
【前引け概況】
1日午前日経平均株価は反落した。午前の終値は前日比97円38銭安の1万7137円60銭だった。
利益確定の売りに押された。前日の欧米市場が総じて軟調に推移したことやドル・円相場が足もと円高傾向に振れたことが嫌気された。
ただ、消費増税の延期に加え、補正予算など財政を伴う景気刺激策に対する期待感もあり、下値は頑強で寄り後は一貫して下げ渋っている。
朝安で始まったトヨタが上昇に転じるなど、輸出関連株の一角が持ち直して指数を支えた。保有する中国の電子商取引大手アリババ集団の株式の一部を売却すると発表したソフトバンクの上昇も指数を支えた。
財務省が発表した2016年1~3月期の法人企業統計では、金融業と保険業を除く全産業の設備投資額が前年同期比4.2%増えたが、好感した動きは目立たなかった。
中国メディアの財新と英金融情報会社マークイットが発表した5月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月から低下したが、市場予想並みだったため株式相場の反応は限られた。
JPX日経インデックス400も反落し、前引けは前日比63.24ポイント安い12390.02だった。東証株価指数(TOPIX)も反落した。
業種別TOPIXは33業種中27業種が下落した。「陸運業」や「電気・ガス業」「空運業」の下落が目立った。半面、「海運業」や「輸送用機器」が上げた。
前引けの東証1部の売買代金は9379億円、売買高は8億8211万株、東証1部の値下がり銘柄数は1087、値上がりは690、変わらずは177だった。
個別では武田や小野薬が下げ、KDDIやNTTなど通信株が売られた。村田製や新日鉄住金、リクルートも安い。JTやファストリ、ブリヂストンも下げた。半面、トヨタのほか、マツダやスズキが上昇。三菱UFJやみずほFGなど銀行株の一角も朝安後に上昇に転じた。
東証2部株価指数は朝安後に上昇に転じた。前引けの2部指数は、前日比5.16ポイント高の4398.63となった。
個別銘柄ではPALTEKがストップ高。日本エスコン、ぷらっと、セントラル総、ランドコンピュータ、ヨシックスが上げた。半面、アルチザ、フライトHD、アライドHD、ジオスター、ケミプロ化成、フライトが下げた。
【市況】日経ジャスダック平均続伸、日ダイナミクがストップ高

日経ジャスダック平均株価は小幅に続伸した。前引けは前日に比べ7円14銭高い2555円99銭。「無料対話アプリを手掛けるLINE(東京・渋谷)が7月にも東京証券取引所に上場する見通しになった」と伝わり、LINE関連とされる銘柄の物色が盛り上がった。東証1部の主力銘柄が利益確定売りに押されるなか、新興市場に個人投資家の資金が流入した。
ジャスダック市場の売買代金は概算で194億円、売買高は4000万株。
個別銘柄では日本ラッド、日ダイナミクがストップ高。カーディナルやイマジニア、イリソ電子、アイフリーク、アバール、市進HDが上昇した。アスコットやガーラ、カルナバイオ、夢テクノロジーは下落した。
【市況】東証マザーズ指数は続伸、GMOテックがストップ高

東証マザーズ指数は小幅続伸した。前引けは前日比1.55ポイント高い1146.19だった。
個別銘柄ではGMOテックがストップ高。メディア工房、アドウェイズ、sMedio、オンコリスバイオ、ネットイヤーの値上がりが目立った。一方で、そーせいやブランジスタ、サイバダイン、アクセルM、アライドアーキ、ACCESSは下げた。