
【前引け概況】
8日午前の日経平均株価は反落した。午前の終値は前日比55円27銭安の1万6620円18銭だった。
前場は方向感を欠く展開だった。前日の欧米株市場が総じて堅調だったことや、WTI原油先物価格が50ドル台を回復するなど原油市況が上昇基調にあることを受け寄り付き買い優勢で始まったが、その後はマイナス圏に沈んだ。
石油関連株を中心に買いが先行したが、円相場が1ドル=106円台後半に上げ幅を広げるとトヨタやホンダなど輸出関連株が売られ相場を押し下げた。
日経平均は93円安の1万6620円まで下げ幅を広げる場面があったが、安値圏では買い戻しや値ごろ感の買いが主力株の一角に入り、前引けにかけてやや下げ渋った。
内閣府が朝方に発表した1~3月期の実質国内総生産(GDP)改定値で設備投資のマイナス幅が速報値から縮小したことなどからファナックやSMCなど設備投資関連銘柄も買われた。一方、米利上げ観測の後退を背景に円相場が上げ幅を広げると輸出関連株を中心に売りが優勢になった。
JPX日経インデックス400も反落し前日比52.70ポイント安い1万2030.38で終えた。東証株価指数(TOPIX)も反落した。
業種別TOPIXは33業種中22業種が下落した。「保険業」や「鉄鋼業」「その他金融業」の下落が目立った。半面、「石油石炭製品」や「空運業」「パルプ・紙」などが上昇した。
前引けの東証1部の売買代金は7972億円と前日同時点の7884億円を小幅に上回った。売買高は7億5473万株、東証1部の値下がり銘柄数は1136、値上がりは639、変わらずは180だった。
個別では、トヨタやホンダ、マツダなど自動車株が売られ、ソフトバンクやファストリ、キーエンスなど値がさ株の一角も軟調だった。ソニーや村田製、アルプスも下げた。低調な売買を受け日本取引所が連日で上場来安値を付け、野村や大和も下げた。KLab、enishなどが大幅安。日本ゼオン、共立メンテナンス、クミアイ化学工業などの下げも目立つ。
半面、三菱UFJや三井住友FGなど銀行株の一角が買われた。ピジョンやコマツ、スズキも高い。小野薬やアステラスも上げた。ルネサスエレクトロニクスも大きく上値を伸ばした。アウトソーシング、DMG森精機なども大幅高。
東証2部株価指数も反落。前引けの2部指数は、前日比12.7ポイント安の4370.07となった。
個別銘柄では、フライト、フォーシーズ、タカトリ、朝日インテク、Oak、ケミプロが下げた。半面、不二サッシ、川本産業、青山財、象印、RVHが上げた。
【市況】日経ジャスダック平均反落、買い手控えムード。タツモなどが売られる

日経ジャスダック平均株価は4営業日ぶりに反落した。前引けは前日に比べ8円56銭安い2545円37銭となった。日経平均株価の反落や円相場の上昇で投資家心理がやや悪化し、買い手控えムードが強まった。
東証1部の大型株の下げに連動し、新興市場の主力銘柄にも利益確定売りが出た。
ジャスダック市場の売買代金は概算で241億円、売買高は4314万株。
個別銘柄では、平田機工、セリア、タツモ、内外テック、カーディナルが下落し、リプロセルやブロッコリー、セプテニHD、OSGコーポ、リプロセル、アバールが上昇した。
【市況】東証マザーズ指数は続伸、マイネット、アクトコールなど買われる

東証マザーズ指数は小幅に続伸した。前引けは前日比1.22ポイント高い1142.83だった。個別銘柄ではマイネット、アクトコール、リアルコム、ブランジスタ、グリンペプ、アキュセラが上昇。一方で、sMedio、ヘリオス、あんしん保証、オンコリス、サイバダインが下落した。