【オープニングコメント】
30日の東京株式市場は、シカゴ先物にさや寄せする格好から、買い先行の展開となろう。
日経平均株価予想レンジは1万6800円-1万7000円。
週末には安倍首相が消費増税に関して、2019年10月まで2年半程度延期したいとの意向であることが各メディアで報じられた。
目先は政策期待が市場の下支え要因となり、売りづらい地合いが想定される。良好な外部環境をサポートに、日本株は底堅い推移が続くと予想する。
ただし、米国などが祝日で休場となるなか、商いは膨らみづらい。薄商いの中を先物に振らされやすいだろう。
物色の流れとしては個人主体の中小型株にシフトしやすいだろう。
AIや自動運転、有機EL、フィンテックなどの循環が意識される。
主要外国証券経由の注文動向は、売り370万株、買い420万株で、差し引き50万株の買い越し。買い越しは2営業日連続。金額も買い越し。
売りセクターに、サービス、陸運、機械、電機、小売、保険、不動産、電力、ガス、薬品、証券など。買いセクターに、電機、自動車、鉄鋼、精密、鉱業、機械、通信など。
【今週の展望】
今週(5月30日~6月3日)の日経平均株価は底堅く推移しそうだ。円相場が落ち着き、政策期待も株価を下支えする。
日米金融政策の行方や英国の欧州連合(EU)離脱問題など不透明要素は山積している。投資家の間でも積極的にリスクを取る動きは見られず、引き続き方向感の乏しい相場展開となりそうだ。
1万6900-1万7000円処を捉えてくるようだと、一気に1万7500円辺りまでは早そうである。
【好材料銘柄】
■まんだらけ <2652>
株主優待制度を拡充。現行制度に加え、保有株数と保有期間に応じて「まんだらけ優待券」を贈呈。100株以上500株未満保有の株主には保有期間1年未満で2000円分、1年以上で5000円分、最大5000株以上を1年以上保有する株主には5万円分を贈呈する。また、4月売上高は前年同月比8.3%増と5ヵ月連続で前年実績を上回った。
■ネットイヤーグループ <3622>
NTTデータ <9613> と流通業界を中心とした企業へのオムニチャネル導入の推進に向けて協業する。オムニチャネルはECサイトと実店舗の顧客・商品・在庫情報などを一元管理すること。
■ウェルス <3772>
16年3月期の連結経常損益は3億1100万円の黒字(前の期は2200万円の赤字)に浮上し、従来予想の2億6300万円の黒字を上回って着地。一気に、過去最高益を更新した。なお、17年3月期の業績見通しは開示しなかった。
【予定】
30(月)
【国内】
4月商業販売統計(8:50)
《決算発表》
ダイドードリンコ、東和フードサービスなど
【海外】
休場:米(戦没者追悼記念日)、英(スプリング・バンク・ホリデー)
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
【市況】【市況】NYダウ、44ドル高。米景気への楽観的な見方、投資家心理上向く

【NY概況】
27日のNYダウ平均は反発し、前日比44ドル93セント高の1万7873ドル22セントと10日以来の高値で終えた。アジアや欧州での株高を受け投資家心理が上向き、米市場でも幅広い銘柄に買いが入った。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長の発言が伝わった直後に下げに転じる場面があったが間もなく持ち直し、高値圏で終えた。
原油相場が下げたものの、高値圏をおおむね保ったことで株式などリスク資産の買いを促した。
朝方発表の経済指標への反応は限られた。1~3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率換算で0.8%増と速報値(同0.5%増)から上方修正されたが市場予想は下回った。ミシガン大学による5月の米消費者態度指数(確報値)は昨年6月以来の高水準だったが、速報値からは下方修正され市場予想にも届かなかった。
ダウは下げに転じる場面もあった。議長が数か月以内の追加利上げを示唆する発言を行ったことから、一時上げ幅を縮小したものの、引けにかけて再び上昇する展開となった
ナスダック総合株価指数は4日続伸し、前日比31.739ポイント高の4933.505で終えた。終値として4月21日以来およそ1カ月ぶりの高値を付けた。
セクター別では食品・生活必需品小売を除いて全面高となり、メディアや保険の上昇が目立った。
業績見通しを引き上げたディスカウント小売りのビッグロッツが急伸。グーグルの持ち株会社であるアルファベットも上昇した。ゴールドマン・サックスや通信のベライゾン・コミュニケーションズなどが堅調に推移した。
一方、ゲーム専門店のゲームストップは前日夕発表した四半期決算が嫌気され大幅に下げて終えた。ダウ銘柄ではマクドナルドや建機のキャタピラーのほか、アップルも小幅安で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
17,873.22 +44.93
S&P500種
2,099.06 +8.96
ナスダック
4,933.505 +31.739
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴの日経平均先物は小幅に反発した。6月物は前日比35円高の1万6910円で取引を終えた。27日の大阪取引所の終値を90円上回った。米株高や円相場の下落を手がかりに買いが優勢になった。
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受け早期の利上げ観測が強まったが、反応は限られた。6月物の高値は1万6930円、安値は1万6765円だった
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
16910 ( +90 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
16930 ( +110 )
( )は大阪取引所終値比
【27日の欧州株式市場】
イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6270.79(+5.14)
27日のロンドン株式相場は小動き。FTSE100種総合株価指数は前日終値に比べ5.14ポイント高の6270.79で引けた。約6割の構成銘柄が上昇した。月曜日が祝日で3連休となる週末を控えて積極的な取引は手控えられた。資源株が売られ、指数の重荷になった。
ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10286.31(+13.60)
27日のフランクフルト株式相場は続伸。ドイツ株式指数(DAX)の終値は前日比13.60ポイント(0.13%)高の10286.31だった。終値ベースで前日の4月下旬以来、約1カ月ぶりの高値水準を上回って引けた。半導体のインフィニオンテクノロジーズが高かった。