【オープニングコメント】
27日の東京株式市場は買い先行後、堅調な展開か。
日経平均株価予想レンジは、1万6500円-1万7000円を想定する
要人発言や観測報道、為替動向などから短期的に上下に振らされる可能性はあるが、政策期待から大きく売り込みづらい地合いでもあり、引けにかけては上方向に向かいやすい展開を予想する
安倍首相が伊勢志摩サミットで、「世界経済はリーマンショックの前と似た状況にある」という認識を示した。同首相は、リーマンショック並みの経済状況にならない限り、増税を実行するとしていたことから、17年4月に予定される消費増税を先送りする決断をするとの見方も浮上するとみられ、消費関連株に関心が向かう可能性もありそう。
また、現地27日には、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演を控えることから、様子見気分が広がることも想定される。
主要外国証券経由の注文動向は、売り900万株、買い980万株で、差し引き80万株の買い越し。買い越しは3営業日ぶり。金額は売り越し。売りセクターに、商社、陸運、精密、情報通信、薬品、電機、その他製品、食品、保険など。買いセクターに、機械、食品、電機、情報通信、鉱業など。
【好材料銘柄】
■光陽社 <7946>
非開示だった17年3月期の最終利益(非連結)は前期比17倍の7億8000万円を見込み、26期ぶりに過去最高益を更新する見通しと発表。
■そーせい <4565>
子会社ヘプタレス社と世界大手製薬会社アラガン社とのアルツハイマー治療薬などの開発・販売提携について、米関係当局の承認を受けた。これにより、1億2500万ドルの契約一時金を含む同提携契約の効力が発生する。
■エボラブルアジア <6191>
イマジカ・ロボットホールディングス <6879> 傘下でウェブサイト制作事業などを手掛けるロボット社に対して、ITオフショア開発ソリューションを提供開始。
【予定】
27(金)
【国内】
オバマ米大統領が広島訪問
4月消費者物価指数(8:30)
《決算発表》
日本駐車場開発、スリープログループ、大和コンピューター、日本スキー場開発、エイチ・アイ・エス、アインホールディングスなど
【海外】
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が講演(ハーバード大学)
米1-3月期GDP改定値(21:30)
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
【市況】NYダウ小反落し23ドル安 持ち高調整売り、朝方は原油高で上げも

【NY概況】
26日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに小反落した。終値は前日比23ドル22セント安の1万7828ドル29セントだった。
NY原油先物相場は早朝に一時1バレル50ドル台に乗せ、約7カ月半ぶりの高値を付け買いが先行した。連日の株価上昇に加えて、週間新規失業保険申請件数が予想より減少したほか、4月耐久財受注が予想を大幅に上振れたことで利益確定の売りも散見され、下落に転じた。明日のイエレンFRB議長の講演内容を見極めたいとの思惑から引けにかけて下げ幅を縮小した。
4月の米耐久財受注額など、この日発表された米経済指標は軒並み市場予想を上回って改善した。米景気回復への期待が高まる半面、米利上げが早まるとの見方にもつながりやすく、米株式相場は膠着感を強めた。
27日には米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長がイベントに出席する。「米金融政策に関して発言する可能性もあり、市場の様子見ムードを強めた」との指摘もあった。
ナスダック総合株価指数は3日続伸。前日比6.875ポイント高の4901.766で終え、4月22日以来およそ1カ月ぶりの高値を付けた。フェイスブックなど時価総額の大きい主力のハイテク株が堅調に推移し、指数を押し上げた。
セクター別では、公益事業や小売が上昇する一方で素材や銀行が下落した。
個別ではカジュアル衣料品大手のアバクロンビー・アンド・フィッチが急落した。取引開始前に発表した2~4月期決算が最終赤字となり、1株あたりの赤字が市場予想よりも悪化したのを嫌気した売りが膨らんだ。
早期の米利上げで利ざやが改善するとの期待から、このところ上昇基調にあったゴールドマンサックスやJPモルガン・チェースなど金融関連が安い。化学のデュポンや建機のキャタピラーも売られた。
一方で、ディスカウントストアのダラー・ツリー(DLTR)は通期見通しを引き上げ、大幅上昇。PCメーカーのHPインク(HPQ)は決算内容に対するワイズラーCEOの発言を好感し、堅調推移。コーヒーチェーンのスターバックス(SBUX)はコーヒー焙煎施設を米国外で初めて上海に建設する計画を発表し、買われた。
前日夜発表した3~5月期決算が増収増益で1株利益などが市場予想を上回った会員制卸売大手コストコ・ホールセールも上昇。米コカ・コーラやホームセンターのホーム・デポなども買われた。
NYダウ工業株30種(ドル)
17,828.29 -23.22
S&P500種
2,090.10 -0.44
ナスダック
4,901.766 +6.875
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴの日経平均先物(円建て)は小反落した。6月物は前日比55円安の1万6875円で取引を終えた。26日の大阪取引所終値(1万6790円)は85円上回った。
現物市場が伸び悩んだことを映し、利益確定の売りが優勢となった。原油先物相場が1バレル=50ドル台をに乗せた後は軟調に推移したため、失望売りも出やすかった。この日は円が上昇し、売り材料視された。
26日の高値は1万6965円、安値は1万6735円だった。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
16875 ( +85 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
16890 ( +100 )
( )は大阪取引所終値比
【26日の欧州株式市場】
イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6265.65(+2.80)
26日のロンドン株式相場は小動き。FTSE100種総合株価指数は前日終値に比べ2.80ポイント高の6265.65で引けた。構成銘柄の約6割が上昇。鉱業株が上がる一方で、銀行株が下落した。
ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10272.71(+67.50)
26日のフランクフルト株式相場は続伸。ドイツ株式指数(DAX)の終値は前日比67.50ポイント(0.66%)高の10272.71と、終値ベースで4月下旬以来、約1カ月ぶりの高値水準となった。
フランス・パリ株価指数
CAC40 4512.64(+31.00)