<兜町カタリスト>
「6月6日に雨ザーザー降ってきて」
週末のNYダウは31ドル安と3日ぶりの反落。
NASDAQも8日ぶりの反落となった。
もともと減少が予測されいた雇用統計は非農業部門雇用者数が3.8万人増。
大幅に市場予想の16.4万人増を下回って着地。
5年8カ月ぶりの低水準となった。
製造業や建設業の不振が響き早期利上げ観測が後退。
債券高株安ドル安円高となった。
夏の間に利上げが実施されるとの観測は一気に後退。
6月利上げの確率は4%と前日の21%から低下。
7月利上げの確率も34%と、前日の58%から低下。
「少なくとも11月まで利上げはない」という声まで聞かれている。
ただ今回の雇用統計は一時的要因も多かった。
一つは米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズのストライキ。
あるいは悪天候による建設部門の雇用の落ち込みなど。
時間当たり賃金は増加、失業率は5%→4.7%まで低下、労働参加率は低下。
7月には上方修正される可能性が大きいと見た方が良いかも知れない。
一方で「市場は米大統領選がもたらす不安定性に注目していない」という指摘もある。
トランプ氏、クリントン氏のいずれが大統領に就任してもイエレンFRB議長の続投の可能性は低く、
株価のボラは高まるとの見方。
NY市場は反落したとはいえ下落幅は縮小。
S&P500は2100ポイントの高値水準で推移。
「雇用統計通過」で新たな展開とみても良いかも知れない。
今夜のイエレン議長の講演が注目される。
2日間で700円近い下落をみた日経平均週末は一応反発。
週間ベースでは、1.1%下落と4週ぶりの反落。
TOPIXも0.9%の下落で4週ぶり反落。
東証マザーズ指数は4.3%上昇で2週続伸だった。
想定外の米雇用統計はシカゴでの円高株安をもたらした。
ストライキや天候など不安定要因があったものの非農業部門雇用者数は3.8万人増。
5年8か月ぶりの低水準。
早期利上げ観測後退から106円台というドル安円高トレンドが225先物を直撃。
一時16260円まで下落し終値は16330円。
アッという間に25日線(16684円)、75日線(16594円)を下回った。
5月31日の16234円からわずか4日で1000円近い下落。
一目均衡の雲の下限は162219円。
あるいは25日線からの5%かい離15849円を覚悟せざるを得ない週明け。
先週末の空売り比率は42.3%と上昇。
今年1月26日の43%に迫っている。
しかし45%程度が限界とすれば悪材料はそろそろ出尽くしと見ても良いかも知れない。
今週末はメジャーSQ。
SQに向けて安いトレンドが戻ってきたと考えれば、荒れるSQ週の火曜・水曜という想定だろうか。
3月メジャーSQ値は16586円攻防戦の週とシナリオで良いのかも知れない。
長い目で見れば「セル・イン・メイ」のアノマリー。
「5月が高くなれればセル・イン・メイ」は成立しないというショーク的市場観測もある。
そこまで意地悪く相場を見る必要はなかろう。
ストボの岩本デスクが調べていた雇用統計翌週月曜の日経平均。
1月(2月5日発表)=「予想下回る」・ダウ工業株▲167ドル→日経平均▲470円安、
2月=「予想以上の大幅増加」→ダウ工業株△62ドル・日経平均▲107円
3月=「予想をやや上回る」→ダウ工業株△107ドル・日経平均、▲40円
4月=「予想をやや下回る」・ダウ工業株△79ドル・日経平均△109円
5月=「予想を大幅に下回る」・ダウ工業株▲31ドル・日経平均???
「メジャーSQの火曜は6連敗中」という声も聞かれるが・・・。
「6月6日に雨ザーザー降ってきて」では困る。
1月2月は月初から下落。
1月は21日、2月は12日に底打ち反転した。
3月はSQに向かって上昇し14日高値で31日安値。
4月は月初から下落で8日にそ底打ち、25日高値で月末大幅安。
5月はGW明けの月初安で2日に底打つ、月末高。
そして6月もまた月初からの下落。
リズムはこんな感じ。
いつかみた道と思えば下落はむしろ飼い葉の提供と考えても悪くはない。
ハーモニー的にはアコースティックの中国や原油の旋律は消えてベースの米金利問題。
時おりイベントチックな雇用統計などのティンパニーが響くといったところだろうか。
5日の新月で下がり21日の満月で上昇なんてシナリオでも良いかも知れない。
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イーレックス(9517)・・・動兆
イーレックスに注目する。
同社は代理店通じた電力小売りが主力。
今期は2期連続の経常最高益見通し。
中期経営計画「Dash 1000」を発表。
最終年度の19年3月期に売上高673億円、経常利益70億円を目指している。
先週まで7週連続陽線、5日続伸。
1月の1345円を抜ければ青天井になる。
(兜町カタリスト櫻井)