。半面、日本テレホンがストップ高。日本サード、ソフトフロント、ノジマやメディシノバ、エヌアイデイは上げた。
【市況】東証マザーズ指数反落、時価総額の大きい銘柄が下落。

東証マザーズ指数は5営業日ぶりに反落した。午前終値は前週末比42.89ポイント安い1122.66だった。
個別では、そーせいやブランジスタ、ミクシィなど時価総額の大きい銘柄が軒並み下落した。その他では、DMP、メドレック、モルフォ、シリコンスタジオ、CRIミドルが売られた。一方、Hamee、GMOテック、アカツキ、マイネット、フィンテック、モブキャスは上昇した。