
【前引け概況】
9日午前の日経平均株価は3日ぶりに反落した。前日比153円08銭安の1万6677円84銭で前場を終えた。
外国為替市場で1ドル=106円台後半にドル安・円高が進行したことを受けて輸出企業の採算悪化懸念が広がり相場を押し下げた。機械受注統計の伸び悩みも相場の重荷となった。
あすにメジャーSQを控えていることもあって積極的な買いは入りづらくなっている。
閣府が9日発表した4月の機械受注統計は、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力除く民需」の受注額(季節調整値)は、前月と比べて11%減だった。単月の減少率は2014年5月以来、1年11カ月ぶりの大きさで、QUICKの市場予想(3.7%減)も下回り、設備投資の伸び悩みが国内経済の先行きへの警戒感を強めた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も3日ぶりに反落した。
前引けの東証1部の売買代金は概算で7977億円だった。売買高は8億937万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1307と、全体の67%を占めた。値上がりは498、変わらずは152銘柄だった。
個別では、為替の円高進行を受けてトヨタ自動車、富士重工業など自動車株が安い。三菱UFJやみずほFGのメガバンクも下落した。コマツや日立建機も下落した。ソフトバンクグループ、JALも軟調だった。
一方、国際石開帝石や石油資源が上昇した。新日鉄住金や住友鉱も上げた。傘下の米原子力子会社でインドの原子力発電所の建設が前向きに進んだ東芝が売買を伴って上昇した。
大手証券の強気の投資判断を好感して日新電機が大幅高、日本エンタープライズも物色人気となった。
東証2部株価指数は小幅に3日続伸した。前引けの2部指数は、前日比4.52ポイント高の4393.61となった。個別銘柄ではOakキャピタル、象印、アイレップ、昭和HD、エスクローAJ、DITなどが上昇した。半面、朝日インテク、川本産業、ノザワ、DNA研、ぷらっと、アートSHDが下落した。
【市況】日経ジャスダック平均続伸、値動きの軽い新興株を物色

日経ジャスダック平均株価は続伸した。前引けは前日に比べ8円01銭高い2562円74銭だった。円高進行を背景に日経平均株価が軟調に推移した。
東証1部の大型株が手掛けづらくなる中、値動きの軽い新興株に買いが集まった。バイオ関連株などへの買いが目立った。
ジャスダック市場の売買代金は概算で290億円、売買高は4716万株。
個別銘柄では日本ラッド、リプロセル、T&Cメディカル、ドーン、DAC、フィスコなど買われた。半面、東京証券取引所が信用取引の規制を導入したカーディナル、五洋インテ、沢田HD、プロパティAは売られた。
【市況】東証マザーズ指数は続伸、バイオ関連株に買い

東証マザーズ指数は続伸した。前引けは前日比24.71ポイント高い1181.19だった。
個別銘柄では、エンバイオHD、ヘリオス、ジグソー、DMP、Hamee、ブランジスタやそーせい、JIG―SAWが上昇した。一方、リアルコム、コラボス、ストリーム、ドリコム、アカツキやオンコリス、ホットリンクは下落した。