
【前引け概況】
7日午前の日経平均株価は反発し、前日比59円82銭高の1万6639円85銭で前場を終えた。
前日の欧米株高や為替市場で円安に振れたことなどを背景に主力株中心に広範囲に買い戻される展開となった。前日のイエレンFRB議長の講演では、利上げ時期についての言及は避けたものの、緩やかな利上げ方針を維持する考えを示したことがドル買い戻しにつながり、東京市場でも追い風となった。
ただ取引開始後に外国為替市場で円相場が1ドル=107円近辺まで円高方向に戻すと、ふたたび円高による輸出企業の採算悪化を懸念した売りが優勢になり、日経平均は下げに転じる場面があった。
その後円が107円台後半に押し戻されると日経平均は小幅高を維持し、円相場をにらんで株価指数が小幅に上下に動く展開が続いた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も反発した。
円高一服を受けて、電機や機械株が買われた。海外収益の目減りを警戒した売りが弱まり、富士通と東芝、コマツ、ファナックが上げた。一方、自動車株は弱かった。きのう小幅安にとどまったトヨタが売りにおされ、5月の軽自動車販売が減ったスズキの下げも目立った。
前引けの東証1部の売買代金は概算で7884億円、売買高は7億8203万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1073と、全体の約55%を占めた。値下がりは692、変わらずは184銘柄だった。
個別では、2016年2~4月期連結決算を発表したピジョンは大幅高。原油高が好感されて資源開発の国際石開帝石とJXが上がり、住友鉱と三菱重が上昇した。村田製の上げも大きかった。コマツ、ファナックなども買われた。出遅れ感のあった化学セクターでは住友精化、日本触媒などが大幅高。
一方、OLCとソフトバンクは下げた。JALは年初来安値を更新した。スズキも軟調。JVCケンウッド、日本製紙、すかいらーく、ガリバーインターナショナルなども下落した。
東証2部株価指数は小幅反発した。前引けの2部指数は、前日比2.18ポイント高の4383.55となった。個別銘柄ではフォーシーズ、Oak、ローツェ、スリープロ、エルミック、ベネ・ワンやワールドHDが上げ、Jミート、フライト、コメ兵、とRVHが下げた。
【市況】日経ジャスダック平均続伸、内外テックと小田原機が一時ストップ高

日経ジャスダック平均株価は3日続伸した。前引けは前日に比べ7円76銭高い2554円12銭だった。新興企業株では株価上昇の目立つ銘柄に買いが入った。ただ、商いは低調だった。
ジャスダック市場の売買代金は概算で243億円、売買高は3906万株だった。
個別銘柄では内外テック、小田原機、リプロセル、カーディナルが上昇し、前日発表の5月の既存店売上高が21.3%増となったマクドナルドは、朝高後は伸び悩んだ。半面、日本ラッド、チエル、日ダイナミク、文教堂HD、クリムゾンは下落した。
【市況】東証マザーズ指数は反発、ヘリオスなどがストップ高

東証マザーズ指数は反発した。前引けは前日比14.72ポイント高い1144.96だった。個別銘柄ではホットリンク、ヘリオスがストップ高。ビリングシス、あんしん保証、ショーケースTV、コラボス、グローバルグループが買われた。バイオ関連銘柄に関心が向かったが、値動きはそーせい、グリンペプなどが買われた一方でオンコリスが売られるなど方向性はまちまちだった。セレス、Aiming、エディアは売られた。