[10時の概況]
8日10時現在の日経平均株価は前日比58円70銭高の1万6734円15銭で推移している。
朝方は上昇して始まった後に下げるなど方向感が乏しかったが、株価指数先物に買いが入ったことをきっかけに63円高の1万6739円まで上げ幅を広げる場面があった。
前日の海外市場で1バレル50ドル台と約8カ月ぶりの高値を付けた原油先物相場が時間外取引でも堅調に推移しており、先物にまとまった買いが入った。
半面、円相場が1ドル=107円ちょうど近辺ときょうの高値圏で推移していることからトヨタなど自動車株の一角が下げており上値は重い。
内閣府が朝方に発表した1~3月期の実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率1.9%増と速報値の1.7%増から上方修正された。
設備投資のマイナス幅が速報値から縮小したほか、個人消費も小幅ながら上方修正された。「国内景気は思ったほど悪くないとの見方が出ている」との指摘もあり、ファナックやSMCなど設備投資関連銘柄には買いが入っている。
JPX日経インデックス400は1万2100を挟んで推移している。東証株価指数(TOPIX)ももみ合い。
業種別では33業種中22業種が値上がり。1位は石油・石炭で、以下、鉱業、パルプ・紙、ゴム製品と続く。値下がり上位には保険、鉄鋼、非鉄金属が並んでいる。
10時現在の東証1部の売買代金は概算で4533億円、売買高は4億3754万株。値上がり銘柄数は989、値下がりは743、変わらずは208。
日経平均プラス寄与度トップはファナックで、日経平均を7.65円押し上げている。次いでアステラスが5.39円、東エレクが4.71円、信越化が4.04円と続く。
マイナス寄与度は5.65円の押し下げでKDDIがトップ。以下、TOTOが2.06円、テルモが1.57円、デンソーが1.45円と続いている。
後別では、三菱UFJや三井住友FGなどメガバンク株の一角が高い。小野薬やアステラスなど製薬株も買われている。スズキ、NTTドコモ、アルプスが高い。半面、トヨタやホンダが安く、ソフトバンク、村田製、ソニーが下げている。コロプラやキーエンスも安い。
東証2部株価指数は小反落。朝日インテク、Oak、フライトHDが安い。半面、不二サッシ、象印、RVHが高い。
iPS細胞を使って網膜の細胞を作製し、目の難病患者に移植する世界初の臨床研究を開始する方針を示したことから再生医療のテーマ性が再燃、ここ調整色の強かったバイオ関連に投機資金が向かっている。
そーせいグループが一時680円高で2万1000円台を回復、前日に10日ぶりに反発したアキュセラ<も続急伸となったほか、リボミック、リプロセル、ペプチドリーム、グリーンペプタイド、セルシード、JCRファーマなどバイオ関連が大きく買いを集めている。
225先物はGS・JP・ソジェン・パリバ・ナティクス・クレディ・メリルが買い越し。
大和・野村・三菱・みずほ・アムロ・ドイツ・バークレイズが売り越し。
TOPIX先物はパリバ・みずほ・大和・ドイツ・三菱が買い越し。
GS・モルスタ・UBS・野村が売り越し。
外資系等は住友重機(6302)、中部電(9502)に注目。