
【前引け概況】
30日午前の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前週末比150円36銭高の1万6985円20銭で前場を終えた。
為替の円安進行を受けて朝方から買いが優勢、日経平均株価は上値指向が鮮明だ。
外国為替市場では米早期利上げの思惑からドル買いが進行、一時1ドル=111円台に入るなど約1カ月ぶりの円安水準に振れており、これが主力株を中心に株高ムードを後押しして、1万7000円に接近した。
ただ、今後に予定される景気対策の規模や衆院解散の有無などを確認したいとの空気も濃かった。朝方の買いが一巡した後、日経平均は一進一退になった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続伸した。
前引けの東証1部の売買代金は概算で7245億円だった。今年最低となった前週末27日の前引け(7816億円)を下回った。
売買高は7億9317万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1322と全体の約68%を占めた。値下がりは485、変わらずは146銘柄だった。
個別では、 円安を追い風にトヨタ自動車や富士重工業など自動車が買われ、2016年10月期の連結業績見通しを発表したHISは大幅高となった。東芝と村田製が上げた。楽天や資生堂が上昇し、味の素とキリンHDの上げが大きかった。アインホールディングスが値を飛ばし、デイ・シイ、太平洋セメントなど建設資材関連も買われた。
一方、JALとANAHDは下落し、ガンホー・オンライン・エンターテイメント、日本アジア投資が利益確定売りに押され、SBIホールディングス、日新日鉄住金と日東電が下げた。クボタも売られた。
東証2部株価指数は反発した。前引けの2部指数は、前週末比25.79ポイント高の4374.62となった。
個別銘柄ではまんだらけが一時ストップ高。スガイ化学工業、ケミプロ化成、ラオックス、宮入バル、朝日インテクやアートSHDが買われた。半面、光陽社、ムーンバット、アシードHD、タカトリ、RVHと技研製が下げた
【市況】日経ジャスダック平均は前週末比18円27銭高

日経ジャスダック平均株価は上昇した。午前終値は前週末比べ18円27銭高い2536円23銭だった。外国為替市場で円相場がおよそ1カ月ぶりに1ドル=111円台まで下落し、株式市場の投資家心理が改善したため、新興企業株も買いが優勢になった。バイオ関連銘柄などに個人投資家の物色が向かった。
ジャスダック市場の売買代金は概算で233億円、売買高は3408万株。
個別銘柄ではJHD、日本ラッドがストップ高。カルナバイオ、IPS、アスコット、トリケミカル、鴨グランドが上昇した。半面、大和コン、ガーラやマクドナルド、AKIBAHD、イナリサーチなどが下落した。
【市況】東証マザーズ指数は続伸、アークンとエディアがストップ高

東証マザーズ指数は続伸した。午前終値は前週末比37.49ポイント高い1128.95だった。27日の取引終了後にスマートフォン(スマホ)ゲーム「神の手」の詳細を発表したブランジスタは制限値幅の上限(ストップ高)水準で買い気配となり、取引が成立しなかった。アークン、エディアもストップ高。そーせいやセレス、DMP、sMedio、REMIX、Gunosy、アカツキが上昇した。
一方、アキュセラは「取引所がインサイダー取引の疑いで調査」と伝わり、売りが膨らんだ。売り気配値はストップ安水準まで下落し、取引は成立しなかった。アクロデア、サンワカンパニもー売られた。