【オープニングコメント】
1日の東京株式市場は、軟調な展開となりそう。
シカゴ日経平均先物に寄せて安寄りした後は、下げ渋る展開を予想する。
英国のEU離脱リスクが意識されたほか、原油価格の軟調やまちまちの米経済指標などから、全体的に上値の重い展開となった、海外市場の上昇一服を受け、売りが先行する展開が想定される。
日経平均株価予想レンジは、1万6900円-1万7200円を想定する。
昨日5月31日は、日経平均が今年初めての5日続伸となり、月末のドレッシング(お化粧)買いに加え、MSCI指数のリバランス売買もあり、売買代金が2兆円を超えた。市場では「特殊要因で、市場エネルギー回復の兆しとはいえない」との見方が出ていた。
主要外国証券経由の注文動向は、売り660万株、買い1330万株で、差し引き670万株の買い越し。買い越しは4営業日連続。金額(も買い越し。
売りセクターに、電機、機械、自動車、薬品、ガス、銀行、陸運など。買いセクターに、機械、不動産、食品、通信、情報通信、電機、化学、銀行、食品など。
【好材料銘柄】
■リンクアンドモチベーション <2170>
発行済み株式数(自社株を除く)の3.31%にあたる370万株(金額で7億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は6月6日から7月5日まで。
■キューブシステム <2335>
発行済み株式数(自社株を除く)の4.05%にあたる60万株(金額で4億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は6月6日から9月30日まで。
■ネクシィーズ <4346>
16年9月期の年間配当を従来計画の10円→15円(前期は10円)に大幅増額修正した。
■ベクター <2656>
VectorGameとハンゲームで新作ブラウザゲーム「ノアトピア~希望の物語~」のオープンβテストを開始。
■はてな <3930>
16年7月期第3四半期累計(15年8月-16年4月)の経常利益(非連結)は2.1億円となり、通期計画の1.6億円に対する進捗率が126.5%とすでに上回った。
■オンコリス <4588>
米LBR社とHIV感染症治療薬「OBP-601(Censavudine)」に関するオプション契約を締結。承認申請に向けてフェーズ3臨床試験を進める。
【予定】
1(水)
【国内】
1-3月期法人企業統計(8:50)
5月自動車販売台数(14:00)
《決算発表》
伊藤園
【海外】
中国5月製造業PMI(10:00)
中国5月非製造業PMI(10:00)
中国財新5月製造業PMI(10:45)
豪1-3月期GDP(10:30)
米5月ISM製造業景況指数(23:00)
米4月建設支出(23:00)
ベージュブック
世界経済フォーラム東アジア会議(~2日)
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
【市況】【市況】NYダウ反落 消費堅調で米利上げ観測

【NY概況】
5月31日のNYダウ平均は反落し、3連休前の27日終値比86ドル02セント安の1万7787ドル20セントで終えた。
中国株の上昇を受けて買いが先行したものの、5月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)や5月消費者信頼感指数が相次いで予想を下回ったことで下落に転じた。
朝方発表の4月の米個人消費支出(PCE)が増え、早期の米利上げを見込んだ売りが強まった。5月の米雇用統計の発表など重要イベントを前に様子見ムードが広がり、リスク回避目的の売りも出た。
ただ、ダウ平均は5月月間では前月比13ドル高で、4カ月連続で上げた。
4月のPCEは前月比1.0%増と、6年8カ月ぶりの高い伸び率となった。米連邦準備理事会(FRB)が物価指標として重視するPCEデフレーター(食品・エネルギーを除く)は前年同月比1.6%上昇。米景気の回復の勢いが増したとの見方につながった。
イエレンFRB議長が前週末に「経済成長が見込み通りに続けば、今後数カ月での利上げがおそらく適切になる」と早期利上げの可能性を示した。ダウ平均の下げ幅は一時149ドルに達した。
ナスダック総合株価指数は5日続伸し、14.550ポイント高の4948.055と4月20日以来ほぼ1カ月ぶりの高値で終えた。
セクター別では、運輸や公益事業が上昇する一方で各種金融や消費者・サービスが下落した。
個別銘柄では、通期の業績見通しが市場予想を下回った医療機器のメドトロニックが下落。米電力大手のグレート・プレーンズ・エネジーが大幅安。同業のウエスター・エナジーの買収を発表し、財務負担を懸念した売りが膨らんだ。一方、ウエスター・エナジーは大幅高で終えた。
ダウ平均の構成銘柄では航空機のボーイング(BA)が下落。空中給油・輸送機「KCー46」の製造が遅れると発表し、目先の収益が伸び悩むとみた売りが出た。
原油相場の下落を受けてエクソン・モービル(XOM)やシェブロン(CVX)などエネルギー関連企業が軟調推移。
一方、自社株買いを発表した事務用品のオフィス・デポ(ODP)が上昇した。
ダウ平均ではマイクロソフトやIBM、建機のキャタピラーが上げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
17,787.20 -86.02
S&P500種
2,096.96 -2.10
ナスダック
4,948.055 +14.550
【シカゴ日本株先物概況】
31日のシカゴ日経平均先物は続伸し、約1カ月ぶりに1万7000円を回復して取引を終えた。6月物は米国で3連休前だった27日終値に比べて160円高の1万7070円で取引を終えた。31日の大阪取引所の終値は160円下回った。
早期の米利上げへの警戒感から円安が進み、相場を支えた。半面、NYダウ平均が反落したため売られる場面もあり、上値は重かった。6月物の高値は1万7260円、安値は1万6905円だった。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
17070 ( -160 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
17085 ( -145 )
( )は大阪取引所終値比
【31日の欧州株式市場】
イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6230.79(-40.00)
ロンドン株式相場は5営業日ぶりに下落。FTSE100種総合株価指数は連休前の27日終値に比べ40.00ポイント安の6230.79で引けた。いったん利益を確定しようとする動きがみられ、構成銘柄の約7割が下落した。
ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10262.74(-70.49)
フランクフルト株式相場は6営業日ぶりに下落。ドイツ株式指数(DAX)の終値は前日比70.49ポイント(0.68%)安の10262.74だった。
四半期減益決算を発表し、アナリストが目標株価を引き下げた自動車のフォルクスワーゲンが安い。
フランス・パリ株価指数
CAC40 4505.62(-23.78)