<兜町カタリスト>
「やる気」
NYダウは17ドル高の17938ドルと続伸。
高値は18003ドルまであったが引けにかけて上昇幅を縮小した。
NASDAQは反落とマチマチの動き。
S&P500は一時2119ポイントまで上昇。
2015年5月の過去最高値にあと一歩のところまで迫った。
S&P500の過去最高値接近から「最大の注目点は最高値更新の有無。短期間で更新すれば、
様子見を決め込んでいた投資家が相場上昇に乗り遅れまいとして一斉に投資に動くだろう」という声もある。
供給の減少などを背景にWTI原油先物がバレル50ドル台まで上昇したことを好感。
エネルギー関連セクターが上昇をけん引。
一方で医薬品セクターは軟調だった。
印象としては過去最高値を前にして失速の一日。
原油先物の年初来高値更新は米シェール産業の増産を招くのではないかとの指摘もある。
ただ昨年10月レベルまで戻ったことは米経済にとっては明るい話だろう。
世銀は今年の世界成長率見通しを2.4%に下方修正。
米国の成長率は2.7%→1.9%。
日本は1月時点の1.3%→0.5%成長へ下方修正。
「今さら」という印象もあるが、市場は素直に反応したというところ。
昨日の日経平均株価は95円高。
月曜の62円安を埋め雇用統計サプライズを取り戻した。
メジャーSQ週の火曜は過去6回下落と言うアノマリーも否定しての上昇は強かったと言えよう。
東証1部の新高値銘柄が72、新安値17と逆転したことも強さにつながろうか。
空売り比率も38%台まで低下した。
1~3月GDP改訂値の発表が控えている。
速報段階はポジなサプライズとなったことを受けるかどうかが課題。
「弱いGDPとなっても、来週の日銀金融政策決定会合での追加緩和につながる」という指摘も聞かれる。
5月SQ値16845円と3月メジャーSQ値16586円のレンジでの綱引き。
どちらかと言えば5月に魅かれているように映る。
シカゴ225先物終値は16710円。
高値の16845円を試す動きに期待したいところ。
安値は16535円だから下値限定的とみてもよかろう。
気になるのは本来日本にとっては悪材料の原油高で上昇し、引け際に失速したNY株式動向。
そして世銀の経済見通しの下方修正。
1.3%→0.5%と下方修正された理由は個人消費と輸出の弱さ。
この克服は確かに課題だが、別にサプライズではなかろう。
SQ週の荒れる水曜日ではある。
昨日は昼休みの買い物で上昇が加速したが、今日も昼の天使はいるのだろうか。
TOPIXの5月SQ値は1345.26。
こちらの方がターゲットしては近いような気がする。
日経1面では「三菱UFJ銀、入札の特別資格返上へ」のトップ記事。
メガバンクも国債離れ。
ようやくやる気が出てきた印象。
プライマリーディーラーという資格は発行予定額の4%以上を応札する義務を負っている。
メガバンク等22社がそのメンバー。
国内勢の返上は初めてだという。
民間銀行の国債保有額は229兆円。
メガバンク3行で54兆円。
この3年で半分に減ったという。
指摘は「日銀依存一段と」。
債券の世界の地殻変動はいずれ株式の世界の恩恵に移行してくると読みたいところ。
というか「債券よサヨウナラ、株式よコンニチワ」。
ワクワクするのは気のせいだろうか。
政策の萎縮化なんてもっともらしい警告もきっと聞こえてくるのだろうが・・・。
逆に日経国際面では悪材料の可能性満載。
というか、今後数カ月の火だねが羅列されている。
一つは「英首相、金融会見し訴え」。
6月23日の英国のEU離脱の投票に際しての「残留支持」を訴えた。
これはドイツ国債の利回りが0.048%まで低下した背景にもつながる。
そして「中国の外貨準備再び減」。
人民元安での買い支えのために279億ドルの外貨が減少したという。
ドル高がキツいのは日本ばかりでないし、人民元の余波が円に及んだと見ることもできる。
これが二つ目の火だね。
サウジの非石油収入が3倍にする計画を発表し民間での45万人の雇用増計画。
これは原油価格の上昇への路線。
世界経済にとってまた原油の呪縛が始まるのかも知れない。
再び元気な安部首相。
月曜は赤坂の「赤坂飯店」で記者団と2時間。
火曜は神楽坂のてんぷら「天孝」で本田参与らと2時間半以上。
そんな場合ではなくなってくるのかも知れない。
内閣府が8日に発表した2016年1~3月期実質GDP2次速報値は上方修正。
前期比はプラス0.5%(1次速報値プラス0.4%)。
年率換算ではプラス1.9%(同プラス1.7%)。
事前予想では、中央値が前期比プラス0.5%、年率プラス1.9%。
民間設備投資は1次速報値の前期比マイナス1.4%からマイナス0.7%に上方修正。
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アドソル日進(3837)・・・動兆
アドソル日進に注目する。
同社は大企業向け大規模システムの開発が中核。
電力ガス向けのシステムが好調で業績は堅調。
米国サンノゼにセキュリティ関連の研究所設立。
IoTシステムの全域をカバー。
「人体通信」技術や高度道路交通システムなどに期待感。
組み込みソフトのウィルス監視はオンリーワン。
(兜町カタリスト櫻井)