【オープニングコメント】
3日の東京株式市場は、上値が重い展開となりそう。
日経平均株価予想レンジは、1万6400円-1万6700円を想定する。
全体的には今晩の米雇用統計を前に様子見気分が広がるだろう。
日本株は円高進行や、連日の日経平均大幅安でセンチメントが急速に悪化したことなども売買手控え要因となりやすい。ただ、海外市場の落ち着いた動きが続いていること、雇用統計結果によっては円高一服も期待できることなどから、下値では押し目買いも期待できる。強弱感が入り混じり一進一退の展開か。
ただし、政府が決定した消費増税延期と財政出動の組み合わせに関し、ムーディーズは2日、「信用評価上ネガティブ」としており、市場の反応が注目される。
主要外国証券経由の注文動向は、売り1140万株、買い580万株で、差し引き560万株の売り越し。売り越しは2営業日連続。金額も売り越し。
売りセクターに、情報通信、機械、鉄鋼、化学、電機、空運、電力、ガス、商社など。買いセクターに、機械、食品、石油、小売、鉱業、建設など。
【好材料銘柄】
■フライトホールディングス <3753>
スマートデバイスをクレジットカード決済端末にする大企業向けソリューション「ペイメント・マイスター」の電子マネー対応版を販売開始。第1弾対応ブランドはNTTドコモの「ID」。
■インテリックス <8940>
東証が9日付で市場1部に指定替えする。
■フルスピード <2159>
16年4月期の連結経常利益を従来予想の7.8億円→9.3億円(前の期は5.3億円)に19.5%上方修正し、増益率が46.3%増→74.9%増に拡大する見通しとなった。
■フリービット <3843>
16年4月期の連結経常利益を従来予想の10億円→13.2億円(前の期は9.8億円)に32.8%上方修正し、増益率が1.8%増→35.2%増に拡大する見通しとなった。
【予定】
3(金)
【国内】
4月毎月勤労統計調査(9:00)
《決算発表》
モロゾフ、クリムゾン、アマガサ、ティーライフ、鳥貴族、丸千代山岡家、ユークス、三井ハイテック、エイケン工業、ハイレックスコーポレーションなど
【海外】
ユーロ圏4月小売売上高(18:00)
米5月雇用統計(21:30)
米4月貿易収支(21:30)
米5月ISM非製造業景況指数(23:00)
米4月製造業受注(23:00)
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
【市況】NYダウ続伸、48ドル高。雇用統計前に方向感欠く

【NY概況】
2日のNYダウ平均は小幅に続伸した。終値は前日比48ドル89セント高の1万7838ドル56セントだった。
2日、石油輸出国機構(OPEC)総会で増産凍結が合意に至らなかったことで原油相場が下落し、売りが先行。NY原油先物相場は一時1バレル48ドルを割り込む水準まで下落。エクソンモービルやシェブロンなどエネルギー関連株に売りがかさみ、ダウ平均も下げ幅を一時86ドルまで広げた。
5月ADP雇用統計が予想に一致する堅調な内容となり、利上げ観測が拡大したことも嫌気されたが、明日の雇用統計を見極めたいとの思惑から引けにかけて上昇に転じる展開となった。
ナスダック総合株価指数は7日続伸。前日比19.112ポイント高の4971.363で終え、2015年12月31日以来およそ5カ月ぶりの高値を付けた。
S&P500種株価指数は15年11月上旬以来、約7カ月ぶりの高値を付けた。
セクター別では、ヘルスケア機器・サービスや医薬品・バイオテクノロジーが上昇する一方でエネルギーやソフトウェア・サービスが下落した。
個別では日用品大手のジョンソン・エンド・ジョンソンが高い。ヘアケア製品のボーグ・インターナショナルを総額33億ドル(約3600億円)で買収すると発表し、将来的な業績拡大を期待した買いが広がった。
取引開始前に発表した2~4月期決算で業績が市場予想を上回ったネットワーク機器大手のシエナが急伸。化学のデュポンや建機のキャタピラー、医療保険のユナイテッドヘルス・グループなども買われた。
一方で、携帯端末のアップル(AAPL)はゴールドマン・サックスによる目標株価引き下げを受け、売られた。
住宅建設のホブナニアン・エンタープライズ(HOV)は通期見通しを引き下げ、大幅下落。ソフトウェアのオラクル(ORCL)は解雇した従業員が、不正な会計処理を強いられたと訴えたことを嫌気して下落。大手石油株のほか、マイクロソフトなども売られた。
NYダウ工業株30種(ドル)
17,838.56 +48.89
S&P500種
2,105.26 +5.93
ナスダック
4,971.363 +19.112
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続落した。6月物は前日比250円安の1万6605円で引けた。2日の大取終値を15円上回った。朝方は米株の下げにつれ、売りが先行した。その後は米株が反発に転じ、下げ幅を縮小。この日の6月物安値は1万6435円、高値は1万6865円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
16605 ( +15 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
16615 ( +25 )
( )は大阪取引所終値比
【02日の欧州株式市場】
イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6185.61(-6.32)
2日のロンドン株式相場は続落。FTSE100種総合株価指数は前日終値に比べ6.32ポイント安の6185.61で引けた。上昇と下落の銘柄数はほぼ拮抗。医薬品株や住宅建設株が指数の上げを支える一方で、公益株の下げが全体に響いた。
ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10208.00(+3.56)
2日のフランクフルト株式相場は小反発。ドイツ株式指数(DAX)の終値は前日比3.56ポイント(0.03%)高の10208.00だった。
医薬・化学のバイエルと自動車のフォルクスワーゲンが上昇した。アナリストが株価目標を引き上げた電力のRWEも高くなった。半面、ミュンヘン再保険と透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアは下落した。
フランス・パリ株価指数
CAC40 4466.00(-9.39)