<兜町カタリスト>
「夢と現実を混同しない」
NYダウは66ドル高の180056と3日続伸。
終値で4月27日以来の1万8000ドル台を回復。
S&P500は高値2120ポイントまで上昇。
昨年7月21日以来の高値で過去最高値まであと0.6%に迫った。
「ドル安傾向が一部商品関連銘柄を押し上げ、多国籍企業の収益見通しにも追い風となった」との解釈。
先物市場に織り込まれる6月の利上げ確率はゼロ。
7月の確率も18%で1週間前の53%から低下。
これが相場堅調のハーモニーのベース。
緩やかなペースでの経済成長の継続と借り入れコスト低水準の長期化という心地よい環境だ。
皮肉なことに弱い雇用統計が相場を後押しした格好になった。
S&P500はここ11営業日で8日上昇。
「現在の市場の状況では、どのような材料が投げられても相場は上昇を続けたいようだ」。
こんな指摘まで出始めた。
むしろ警戒感なのかも知れない。
しかし最高値を更新してしばらくするまではこのユーフォリアが続く可能性は高い。
ユニオン・パシフィックが5日続伸するなど鉄道セクターが上昇。
このところダウ輸送株指数も堅調だが、これは景気良好のサインと捉えて良いのだろう。
ドイツ10年債利回りは過去最低を更新しマイナス圏に近づいた。
米国債利回りは他国債よりも相当高い水準。
国債の入札も順調に推移しており、アメリカの勝ちという印象は強い。
日経朝刊でも「為替離れ進む日本株」と指摘されているが相関関係が減ってきた。
昨日は取引前の水準からドル円はやや円高トレンド。
それでも日経平均は155円上昇。
5月SQ値16845円をターゲットにして引けた。
「底流は来週の日米金融イベントを控え大きくは売り込みづらいという自信」という指摘もある。
裁定買い残は1兆8432億円、信用買い残は2兆5426億円と需給は悪くない水準。
双方合わせても4兆3800億円程度で時価総額の1%に満たない水準で悪さのしようはなかろう。
空売り比率も37%台と低下している。
25日線(16635円)も75日線(16627円)も上向きでサポート。
26週線(16936円)が近づいてきた。
ただ26週線は何度も跳ね返された鬼門。
ここを抜ければ5%以上マイナスかい離している200日線(17749円)が見えてこよう。
シカゴ225先物終値は16815円。
安値は16580円、高値16855円。
狭いレンジでの動きだったのはメジャーSQを控えているからだろう。
もっとも5月にしばらく上に幻のSQ値となった水準までの復活。
今はまだ見えていない相場の強さの傍証とも考えられよう。
来週の日米金融イベントに対する警戒感はあるもののむしろ期待感も少しは感じている局面。
商いの薄さは売り物の少なさと解釈したい。
日経では「新興企業、経常益8%増」の見出し。
底堅い内需の取り込みや独自技術の強みを収益拡大につなげる企業が多いという指摘。
実際そうだろう。
ただ新興市場銘柄や中小型株で気にかけておきたいのは「夢と現実」。
足元業績の好調に着目した銘柄の将来性というのはもちろんあろう。
しかし夢を買った筈の銘柄の業績を気にすることもある。
後者で二兎を追うと結構大変になることが多い。
むしろ「夢は夢」、「現実は現実」と割り切ることの方が必要ではなかろう。
理想は夢と現実の一致なのだが、それには時間がかかるということを忘れてはいけない。
夢先行投資は、持ち続けるか吹き値売り。
現実優先投資は、レンジ売買。
そんな投資戦略でも悪くはなかろう。
要は「この株は何を目的に買ったのか」を明確にすること。
企業に対してはこの「どこを目指している」という質問は結構される。
しかし投資家にとっても明確な目的は必要不可欠だと考える。
漠然とした投資で儲かることもあるのだろうが・・・。
興味深かったのはグーグル。
AIが暴走しないように「非常停止ボタン」を開発しているという。
人間の指示に従わなかったり、危害を加えそうになった場合にその行動を強制的に停止・変更する。
AIが非常停止ボタンを無効にしないようにするという。
あたかも自分で判断したかのように「だます」のがポイントだという。
すべてのAIを安全かつ簡単に停止できるかどうかは現状不透明とも。
かつてSFで見た世界が近づいてきた。
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投資家さんから頂戴したメール。
かなり秀逸。
↓
(1)株価は自ら創るべきで、与えられるべきではない。
(2)株価とは先手、先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
(3)夢ある株価と取組め!夢ない株価は己を小さくする。
(4)難しい株価を狙え! そして成し遂げるところに進歩がある。
(5)取組んだら放すな! 殺されても放すな! 目的を完遂するまでは。
(6)周囲を引きずり回せ! 引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地の開きができる。
(7)計画を持て! 長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
(8)自信を持て! 自信が無いから君の株価には、迫力も粘りも、そして厚みすらがない。
(9)頭は常に全回転、八方に気を配って、一部の隙もあってはならぬ!! 株価とはそのようなものだ。
(10)摩擦を怖れるな! 摩擦は進歩の母、積極の肥料だ。でないと君は卑屈未練になる。
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レンゴー(3941)・・・動兆
レンゴーに注目する。
同社は段ボール・板紙大手。
営業活動の推進で採算は改善。
製紙事業での原料価格・エネルギーコストの低下は追い風。
今3月期の連結業績は前期比40%超の増益見通し。
「通販の拡大は段ボール需要の拡大」との声もある。
信用倍率0.29倍。
(兜町カタリスト櫻井)