
【大引け概況】
25日の日経平均株価は3営業日ぶりに大幅に反発し、前日比258円59銭高の1万6757円35銭と4月27日以来ほぼ1カ月ぶりの高値で終えた。
終始買いが優勢の展開。日経平均株価は大幅に買い先行で始まった後はもみ合いに転じ、高値圏で売り物を吸収した。
欧米株高に加え、外国為替市場でのドル高円安傾向、WTI原油先物価格も5日ぶりに上昇するなど、リスクオンのムードに包まれ、主力株中心に買い戻される展開となった。
あすから始まる伊勢志摩サミットでの合意内容を見極めたいとの思惑はあるが、サミット後の財政を伴う政策発動に対する期待が、買いを後押ししている。
前日に2017年3月期の連結業績(米国会計基準)見通しを発表したソニーが6%高と急伸。
また、ファストリやファナックなど値がさ株に裁定取引に絡んだ買いが入り、指数を押し上げた。
日経平均の取引時間中の高値と安値の差(値幅)は74円91銭と2015年11月26日以来、約半年ぶりの小ささだった。
東証1部の売買代金は1兆7826億円と、5日続けて活況の目安とされる2兆円を下回り昨年末にかけての6日連続以来の長さとなった。市場では「円相場が110円台で定着しないうえ、サミットなどを控えて積極的な売買が手控えられている」との指摘があった。
東証1部の売買高は16億1834万株だった。値上がり銘柄は1333と全体の7割弱を占めた。値下がりは474、変わらずは146だった。
JPX日経インデックス400も3日ぶりに反発し、前日比143.84ポイント高の1万2118.43で終えた。
東証株価指数(TOPIX)も3日ぶりに反発した。
業種別TOPIXは33業種中31業種が上昇した。「保険業」や「鉄鋼業」「情報通信業」などが上昇した。半面、「医薬品」と「その他金融」が下げた。
個別では、ソニーが17年3月期業績予想の発表を受け、売買代金トップで大幅高に買われた。トヨタやホンダ、富士重などの自動車株がそろって買われた。アドテストや東エレク、スクリンといった半導体関連株は年初来高値を相次いで更新。三菱UFJや三井住友FGの銀行株も買われた。NTTやKDDIといった通信株も上昇した。
半面、投資判断引き下げのあった小野薬やアステラス、武田など医薬品株が安い。村田製が売られ、花王やOLCも下げた。ネクシィーズグループが朝高後安くなり、日清紡ホールディングス、ダブル・スコープも値を下げた。
東証2部株価指数は反発した。大引けの2部指数は、前日比19.93ポイント高の4362.86となった。
個別銘柄ではアートSHD、朝日インテク、RVH、ヨネックス、インターアク、ケミプロ化成、アルチザが上げた。半面、システムソフ、ぷらっと、フマキラー、アイスタディ、イムラ封筒、が下げた。
【指標一覧】
終値 |
|
|
日経平均株価 |
16,757.35 |
258.59 |
日経平均先物 |
16,770.00 |
290.00 |
TOPIX |
1,342.88 |
16.38 |
TOPIX先物 |
1,345.00 |
19.00 |
東証2部指数 |
4,362.86 |
19.93 |
JASDAQ |
2,526.44 |
0.81 |
マザーズ |
1,098.99 |
-6.55 |
出来高 |
|
|
東証1部 |
1618340 |
1782617 |
東証2部 |
61780 |
19656 |
【市況】日経ジャスダック平均株価は反発、野村マイクロなどが一時ストップ高
日経ジャスダック平均株価は小幅に反発した。終値は前日比81銭高の2526円44銭だった。買いが先行したが、新興市場では高値警戒感による利益確定売りも目立ち、上値は重かった。
ジャスダック市場の売買代金は概算で445億円、売買高は1億755万株だった。
個別銘柄では野村マイクロ、アルファクスFS、アバール、ハビックス、ネクストジェン、フィスコが上昇した。
新薬で特許査定を受けたと発表したラクオリアが上げた。一方、トレイダーズやアスコットが下落した。半面、プロパティA、夢の街創造委員会、アエリア、ドーンやマクドナルドも下げた。
【市況】マザーズ指数は続落、ブランジスタなどが売られる

東証マザーズ指数は続落した。終値は前日比6.55ポイント安い1098.99だった。
主力のそーせいやアキュセラが下落した。ブランジスタは朝方上昇したものの後場は急落した。アカツキやJIGSAW、デザインワン、中村超硬、CRIミドルも下げた。
半面、エクストリームがストップ高。グリンペプやオンコリスが上昇した。改正銀行法の成立を受けてセレスなど「フィンテック」関連とされる銘柄が買われた。
前日にエムスリーとの資本業務提携を発表したHMTは制限値幅の上限(ストップ高)で終えた。